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クラフトビールトレンド

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CRAFT DRINKS的視点でクラフトビールシーンの今を切り取り、日本のみならず、海外クラフトビールシーンのトレンド情報をピックアップしてお届けします。
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記事一覧

フレッシュさにまつわる矛盾

フレッシュさにまつわる矛盾

ちょっと気になったことがあったので、再掲。全文載せます。短いものなのですぐに読めてしまうと思います。お目通しくださいませ。

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先に断っておきますが、当該ビールを批判しているのではありません。単に分かりやすい例として挙げただけであって、それ以上でもそれ以下でもありません。その点はご承知おきください。

アメリカのStone Brewingは鮮

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ビール祭りのスケジュールを被らないようにするには

ビール祭りのスケジュールを被らないようにするには

発表があったのを見た方も多いと思いますが、けやきひろば春のビール祭りが5月22〜26日に開催されます。ビール祭りシーズン到来だなぁ。(けやきひろばのことは私の書いたインタビュー本に収録されているので是非お読み下さい)

そう思っていたら、大江戸ビール祭りも全く同じスケジュール…そして、ミッケラーのKeep Pouring Nipponも土日2日開催で丸かぶり。もしかしたら他のものと更に被っているか

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「ミッケラー、カールスバーグと提携」で、ビールはやっぱり物流だと改めて思う

「ミッケラー、カールスバーグと提携」で、ビールはやっぱり物流だと改めて思う

昨日、ビッグニュースが入ってきました。デンマークのクラフトブルワリー・ミッケラーがカールスバーグとパートナーシップを結ぶことを発表しました。下記がミッケラーからの公式発表です。

Mikkeller signs agreement with Carlsberg: New partnership to strengthen Mikkeller’s sales and distribution

カー

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イベント被りとアテンション、日頃の発信や魅力の伝え方に対する通信簿として

イベント被りとアテンション、日頃の発信や魅力の伝え方に対する通信簿として

カレンダーを見ればもう11月。妙な暖かさの日が続いていますが、今年もあと2ヶ月を切りました。ACBE(American Craft Beer Experience)などが控えていますが、そろそろ野外のビール祭りも終わりでしょうか。思えば、3月終わりくらいから毎週末何かしらのクラフトビール系催事がありましたね。私も結構な数のイベントに行き、各地で飲み散らかしていますが、やっぱり仲間と乾杯するのは楽し

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3週連続イベント参加のお知らせと新刊「文脈とビール3」のご紹介(チラ見せあり)

3週連続イベント参加のお知らせと新刊「文脈とビール3」のご紹介(チラ見せあり)

突然昔の本がバズったり、そのおかげで新刊が思った仕上がりにならなかったりとバタバタしていたわけですが、やっとまとまった時間が取れるようになり、お陰様で先日新刊「文脈とビール3」も入稿出来ました。

こちらを引っ提げて10月29日のイベントを皮切りに3週連続でイベントに参加します。

①10/29 12:00 – 16:00 第2回秋葉原「超」同人祭+ @秋葉原 UDX GALLERY
委託販売でお

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ビールに時間という概念を セミナーより抜粋

ビールに時間という概念を セミナーより抜粋

先週、私はけやきひろば秋のビール祭りで特別セミナーを行いました。そこでお話したことを少し綴っておこうと思います。セミナーのテーマは「ベルギーのビール文化と熟成」でしたが、幅広くお話したのでここでは「時間」というキーワードだけに絞り、当日使用したスライドの一部も併せてご紹介致します。

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ここまでは特に説明も不要かと思います。一口にIPAと言っても様々なもの

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クラフトビールと料理のペアリングに関して一考 特に文化と「解なし」について

クラフトビールと料理のペアリングに関して一考 特に文化と「解なし」について

クラフトビールと料理のペアリングに関する記事をちらっと見たので、先日発表した「それほどガチらず、なるべくラクして美味しいクラフトビールが飲みたいんですけど、なんとかなりませんかね?」に収録されているペアリングについての部分を一部改変してご紹介します。今現在私はこんな風に考えていますが、ペアリングそれ自体に否定的なのではなく、むしろ肯定的です。どんどん研究した方が良い。けれども、その際今よりももう少

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Beyond Beer クラフトビールのこれからを考えるヒント

Beyond Beer クラフトビールのこれからを考えるヒント

先日アメリカでCraft Beer Conferenceが開催されました。そこでは醸造技術や原料だけでなくBeyond Beer(ビヨンドビール)の話題も出たそうです。

私はかつてよりビヨンドビールに注目しており、2021年11月に一冊の本にまとめて発表しました。その一部を本文でも取り上げているサントリーのビアボールに絡めて東洋経済オンラインにも寄稿しました。

その当時、まだビヨンドビールは全

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東洋経済オンラインへの寄稿記事の補足とビヨンドビールに注目すべき意味について

東洋経済オンラインへの寄稿記事の補足とビヨンドビールに注目すべき意味について

本日、東洋経済オンラインに寄稿したものがリリースされました。Beyond Beer(ビヨンドビール)の視点で考えるサントリーの新商品「ビアボール」についてです。

サントリー「一線を超えたビール」が意味すること 「ビアボール」は既存のビールの概念を変えるか

寄稿した文章は一般の方向けにポイントを示しただけで深い話はそこまで出来ませんでしたが、世界的にはビヨンドビールという発想が注目されていて、こ

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サケビバで考える、業界の本音と若者の事情

サケビバで考える、業界の本音と若者の事情

先日サケビバという国税庁の施策が発表されました。日本産酒類の発展・振興を考えるビジネスコンテストで、募集テーマは酒類業界の活性化や課題解決に資するプランです。

当該ウェブサイトの開催趣旨にもある通り、「少子高齢化等の人口動態の変化、新型コロナウイルス感染症の影響によるライフスタイルの変化等により、国内の酒類市場は縮小傾向」にあるのは紛れもない事実で、事業者側、徴税側からすれば何とかしたいと考える

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コミックマーケットでの新刊「BEYOND BEER クラフトビールのこれからを考えるヒント」について

コミックマーケットでの新刊「BEYOND BEER クラフトビールのこれからを考えるヒント」について

先日お伝えした通り、7月末からしばらくイベント参加が続きます。今週末の8月13日にコミックマーケット、翌日14日はおもしろ同人誌バザール主催の「おもバザ大崎」に参加致します。これに合わせて新しく本を作りました。その名も「Beyond Beer これからのクラフトビールを考えるヒント」についてです。

“Beyond Beer”(ビヨンドビール)という言葉は聞き慣れないと思いますが、実は私たちお酒を

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ビール祭りのやり方を考えないといけないのかも

ビール祭りのやり方を考えないといけないのかも

過去最速で梅雨が明け、暑い日が続いていますね。全国的に毎日真夏日を記録し、すでに夏ど真ん中といった感じになっています。あまりの暑さに食欲も出てきませんよね。夏本番を前にこんなにそうめんを食べたのは生まれて初めてかもしれません。テレビ、新聞など各種媒体では節電が叫ばれているものの、エアコンを使わずに暮らすのはいくらなんでも無理なので出来るだけ温度は高めにして対応していますが果たしてどれだけ効果がある

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一つの時代の節目に立ち会っているような気がする

一つの時代の節目に立ち会っているような気がする

もうご存知の方も多いでしょうが、つい先日サッポロビールがアメリカのストーンブルーイングを子会社化すると報道がありました。

米国ストーン・ブリューイング社の全持分取得により北米事業成長の推進にむけた生産拠点を獲得

是非全文お読み頂きたいのですが、ポイントとなるのはこの部分でしょう。

両社で利害が一致したというわけですが、実際にはストーンブルーイングの台所事情はなかなか大変だったようです。サッポ

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クラフトビールの定義に関する議論に別の視点を与えてみようという試み

クラフトビールの定義に関する議論に別の視点を与えてみようという試み

ここしばらくずっと考えていることがあります。1〜2週間前にクラフトビールの定義についてSNS上で様々な議論が飛び交いました。恐らく火付け役になった記事があるのですが、今回その記事の内容についてどうこう言いたいわけではないので敢えて紹介はしません。気になる方はご自身で調べてみてください。

さて、本題です。クラフトビールの定義をテーマに議論すると必ず揉める。規模の大小とか色々細かな論点はあるのだけれ

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