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ことば遊びとショートショート15『スペースオケラ』

 カラオケにいくと、受付が宇宙人だった。

「カラオケ星館へようこそ。うちは快適真空空間ですよ」

 部屋へ入ると、宇宙船内のような内装で、バストイレも完備だ。

『この部屋のサポートをします。ハルエです。着席を』

 モニターが喋った。椅子に座ると、カウントダウンが始まり、宇宙へと打ち上げられた。

 窓からは地球が。周回軌道には他の部屋も見える。

『さぁ、歌ってください。あなたの歌は全宇宙へと発信され、気に入った宇宙人から交信があるかもしれません』

 俺にも月が!マイクを火星!水星の如き宇宙スターへのチャンス!木星の渦を見過ぎて、ジュピタルト崩壊するくらい宇宙へ憧れていた!金声の俺の歌を土星型マイクに乗せて、まだ未ぬ生命体の君に届け太陽!

『あなたの歌をきき、銀河対抗歌合戦へのオファーが。エントリーしますか?』

 胸が高鳴る。電話が鳴る。受付の宇宙人だ。

「お時間です、ご延長は?」

「100万光年延長で!」

 (了)

【雑記15】

 カラオケルームを暗くすると宇宙船みたいだ。

 もしかしたら、カラオケをしている間だけ宇宙空間を漂っているかもしれない。
 そんな妄想から広がった物語です。ショートショートの入口は日常に潜んでいます。

 途中のパートには、太陽系RAPを取り入れてみました。物語を進めつつ、韻を踏むことに初めて挑戦。
 フリースタイルを主戦場とするラッパーたちを本気で尊敬します。頭の回転とことばのサルベージに時間はかかったけど、読むRAPとしては自分がその時出せる楽しさを詰め込めたと思う。

 今は書けるものも限られているけど、宇宙がとてつもなく広いように、自分の空間ややれることを広げるために、トライする気持ちは持ち続けていきたい。

 今日のショートショートは、ショートショートの1st Album『ワンダーメーカー』収録、6曲目『スペースオケラ』でした。
 昨日の5曲目『君はカレンダー』はこちら

 
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 8月末まで毎日、400字ショートショートと雑記の2本立てnote を投稿することに挑戦中です。

 文章で物語で、読んだ方を笑顔に元気にできたら最高です!良かったら、また明日もふらっと遊びに来てください!

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