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学校でのスマホ利用。是か非か?

ぼく、Yahoo!ニュースの特集記事を観るのが結構好きなんです。なんだか魅かれるレイアウトで、やっぱり内容にも力入ってるし。

「小中学校へのスマホ持ち込みは必要か」というテーマについて、賛成派と反対派がそれぞれの立場で意見を述べた上記の記事を見つけたので、シェアしつつ、ぼくなりの考えを述べます。

前提が違うので確認ですが、上記の記事は小中学校が対象、ぼくは勤務する高校が対象です。

結論から言うと、ぼくの個人的な意見は、

「学校へのスマホ持ち込み及び授業中の積極的活用を認めるべき」

です。

現状としては、

にあるように、高校では校内での使用を禁止というのが2009年に文科省より出されていましたが、災害時の対応等への懸念により見直されるとのことで、どうやら現在有識者会議を行っているようです(2019年6月)。

ぼくが勤務する自治体は、県としては指針に従い「携帯持ち込み禁止」であり、学校として「許可願の提出により持ち込みのみ認める、校内では電源を切って鞄にしまう」というルールを採用しています。

また、最近の動きとして特筆すべきなのは、

のように、神奈川県の全公立高校でBYOD(Bring Your Own Device)環境を整備し、自身のスマホを授業で活用できるようにしたことです(2020年1月)。県としてこのような未踏の領域に足を踏み入れたことに大いに驚きました。

このように、まだ大きなウェーブは起きていなくとも、所々でスマホ解禁に向けた動きは起こっているのです。

なぜでしょうか?解禁しようぜ!という人の視線には何が映っているのでしょう?ぼくが活用すべきと考える理由も含めて、その理由を挙げてみたいと思います。

①災害時の連絡・情報収集のツールとして必要不可欠なため       ②彼らは普段「スマホがあって当たり前」の世界を生きているため    ③圧倒的コストパフォーマンスを発揮するため

①に関しては、文科省が見直しに踏み切った理由となります。日本は災害大国であり、いつ・どこで・なにが起こるかわかりません。最近は無料の防災アプリも多く登場し、避難所把握や安否確認、GPS機能による居場所特定など、災害時にスマホの機能が生きていれば受けられる恩恵は莫大です。学校生活は日中の大半を占め、1人当たりの教師が担当する生徒数は30~40名です。教師が生徒の安全を完全に保障することはできません。一人一人がスマホを使いこなし、生存のために主体的に行動できる必要があります。

②に関しては、いわゆる「時代」です。今はそういう時代なのです。二宮金次郎のように、薪を背負いながら教科書を開いて歩く必要はないのです。実社会ではスマホを使ってあらゆる情報収集を行い生活上の壁を乗り越えているのに、学校ではそれをやってはいけない道理が理解できません。

ここに、視線の先に映るものの違いが反映されます。スマホ反対論者の論理は「管理ができない」です。「スマホをどう管理するのか」「スマホを握った生徒をどう管理するのか」で頭がいっぱいです。

ちょっと立ち止まって考えてみてほしいのですが、例えば保護者の人は、子どもにスマホを買い与えるとき、スマホやそれを使う子どもをどこまで管理するのでしょうか。1日何時間と決めて、タイマーで測るのですか?スマホの置き場はここ!と決めるのですか?やっていたとしてもそのような家庭はごく一部ではないでしょうか。でもそれを学校では厳密にしなければ、と論じているように思います。必要だと思いますか?

一方スマホ賛成論者は、今を生き、これからを生きる生徒の成長を根本に置いていると思います。スマホを使いこなすことが前提となる世の中(情報格差も大きくなっていることでしょう)で、いつ使い方を学ぶのか?それは学校生活だろう、と考えます。

③に関しては、学校は現在、プログラミング教育の重要性を説き、来年度小学校では新学習指導要領(〇〇を何年で教えてね、と国が定めたものが書かれている)に切り替えられ、プログラミングを小学生が学ぶ、ということになっています。順次中学、高校と新学習指導要領に切り替えが進み、中高でもプログラミング教育が始まります。

また、主体的・対話的で深い学びというのを実現するために、ICTの活用が推奨されています。それに伴って、一人1台タブレット導入などが徐々に進んでいます。しかしこれには莫大な予算が必要で、なかなかスムーズに導入は進みません。加えて、このような県が導入する高額な資材は、それこそしっかりとした管理が必要で、そのために仕事が増えます…。ではそれが、生徒自身のスマホであれば?

2018年の内閣府の調査によると、高校生のスマホ所持率は97%です。残りの3%のために、数台のタブレットを配置することは良いかもしれませんが、それで十分です。生徒は使い慣れた自身の端末で、授業の中で情報リテラシーが高められます。モラルについても現状よりはるかに考えさせられる機会が増えるでしょう。根拠に基づいた主張ができるようになるでしょう。

さて、ぼくの考えがスマホ賛成に寄っているので、大変偏った内容であり、反論も多くあろうと思いますが、社会を生きる子どもの幸せを願うのであれば、スマホ活用は学校生活に必要な変化に思えます。

明治から150年変わらず続く学校教育が、いつ社会のニーズに耐えられなくなるのか、終焉は近づいているように思います。

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