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原因を個人ではなく、組織に求めよう

たまたま見かけた記事でマネージャ不足の話がありました。確かに前職でもマネージャ不足は感じていました。
でも、精神的成長とか個人の問題と捉えていたら何も解決しないような…

確かに、やりたくない以前にできそうな人がいない

自分の見てきた狭い世界の話で恐縮ですが、確かに前職の職場ではマネージャ不足を感じたし、実際、プレイヤー指向なのはともかく、マネージャーやりたいという声はあまり聞いたことない気はします。

ただ、この記事について首を捻るところもあります。おそらく、現役マネージャー層の「マネージャー適任者がいない」という声に対しての回答と思われるのが、以下のように恩返し的に人材育成しましょう、と書いてあるように見えるのですが、勘違いでしょうか?

ある程度の年齢になれば、整備された環境で伸び伸び働くというメリットを「享受する時期」から、次の世代に「ペイ・フォワード」「恩送り」する時期に変わらねばならないのではないでしょうか。

何やら、お前が精神的に成長してないのが問題だと言わんばかりです。まあ、これはうがった味方であり、この後の部分にこうも書いてあります。

そういった恩返し的な道徳的意味だけから、中年期以降の人は次世代育成に目を向けるべきだということを言うつもりは実はありません。申し上げたいのは、次世代育成という仕事は、中年期以降の皆さん自身にとっても、とても大切なメリットのあることだということです。

はい、確かに次世代育成は重要です。自分もマネージャーをやったことはないですが、年齢的にマネージャー教育を受けさせられましたし、その中でも次世代育成の話がありました。

でも、このコンサルの方に話をしている(おそらく現役マネージャーの)人はこう言っています。

「うちの会社にはマネジャー(管理職)適任者がいない」「みんなプレイヤー志向で困っている」

次世代のマネージャーを育成しようにも、マネージャーのなり手がないと困っているのかと思うので、それに対して次世代育成は重要だ、と言われても「それはわかってますけど…(だから、なりたがる奴がいないって言ってるだろ)」となりそうです。
天候不良でお米が不足して困っているというのに、お米は大事だ。食育が大事だと言われても困るかと思います。

深掘りが大事

そういう場合、問題解決には自分が思っている理由が本当に真の原因なのかを深掘りすることになります。

例えば、現場の声の一つ目の適任者がいない、について。
本当に適任者がいないのか、自己の適任者かどうかの判断はさておきマネージャーをやりたいと思う人はいるのか。その辺りを確認しなければ話になりません。
もちろん、適任者がいないと言っている当人のいう「適任」とは何か、それが正しいのかというところも掘り下げる必要があります。

2つ目のプレイヤー志向も本当にそうなのか?例えば、管理職はなんとなく面倒そうなのでやりたくないから「プレイヤー志向」と言っているだけかもしれません。

そんな感じで表に見える表面的なわかりやすい理由が本当にそうなのかを確かめ、真の原因を見つけ出さなければ解決の道は遠いです。

もう時代が違う

あとは時代が違うというのもあるでしょう。昔は主任→係長→課長→部長→常務→専務→社長と(どこまでを目指すかは別として)出世していくのが皆の目標になっていた時代もありました。そんな高度成長、年功序列の仕組みが崩壊して久しいです。
ほどほどに仕事して、ほどほどの給料がもらえればいいって人が多くなったように感じます。狭い世界の話ですけど。頑張れば売り上げも上がって業績も良くなって給料も上がって、ってそういう時代でもないですからね。

まあ、適任者がいないと言っても、解決策は以下しかありません。(1)自分が頑張る、(2)適任でなくても誰かに任せる(育成する)、(3)外部(社内、社外)から連れてくる。

詰まるところは組織の問題

なんだかんだ言っても、マネージャーの不足を解決したいのであれば、組織として考える必要があります。個人の想いも大事ではありますが、それだけでは解決しませんから。個人が頑張る必要はないし、責任を取るものでも取れるものでもないです。組織全体として考える必要があります。

精神的成長を言うのであれば、全員が成長しなければ意味がないです。まあ、自分はこの方の言うところの「精神的成長に問題のある中年」ですから説得力もないし、そもそも意見が交わることもないですけどね。

拙い記事でございますが、サポートしてもよいよという方はよろしくお願いします。著者のやる気アップにつながります。