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フィンランドの特別支援の世界を覗いてみました2 ーラハティ、JOPOー


フィンランドにある特別支援のタイプでJOPO(読み:ヨポ)と呼ばれるクラスを知っていますか?

JOPOとはJoustava Perusopetusの略称です。2006年からフィンランドで始まったこの制度は義務教育の卒業出来ない危険性がある7-9年生の子ども(日本は中学生にあたります)を対象に義務教育課程の修了を目標としたクラスです。義務教育以降に退学したり、無職にさせないようにする予防の意味もあります。勉強する内容は普通クラスに通う子供たちと同じですが、少人数制のクラスで合ったり、自分のページ学習を進められたり、学校の外で学ぶ課外学習や職業訓練がカリキュラムに含まれています。



フィンランドでは義務教育でも落第があります。フィンランド統計局の2020年データによると2017-2018年で卒業証明書をもらわず義務教育を終わらせた子供は352人です。この352人は義務教育終了後にどのように生きていくのでしょうか?


JOPOの先生によると、100時間以上の遅刻や欠席があると普通学級では何らかの対策をとしているが、 それに満たない場合でも通学に不安があるなどの理由がある場合は個別で話し合いJOPOクラスに編入することが可能である。
生徒が元々所属したクラスが特別支援である必要はありません。

無題のプレゼンテーション (1)

JOPOに来る理由は様々だが、大人数での授業が向かない、生活リズムが乱れているなどの生徒が多い。また、作業を通して学ぶというような、実践的な学習が向いている生徒にも向いている。上の図の黄色と緑が対象です。赤は学業よりも生命や精神の危機のためそちらの治療に専念している状態です。

毎週金曜日は、自分で選んだ仕事場でインターンを行っているそうです。JOPOにも来ることができない生徒は、先生との個人レッスンを行っているそうです。

私たちの見たJOPOの生徒たちはどんな若者だと想像していますか?
https://youtu.be/ADvwYgYFHsw
コウヴォラ市のユースサービスが若者たちと一緒に作った動画がありますので、一緒に紹介します。

JOPOの生徒には生活面で手厚いサポート受けることが出来ます。欠席の場合はまず生徒本人に連絡を取り、そのあと親にも確認のため連絡をします。日頃から保護者とは密に連絡を取り合い一緒に子どもを育てていく姿勢で挑んでいるそうです。

今回はヘルシンキから北東約130㎞に位置するコウヴォラ市のEskolanmäen kouluにある特別支援にお邪魔させて頂きました。校舎は2階建ての木の建物でとてもこじんまりした学校でした。学校には1クラスに担任の先生が1人とスクールアシスタントが1人です。1人のスクールカウンセラーも一緒に生徒を支援しています。2つのJOPOクラスがあり、生徒5名の9年生(うち男子3人)と生徒6人の7~8年生合同クラス(全員男子)でした。

8:30-13:30の間に6教科×45分の学習
どの授業も、基本的には個人での学習
コミュニケーションの方法を学ぶことを目的に、JOPOの生徒が低学年の生徒と定期的に工作や、交通安全教室などを一緒にしているそうです。


生徒へのインタビューも行うことが出来ました。

JOPOについて、どう思っているか

"自分にとっての安全な場所だと思う。サポートが必要な時はすぐに先生に頼むことができるから。だから、前の学校にはあんまりいけてなかったけど、JOPOになら来ることができる"

JOPOと前の学校はなにが違うか

"前の学校は、クラスの人数が多かった。人がたくさんいる場所は苦手。サポートが必要な時はすぐにサポートしてもらえるのも、いいところ"

JOPOではどんなことを学習しているのか

"基本的には前にいた学校と同じ。数学とか理科とか。
でも、ここでは自分のペースで勉強できるし、ゴールも自分で設定できる"

卒業後の進路について

"私は専門学校に行って保育士になりたい。もう1年ぐらい小学校でスクールアシスタントとして低学年のクラスでサポートしている"


まとめ

日本では特別支援教育は障がいのある子どもに対して行うものというイメージでしょうか?フィンランドでは特別支援教育とは子どもや若者が必要なことを個別に支援をあげるというイメージです。子どもに無理をさえて大人数での授業を受けさせるのではなく、個人に合った学ぶ方法を探しそれを提供する。トラウマ、精神疾患や依存症や病気を治療しながらその状況から抜け出すためにどのようにして行こうかを若者や子供と一緒に対話していく場所なのだなと改めて感じました。


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参考資料
Suomen virallinen tilasto (SVT): Koulutuksen keskeyttäminen [verkkojulkaisu].
ISSN=1798-9280. 2018. Helsinki: Tilastokeskus [viitattu: 4.4.2020].
Saantitapa: http://www.stat.fi/til/kkesk/2018/kkesk_2018_2020-03-12_tie_001_fi.html


Konfliktit tunnistamalla ja ratkaisemalla kohti turvallista oppimisympäristöä / Julia Saarholm ja Heikki Turkka, Aseman Lapset ry Erityisammattiopisto Erkka verkossa

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