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ルッキズムから足を洗いたい

幼少期から常々母にこう言われていた

"あなたの顔は可愛いけど品がない"

父にはこう言われていた

"寝転んでいるとトドみたいだね"

だからずっと私は品が無くて太った人間だと思っていた。親の言葉は発言した本人達の想像以上に呪いと化する。

品が無い顔だと思って生きてきたが実際母以外に品が無い顔だと言われた事がない。
(思ってる人はいたかもしれないが)

実際自分が太ってはいないと高校生まで気づかなかった。(父や妹がBMI17程度で家族内では相対的に太っている方だった)

私は、両親と同じ轍を踏んではいけない。

私の子を見て母と友達夫婦が言った。

"鼻が丸くて少し残念だね"


何も残念では無い。
鼻が丸かろうと尖っていようと可愛い私の子であることは変わらない。
今はまだ0歳で言語が理解できないとはいえ幼少期から言われ続けたら自分の鼻は良く無い形だと思い込んでしまう。自分の顔に欠点があると感じながら生きて欲しく無い。自分自身で鏡を見てそう思うならまだしも、他人の言葉で自己評価を下げるなんてもっての他だ。
さらに他人の子供の容姿の評価を勝手にするなど失礼も甚だしい。初めて言われた時は狼狽えて薄ら笑いをしてしまったが本当は怒らなくてはいけなかった。自分の子を勝手に貶められたのに流してしまった私に腹が立つ。

"目が二重でぱっちりしていて可愛いね"

これも息子に会った人によく言われる。
他人から言われるのは仕方がないとしても親である私が口にするのは控えようと思う。
目がぱっちりしていようがいまいが可愛い私の子には間違いないからだ。
違う目なら可愛くなかったかもしれないなど思ってほしく無い。そして他の子は糸目だから可愛く無いなど客観的な意見を主観とすり替えて欲しく無い。わざわざ親からルッキズムの呪いをかけたく無い。

"あの子、とても可愛いのに病気になって可哀想"

ドキュメンタリーをみて母がそう言う事は珍しくなかった。つい数年前までその発言を聞いても違和感がなかった。

当たり前だが容姿と病気は関係がないし、どんな容姿であろうと助けが必要な状況は変わらない。母も美しくない人は病気になってもしょうがないなど極端で非人道的な事は勿論考えてはいないが、端々にルッキズムがチラつく意見が多かった。故に幼少期から少しずつ私にも刷り込まれていた。思い返せば差別的な発言をたくさんしていたと思う。そして今も油断すると人を傷つけてしまうし、他人を容姿で評価している時がある。

子に、私と同じ轍を踏んでほしくない。

そのためにも少しでも早く
ルッキズムから完全に足を洗いたい。


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