【レビュー】仕事2.0


テレワークや副業など近年では多様な働き方がある中、今の働き方でいいのだろうか、ずっと今と同じ仕事をしていていいのだろうか。もしくはもっと前向きに自分の仕事を楽しみたい、成長したい、、、など

そんな不安や悩みを抱えながら働いている人は多いのではないでしょうか。そんな人たちに今後の世の中がどう変化していくのかを予測しつつ、それぞれが豊かに自分の人生を歩めるような新しい働き方を提案してくれる本です。

・著書の紹介

佐藤留美さん。女性ジャーナリストの方です。もともとは人材関連会社で勤務され、そこからフリーランスを経験し、NewsPicksの編集部に入られた、という異色の経歴を持った方です。山学院大学文学部卒業、人材関連会社勤務などを経て、2005年編集企画会社ブックシェルフ設立。「週刊東洋経済」「PRESIDENT (プレジデント)」「日経WOMAN」「プレジデントウーマン」などに人事、人材、労働、キャリア関連の記事を多数執筆。『凄母』(東洋経済新報社)、『資格を取ると貧乏になります』(新潮新書)など著書多数。2014年7月からNewsPicks編集部に参画、2015年1月副編集長に就任 。

・テーマ 100年人生を生き抜く働き方について。

人生100年時代、日本型雇用や年金や医療費などの社会保障の崩壊と言われる中、今までの働き方では通用しなくなってきており、今までとはちがった生き方・働き方を模索していく必要があります。

「ライフ・シフト」の著者、リンダ・グラットン氏によると、2007年に日本で生まれた子どもについては、107歳まで生きる確率が50%もあるといいます。これからの時代、健康寿命を延ばすことに気もつかいながら、より長く働いていかなければならないということを言っています。それを前提に考えた時、日本企業の平均寿命は24.5歳なので、現実的に1社で自分の労働人生が終わるのは極めて可能性が低いのです。

私たちが長く働くために、どのような準備をすべきでしょうか?

「終身雇用」「年功序列」「副業禁止」などの日本型雇用が成り立たないからこそ、自分のキャリアを会社任せにするのではなく、自分が組織の枠組みに関わらず通用するポータブルスキルを身につけていけば定年などに関係なく社会から必要とされる人間として豊かな人生・働き方をしていけるのではないでしょうか。

・メッセージ 人生100年時代、成長を自覚することやその過程そのものがこれからのひとりひとりの人生の幸せの鍵となる。

①有形資産ではなく無形資産を蓄える

無形資産とは、

1生産性資産(知識、スキルなど)

2、活力資産(肉体的精神的幸福、良好な人間関係)

3、変身資産(人的ネットワーク、新しいことに挑戦する意欲など)


②持続的に成長できる「永遠のルーキー」になる

時代は常に斜め上方向に流れ続け、「A」から「B」の世界に移行してしまいます。その時に「A」はすでに古くなり、「B」の世界のことを理解していないと瞬く間に通用しない人材になってしまいます。持続的に学び続け挑戦し続ける人こそ次世代のニューエリートなのです。

一番大切なのは「常に新しい仕事をし続けること」「今の居心地の良さに甘んじず、まずはコンフォートゾーンを抜け出してみること」です。

③アウトプットする機会を意識的に作る

仕事と生活を切り分けることは実際難しいので、自分の時間を切り売りし報酬に変える「ワークフォーライフ」から、「ワークアズライフ」へ移行していきます。ワークアズライフの定義とは「差別化した人生価値を仕事と仕事以外の両方で生み出し続けること」です。学び振り返りを繰り返し、自分の能力開発をしていかなければいけないのです。

観客のまなざしに自分を晒した時にこそ成長するので、観客の厳しい目を介し、ダイレクトなフィードバックをもらえる機会を作るのがポイントとなります。

例:会社以外で自分の価値を評価してもらう。・ワンランク上の人と付き合う。・会社以外のコミニュティに身を置き、新しい人種と付き合う。


④性格スキルを磨く

技術の代替やユーザーの意識の変化などで将来的に自分の仕事が衰退したりしても、他の仕事にスライドできる凡用性の高い性格スキルを身につけることでどこででも成長し続けられる人材になれます。

心理学の世界では性格は「ビッグ・ファイブ」と呼ぶ5つの因子でできており、それをバランス良く鍛えていくことで性格スキルを伸ばせるのです。

・真面目さ(自己規律、グリッド力、熟慮)

・開放性(好奇心、想像力、審美眼)

・外向性(積極性、社交性、明るさ)

・協調性(思いやり、やさしさ)

・精神的安定性(不安、いらいら、衝動が少ない)

・感想

これからの時代、どんな働き方になっていくのか、どんな人材が必要とされるのか、統計や推測などマクロ視点で自分がおかれる環境がどんな風になっていくのかを知れて平和ボケから目を覚ませたと同時に、今後の時代に通用するスキルを身につける具体的方法を学ぶことができ、日々の仕事に転用しやすい内容で個人的には良著だと感じた。

また、筆者の方が女性ということと、この方も決して最初から自信があり才能があったわけではなく、自分に何ができるかを常に模索し挑戦し続けてこられたという背景があったのを知り、今の自分と重なる部分があり、より一層鼓舞された部分があった。

意識的に自分を成長させることができているかと聞かれると「日々の仕事にどこか受け身でやっていたな」「どのような価値を提供できるか考えながら働けていたなかったな」と振り返る自分がいた。

本書の中では、1社で自分の仕事人生が終わる可能性は極めて低いので、どこでも通用するようなスキルを鍛えるために副業の勧めなどをしており、それも今後の自分の仕事人生を考えた時有効だと思ったが、まずは自分の今ある環境で新たな価値を提供しようと思い、そのためのアウトプットをまずはどんどんしていこうと思った。

私と同じよう、20代女性でこれからのキャリアはどうしようとか、今の仕事を続けていて意味あるのかなとか、ますます時代の変化が早くなってついていけるのかとにかく不安など、いろいろ悩んでいる人も多いと思いますがそんな人にまさにオススメの本です。




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