僕の序章
呪いをうけた。ほとんどの人に影響のない弱くて小さい呪いだ。しかしそれは私を大きく変えてしまった。当初それは私にひどい痛みを与えた。そしてしばらく息を潜めていたのだが、じゅくじゅくと膿みだし熱をもって生活の中のふとした瞬間にちくりと痛み続けるのだ。
呪いを受けた私は以前のような生活が出来なくなった。世界を直視するたびに身体が痛み身動きが取れなくなる。さてどうしたものか。そういえば、以前同じ呪いにかかっている人を見た時、少し痛みが和らいだな。そして私はひとつのことを決めた。呪いを人に伝染そう。そうすれば私の痛みは減る。切なさと虚しさ、寂しさをが混ざったような痛みが。
こうして私は呪いを伝染すための仕事を始めた。
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