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Life Cinematic 2004-2010

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2004年から2010年にかけて書いていた映画エッセイをnoteにお引越し。 不定期更新。時間があるときにまとめて載せていきます。
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2020年11月の記事一覧

クリスタライズド・インテリジェンス-夢を叶える夢を見た-

混雑極まりない新幹線の中、通路を挟んだ二人がけ席に仲睦まじい若いカップルがいた。 私は風…

田中優子
3年前
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東京へ帰る道―カブトムシ―

親友のうちから新神戸駅までほんの10分。 幼い子はあどけなくおぼえたてのバイバイをする。 バ…

田中優子
3年前
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HGの正体-のど自慢-

久々に弟たちもまじえた家族揃っての夕食。 お笑いフリークの下の弟が言う。 「レイザーラモ…

田中優子
3年前
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奈良散策-リトル・ブッダ-

奈良を訪れたのは3回目のことだ。 小学校の修学旅行が初めてのときで、それから5年ほど前だっ…

田中優子
3年前
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優しくなりたい-キッド-

映画「恋愛適齢期」の中で、主人公のジャック・ニコルソンは、自分自身を知るために過去の恋人…

田中優子
3年前
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待合室-世にも奇妙な物語 映画の特別編-

到着時刻の定かでない列車を待っている。 突然の土砂降りのせいだ。 待合室では、弱りきった…

田中優子
3年前

揺れる鈴の音-あなたが寝てる間に・・・-

汐留シオサイトの今年のツリーは、一風変わっている。 日テレの前と、カレッタ汐留、シティセンターの前。かたちは同じでそれぞれに色の違う、キャンドルツリー。遠目から見ると律儀な円錐状のツリーだけれど、よく見ると、灯のひとつひとつが、ランプのようにガラスの傘を着たろうそくなのだ。 最初は電灯だと思っていたのだけれど、深夜に帰宅する折、大半の灯が消えた後、数えるほどのランプだけが寂しく取り残されているのを目撃し、「ああ、本物の火だったんだ」と気がついた。 なかなか、凝っている。

隣国の事情、友人の想い-シュリ-

先月、韓流スターのウォンビンが兵役のため入隊したというニュースが報じられた。 個人的な趣…

田中優子
3年前
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布団を買う-薔薇の眠り-

羽毛布団を買うことにした。 というのは昨晩、どうやら風邪らしい症状が出て、体が氷に浮いた…

田中優子
3年前
1

ツァツラル、ホーミー、サエンバイノウ-らくだの涙-

ウランバートルの駅は、首都にあるまじき閑散とした趣きだった。 数日ごとに訪れる国際列車を…

田中優子
3年前
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バカンスとミステリー-スイミング・プール-

11月がまもなく終わり、本格的な冬はもうそこまで来ている。 ここ数日は暖かい日が続いている…

田中優子
3年前
2

コーポラティブハウス-スパニッシュ・アパートメント-

分岐点になるような出来事は、いつも過ぎてみて「ああ、あれがそうだった」と振り返るものだ。…

田中優子
3年前
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Google Earthで世界旅行-マイノリティ・リポート-

世の中、まじで進んでいるらしい。 そう思ったのは、「Google Earth」の存在を知ったこと。 …

田中優子
3年前
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小箱の秘密-いま、会いにゆきます-

いっぱい泣いてしまった。 途中まではあまりにさらりとしていて、このまま終わったらあっけなさすぎると思ったところに、不意打ちに語られ始めた「本当のこと」。 ずっと観たいと思っていたのに、このところ「24」を観るのにはまっていたので見過ごし続けていた「いま、会いにゆきます」。 休日の午後、ビデオを借りて観ることにした。 昨年大ヒットした作品なので観た人も多いだろうけれど、物語の核心がそれほど流布しているわけでないのは意外だ。 私も肝心なところは全く知らなかった。 一般的な