都会で生まれ育った君には
もしかしたら永遠に分からないかもしれないけれど。
街に出るまで片道45分
バスに揺られて
もちろん、帰りも45分
行きも帰りも人はまばらで
運転手の声だけが車内にひびく
降りた先でバスが行ってしまうと
静寂
ではなく
秋の虫の大合唱
見上げると雲の切れ間にまんまるの月
月の明るさで夜道をあるいたことはあるか
月の光が雲を照らしているのを見たことはあるか
月が影を作ることを知っているか
街灯などひとつもない田んぼのあぜ道を歩く
ほろ酔いは醒めずに
月の明かりでまた酔える
だけど何か淋しくなるのはなぜだろう
#田舎なので