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日本美術鑑賞ツアー 「日本美術から日本人の精神性を学ぶ」

The World Beyondの参加メンバー 安蔵です。

1月26日(日)東京・上野の国立博物館にて、日本美術鑑賞ツアー「日本美術から日本の精神性を学ぶ」が開催されました。

当日は午前と午後に二回開催され、
朝早い時間にも関わらず集合してくださったり、
遠方から飛行機に乗ってまで参加された方、
友達親子で参加された方など、
総勢25名の方が参加されました。

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このプログラムは、
『これから世界に出て活躍していく方へ向けた、日本人が古来から大事にしてきた精神性について改めて見つめ直す』趣旨のもと企画されたものです。

ツアーの講師をされたのは、真武裕子さん。
幼少期から日本に興味を持ち、その後長い年月をかけて日本美術について探究されてきた日本美術の専門家です。

今回、私自身も参加者としてツアーを体験してきましたので、そのレポートを致します。

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なぜ「日本美術から日本の精神性」が学べる?

幹事で関わりましたが、このタイトル、正直ピント来ていなかったんです…
事前にいただいた資料を見てもイマイチ分からず…

以前、刀が見たいからと小2と年長の息子達を連れて訪れた国立博物館。その時は息子達のペースで殆ど素通り…高い入館料払ってこれは勿体ない、あの時どう投げかけたら親子して楽しめなのか…それが知りたく参加しました。
 

その答え、先走りますが、もうツアー後は伝えることが満載で、満載過ぎて頭パンパン!!!
興奮冷めやらぬうちにその一部をご紹介します!

【浮世絵】
・浮世絵一つに絵師、彫師、摺師がいて、それぞれが連携を取り合って完成してたって知ってました?
・3枚から構成されている浮世絵は、1枚から買えるようにその方のお財布事情に配慮した売り方だそうです。商売上手と言うかなんと言うか。
・真武さんからは、自分は知識ないからではなく、見る人全員が主役で良い、自分が楽しいと思える見方をして良いと言う事を教えて頂きました。
・庶民にも広まった浮世絵、庶民でも楽しめる教養が日本にはあったと言う事ですね。
・その浮世絵を観た外国人は「これだけの文化を持った国を今攻めたら、勝つどころか負けるかもしれない。」と思い攻めなかったとの事。武力ではなく文化が日本を守ったなんて!
・昔の日本人、どんだけ凄かったんだ!と初っぱなの浮世絵から心鷲掴みされました。

【刀、太刀】
・武士に憧れてる息子達。以前見に来た時は私に解説力が無く…まあこんな感じかといった表情でした。
・その刀にはカラクリがあったなんて、驚きでした!
・相手を切る他に、いつでも使えるよう耳掻きや頭を掻くものが隠されていた。誰も知らないですよね。
・息子達に話したら宝探しの様に探すだろうなぁ

【屏風】
・上や下や斜めから見る俯瞰図。絵が違って見えたり、隠れている絵が見付かったり、これまた楽しみポイントです。
・聞いて早速参加者全員でしゃがんだり横にたって覗いてみたり、他のお客様からはどんな団体だろうと思われていたかも。
・しかし一枚の屏風でいろいろな絵に見えるとは知りませんでした。

【日本の食器】
・西洋はナイフとフォーク、食べ手に対して縦に置く。日本は横に置く。何の疑問も無く生活してましたが、これにも意味があった!
・西洋は食べ手が主人、食べ物が獲物、それを刺すから縦に置く
・日本は食べ手と食べ物(命を与える側)との結界として横に置く。結界を解いて命を頂く。だから「いただきます」
・文化の根底が全く違いますね。鳥肌ものでした!

まだまだ語り尽くせませんが、一部の内容となります。

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**日本人がほとんど知らない日本という国**

最後に、真武さんから、
「なぜこれ程のレベルの美術を庶民も楽しめる教養があったか」
との質問がありました。

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それは、
・日本が平和だったから
なぜ平和だったか?
・国民は天皇の大御宝
・国民は天皇の子供であると考えられていた
・国民に教養をつけるのは当然
・それがしらす国と言われる日本

国歌を歌わなくなった学校がありますが、
「君が代」には深い意味があります。
キ → イザナギ(男)
ミ → イザナミ(女)
さざれ石 → 子供
が協力して平和な世の中を作る
愛の歌
愛の歌を国歌としている日本

これを日本人として知らないのは何倍損をしているんだ!!と衝撃的でした。

しかし最後はその空間が暖かさにすっぽり包まれ、心温まるツアーとなりました。

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**ツアーを体験してみて**

今回のツアーは「日本美術から日本人の精神性を学ぶ」というテーマでしたが、その精神性とは実は私達の日常生活の中にとても馴染み、普段当たり前として認識していることばかりでした。
しかしそこにどういった背景があり成り立っているのか、また日本の文化が相手に敬意を払うといういかに素晴らしいものであるかを、今回のツアーを通して改めて知ることができました。

講師を務めてくださった真武さんからも開催レポートをアップいただきました。

―参加者のご感想―

参加者からのご感想もたくさんいただいています!

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一部ご紹介させていただきます。

<<ご感想1>> あまり美術館に行くことがなかったのですが、プロの方に解説していただくと、奥深く学べて楽しいですね。
今日の浮世絵でも、浮世絵がチームで作られ一つの作品になっていること、
浮世絵の細かい表現などからも浮世絵に限らず、陶芸品などもですが、
使い手や観る人を考えて作られている巧妙さや、思いやりを感じることができました。
学校では、芸術作品など〇〇時代の有名な作品と作者を簡単に学ぶ程度で、どのような想いや意図で作られているかなど深く学んでいないので、とても楽しく素晴らしかったです。
以前から、外国人に聞かれても答えられるように、教えられるように学びたいと思ってたので、とても良い機会となりました。
日本について学びを深めると、日本人の精神性に感動しますし、誇りに思えますね。
日本について、まだまだ学びたいことがたくさんあります。
<<ご感想2>> とても贅沢な時間でした。 ヘッドホンの器械音から流れる説明ではなく、人間真武さんの声で浮世絵を眺めれて幸せでした。 大人数ではありましたが、質問もできましたし、事前プリントでさらり学習した上で作品に触れる事が出来て良かったです。 私たちに問いを投げ掛けて下さりながら、ご自身の中で経験された事、そこからの見解をお話されていたツアーだったのが、とても素晴らしかったと思います。 今まではピンときたら美術館に足を運ぶ、ただ感じるままに作品を見るという観賞でしたが、案内人がいて観賞する良さを体感できました。美術鑑賞の前に自己紹介をして、メンバーさんの想いも共有しながらスタートできたのも良かったです。 浮世絵の背景を知ると、またまた日本が大好きになりました!改めて、ありがとうございました。
<<ご感想3>> 私は今回の東京国立博物館のツアーに参加させてもらって本当に良かったと思いました。 真武さんの解説が、全く堅苦しいものでなく初心者向けに説明をしていただけたのでわかりやすかったですし、展示の作品もこれまで考えたこともないような視点で観ることができ、楽しむことができました。 私が以前観たことのある展示品を今回真武さんの解説つきで観たのですが、全く違う印象で見えたので、作品の背景や注目する点を知っておくとこんな面白く鑑賞できるのだとあらためて思いました。 次からは個人で美術館や博物館へ行く時には、イヤホンガイドを借りてみようと思います。 私は日本の古典美術・芸術や文化には全く詳しくありませんが、海外の友人も増えてきて彼らから日本の美術について色々な質問をされることもありました。 でも詳しくないので説明できずゴメンね、、、という感じてごまかしてました。 私は40歳を過ぎてから初めて歌舞伎を観に行ったり、日本の美術館や博物館を訪問しました。海外の美術館や博物館へ行くようになり、そういえば日本で行ったことがないなと気づきまして行ったんです。 今思うとそんな機会を長年持たなかったことをもったいなかったなと思いました。 最近聴いた話ですが、ヨーロッパでは美術館や博物館へは学生が無料で入れて、小さな頃から美術や文化に馴染みやすくしている国もあるそうです。 その話を聴いた時には、日本もそのようにしてもっと素晴らしい美術や芸術に興味を持たせる教育をすれば良いのにと個人的に思いました。 今回はこのようなツアーに参加させていただきどうも有難うございました。
<<ご感想4>> このツアーには、娘とお友達親子と4人で参加しました。日本の美術について家であまり話した記憶がない中での参加で、凄く緊張していました。でも、真武さんの説明がとてもわかりやすくて、優しくて、美術について凄く身近に感じることができました。 名古屋でも美術館に行ってみたいと思います。 子供達も素敵な人に会えて、心に色々感じとってました。 ありがとうございました(^^)


参加者自らが主役にもなれるコミュニティ

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実は、今回講師を務めてくださった真武さんはコミュニティの参加者なんです。

もともと今回のツアーが開催されたきっかけは、東京で行われたオフ会での真武さんとの世間話がきっかけでした。

オフ会の時に、真武さんが、日本美術に対しての思いを熱く語ってくださり、私個人的にも、その場にいたコミュニティメンバーも、その想いに共感して、イベントの実現にいたりました。

今回のように、このコミュニティには、参加者が才能や得意を発揮できたり、
その人の専門性や得意を生かして活躍するチャンスががたくさん眠っています。

私自身も参加者の一人ですが、このようにイベントを企画できたり、記事を書くことができたり、

参加者でありながらも、企画側として関わることができています。

企画しながら、学びながら、成長できるのもこのコミュニティの大きなメリットの1つ!

次回の企画は、「お祈りプロジェクト」です。このプロジェクトも参加者で作り上げていくので、私自身もとてもたのしみなイベントです。次回のレポートも楽しみにしていてくださいね。

#ミャンマー #社会貢献 #日本美術

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