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クリスマス準備と子供の参加する権利

みなさん、こんにちは!
ヘルシンキは5度を下回る毎日です。。暗いお天気とは対照的に、クリスマスイルミネーションが点灯しているので市内はキラキラしています。

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クリスマスまであともう少しですね!
みなさんの職場ではクリスマスに向けての準備で忙しくなってきているのではないでしょうか?フィンランドでは12月6日にフィンランド独立記念日もあり、大きなイベントが立て続けにあり12月は大忙しです。冬休みに入る前に保護者も参加するクリスマス会も開かれます。きっとみなさんも歌の練習?踊りの練習?衣装作り?忙しい毎日を過ごしていることと思います。


どのように子供たちとクリスマス会に向けて準備を進めていますか?


フィンランドで私が働いていた時は2つの市立の幼稚園では、1日1回みんなで輪になって集まる"ピーリ"と呼ばれる集いの時間にクリスマス会で歌う歌や出し物のを5歳児たちと一緒に決めていました。土台になる構成等は先生たちが決めますが、プログラムの1つは子供たちの決めた出し物になっていました。そのうちの1校は2012年に当時子供たちの間で大人気だった歌手RobinのFrontside Ollieをクラス全員で演奏することに決まりました!

それから子供たちと一緒にどう演奏するかを考え、練習しました。バケツを裏向きにして太鼓にしたり、家から玩具のギターを弾いたり、幼稚園にある鈴やギロなどみんなが何かを演奏することになりました。当時人気だったRobinの懐かしの動画を貼っておきます。こちらがフィンランドのアイドルと言えるかもしれません。 
練習時間を特別に設けずとも、常に誰かが歌っているという状況でした:D


Miksi haluat tehdä sen? 
読み: ミクシ ハルアト テヘダ セン?
意味: なぜあなたはそれがしたいの?


この質問は私が大学と専門学校で保育を勉強し、現場でインターンシップをした時に何度も何度も聞かれました。質問をされる度になんのためにこれをするのかをとても考えさせられました。


子供に何を考えて欲しいのか?

子供に何を学んで欲しいのか? 


これらの質問の答えには正解はありません。聞いた学校の先生も担当の現場の先生も私の考えが間違っているとは言いませんでした。法律や国の指針をもう一度読んだ方が良いや、この本や資料を読んでみるともっとアイデアに広がりや深みが増すよとアドバイスをくれたりしました。

クリスマス会で歌手RobinのFrontside Ollieをクラス全員で演奏することが正しい保育なのかは分かりません。当日はCDを流して、子供たちが思い思いに演奏したり、踊ったりしていました。先生たちは子供たちが観客から見えるように演奏位置に対してのアドバイスを少しするぐらいで、演奏方法などは子供たちが自分たちで決めていました。先生たちの提案したクリスマスソングの演目の時は、みんなが横に並んで先生のピアノに合わせて歌っていてよく練習したんだなということがわかりました。それに比べると、5歳児が自分たちで決めた内容はきっと何も知らない人が観たら、何をしているのかわからなかったかもしれません。しかし、全員が本当に楽しそうに演奏し、クリスマス会後に興奮気味に保護者にどう演奏したかなどを話してる姿を見ると、これ以上にいい経験ってなんだろうと考えさせられました。

最後に、クリスマス会でクリスマスとは関係のない歌手RobinのFrontside Ollieという曲をクリスマス会でクラス全員で演奏する意味をもしまたMiksi haluat tehdä sen? と聞かれたらあなたはどう答えますか?


私ならきっとこう答えるでしょう。

子供たちが話し合い、自分たちで曲を選択しどのように演出するかを考えることでフィンランドフィンランド教育庁幼稚園教育要領/保育所保育指針にある子供の参加する権利を尊重しました。子供たちに自分たちで話し合い、選択し、保護者もいる大勢の前で演奏するために計画する力を育んで欲しいという意図があります。また、これを実行するために保育士として話し合いの時に質問を投げかけたり練習する時間を設けたりし子供たちの希望通りに出来るように環境を用意し、サポートします。


フィンランドの教育内で子供の考える力がどのように考えられているのか、2012年のNHK・地球イチバンという番組でフィンランドの教育が特集されています。入学前に自分で考える練習をした子供たちが小学校でどのように繋がっていくのかを感じられるかなと思います。
↓のリンクから番組を見ることが出来ます:) 


子どもが参加する権利

フィンランドでは子供が成長する環境を整えることをとても大切にしています。子供の参加とは子供がクラスで活動的に参加すること、子供の意見や考えを聞いて反映すること。そして子供には自分の生活に関することに影響を及ぼすことが出来、またありのまま受け入れてもらえることと定義しています。
-2018年フィンランド教育庁幼稚園教育要領/保育所保育指針


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<参考資料>
https://www.oph.fi/fi/koulutus-ja-tutkinnot/osallisuus-varhaiskasvatuksessa-videosarja

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