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トラブル回避としての宗教教育を!

漫画好きの私にとっては何とも複雑な気持ちにさせられる事件が発生した。

現在、『週刊少年ジャンプ』で連載されている『鬼滅の刃』という作品をご存知だろうか?


主人公である竈門炭治郎が家族を殺した「鬼」と呼ばれる敵や「鬼」になってしまった妹を人間に戻すために戦うというストーリーの作品だ。2016年から現在まで連載は続いておりコミックスも17巻まで発売されている人気漫画だ。



『鬼滅の刃』は漫画だけでなく、今年(2019年)4月から9月までアニメとしても放送された。アニメのブルーレイ&DVDも発売されたが、10月30日に発売された第4巻に同梱されたCDの収録音源が大きな波紋を呼ぶことになった。
この特典CDのなかにイスラムの礼拝時刻を知らせる「アザーン」が使用されていたのだ。この音源はSNS上で拡散し、イスラム圏を中心に世界中で大きな波紋を呼ぶこととなった。

実際に拡散された音源はこれだ。

問題は単純に「アザーンを使った」ということではなく、勝手にアレンジされていること、それにともない章句を編集したことで正式な章句ではなくなっていることだろう。


 発売元のアニプレックスは「当該箇所は市販の音声素材を使用して制作したもので、イスラム教ならびにイスラム教徒の皆様の心を傷つける、または冒涜するという意図は決してございませんでしたが、当該音声の意味や内容を十分理解しないまま収録し、発売したことにより、イスラム教徒の皆様に、ご不快の念を抱かせてしまいましたことを深くお詫び申し上げます」と謝罪した。

 
 アザーンの意味・内容の理解以前に「アザーン」そのものの存在が日本ではあまり知られていない。使用した音源がアザーンという宗教的なものだと知らないことこそが今回の事件の根本的な問題であるはずだ。


現在、日本のアニメは世界中で鑑賞されている。だからこそ、今回の事件は「アニメ業界のグローバル感覚の欠如」に対する警鐘と教訓になって欲しいと思う。

text by ナセル

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