見出し画像

それいけスワンプマン

前回からの続き
ついに宿敵である、地獄大帝との対決を迎えたスワンプマン。しかし以前の戦いで痛めた脛を執拗に竹刀で叩かれることにより、我慢の限界を迎えた彼は年齢確認のために居酒屋で免許証の提示求められた苦い経験を思い出す…。


スワンプマンとは有名な思考実験。

ある男がハイキングに出かけたところ、不運にも沼のそばで雷に打たれて死んでしまう。同時にもう一つの雷が沼にも落ちた。沼の成分は死んだ男と同じであり、雷のエネルギーで科学反応を起こして全く同一の人間が生み出されたとする。
この男をスワンプマンと呼び、原子レベルで死ぬ直前の男と同一の状態で、見かけも同じ、脳の状態も完全にコピーされているから、記憶も知識もすべて同じ。
そのため、スワンプマンは死ぬ直前の男の姿で、そのまま男の生活を引き継ぐ。(Wikipediaから)

スワンプマンと死亡した男は同じだと言えるだろうか。

人間を構成する元素は、重い順に、酸素、炭素、水素、窒素、カルシウム、リン、その他の元素、となる(こちらのサイトから)。どれも沼に含まれてそうだ。

おそらく雷に打たれただけでは、元素が人体を構成することはないから、スワンプマンはできないと思う。
分子を、有機分子、タンパク質を作ってコンフォメーションがあれやこれやをするのはすごい大変だ。

「スワンプマンが言われたのは、そういう文脈ではないけれどもね。」

しかしながら還元主義的に、構造要素を組み合わせれば、小さな構成単位をブロックのように積み上げれば、すぐさまその機能が現れるわけではないんだ、というのは自分にとって新鮮な驚きではあった。
例えばこういうことだ。
原子をみるだけでは、分子のことは分からない。
分子をみるだけでは、細胞のことは分からない。
細胞をみだけでは、人体のことは分からない。

人間ひとりを調べても、社会のことは分からない。

この階層構造を通して理解することができないのは単純な知識不足や、調べる方法が不足しているからではない。というのは一応の共通認識なんだろうか。

それとも、もし科学がもっと進歩して、計算機がもっと早く計算できるようになればそれが達成できるのだろうか。あるいは人間のリソース的に、複雑すぎて理解できないものだったりするのだろうか。

少なくとも、「ある階層における秩序」を過不足ないように説明できるような、ルール・法則を見出すこと。それがとりあえずの解決策で。

人工知能がさらに発達すれば、その階層構造を通したすべての統一理論が見つけられるのかもしれない。

見つけられたその世界を説明できるルールというのは、世界そのものなのかもしれない。
その場合ルール自体が世界そのものなのかもしれない。


【次回予告】
ついに決着の時を迎え、最終奥義を放つスワンプマン。
お願い、死なないでスワンプマン!ライフはまだ残ってる。
ここを耐えれば沼にまた帰れるんだから!
次回 「スワンプマン 死す」デュエルスタンバイ!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?