Taishi@日台同性カップルの日常

川崎市在住の30歳。台湾出身の同性パートナーとの日常をとりとめもなく書いていきます。お…

Taishi@日台同性カップルの日常

川崎市在住の30歳。台湾出身の同性パートナーとの日常をとりとめもなく書いていきます。お読みいただけたら嬉しいです!

最近の記事

#8 読書『「人それぞれ」がさみしい』〜「多様性」が分断を深めるジレンマ

「あてもなく会社を辞めることにした」 「え、そうなん…これからどうするん?」 「安い生活費で貯金を崩して生きていこうと思ってる」 「そうなんや…前から脱サラしたいって言ってたもんな。人それぞれやし…」 昨年末に会った学生時代の友人は今、仕事を辞めて東京から地元の関西に戻り、ニート生活を送っている。 考えがあっての決断だとは思うが、本当に大丈夫なのかと心配がないわけではない。でも否定的な感想を伝えると気を悪くすると思い、「人それぞれ」と言ってその場をやり過ごしたのだった。

    • #7 友人が家に遊びに来てくれるということ

      友人が自宅へ遊びにきてくれることは、自分にとって特別な意味を持つ。 もちろん会えること自体が嬉しいが、自分と同性パートナーのハリーの関係が、2人だけの閉じた関係ではなくて、友人を通して、社会に開かれた関係だと実感できるからだと思う。 2人が生活している空間もひっくるめて友人に見てもらうことで、2人の生活が確かにここにあるということを感じられるからだと思う。 * 昨夜、ハリーの友人のスティーブが自宅へ遊びに来てくれた。 オーストラリアの大学時代の同級で、自分たちと同じ1

      • #6 LGBTは「模範的」でなければ認めてもらえない?

        旅行先のホテルで台湾出身の同性パートナー、ハリーにどん引きされたことがある。 それはー。 チェックアウト前に、 部屋の隅々まで掃除すること。 洗面台に飛んだ水滴を1滴残らず拭き取り、使ったタオルは律儀に畳んで浴槽の縁に重ね置く。ベッドのシーツは伸ばして見栄えを良くし、ルームサービスで使った食器は汚れを洗い流すー。 「は? なんでこんなに掃除するの? 絶対しなくていいよ。お皿なんか洗ったら使用済みかどうかも分からないし、ホテルに迷惑だよ」 ハリーはもともと、北海道のあ

        • #5 マルチの罠はすぐ隣に

          転職で上京して数カ月が経った2019年12月。 勤務後に、前職時代の上司と東京駅構内の居酒屋で食事をして別れ、八重洲口周辺でトイレを探していたところ、突然、2人組の男に声をかけられた。 「すいません、近くで美味しいお店を探してるんですが、どこか知りませんか?」 1人はスーツ姿の会社員風、もう1人はスポーツウェア姿。どちらも30代前半ぐらいで、自分より少し年上と見える。 時刻は21時過ぎ。 駅構内の飲食店はすでに閉まり始めていた。 「ちょっとこの時間なので開いてなさそ

        #8 読書『「人それぞれ」がさみしい』〜「多様性」が分断を深めるジレンマ

          #4 読書『食べることと出すこと』〜経験を他者とシェアする意味

          著者は大学3年の20歳のとき、潰瘍性大腸炎という難病を発症した。 下痢が2〜3カ月続いたある日、血の混じった赤い便が出る。1週間ほどの小康状態のあと、再び下痢が始まると、今度は治らない。むしろどんどんひどくなり、立ち上がってはトイレへ駆け込み、その度に便器が血で染まった。腹痛と熱でうなり、壁を爪でかきむしる。只事ではないと感じた友人に病院へ連れられ、即入院に。治療は1カ月以上に及ぶ絶食から始まり、その後13年間の闘病生活が続く。 潰瘍性大腸炎は、大腸の粘膜に炎症が起きて潰

          #4 読書『食べることと出すこと』〜経験を他者とシェアする意味

          #3 推しのBBCイケメンキャスター

          半年ほど前から、イギリスの公共放送BBCワールドニュースを契約して視聴している。 台湾出身の同性パートナー、ハリーは高校から大学までの7年間をオーストラリアで過ごし、英語はネイティブ並みに操る。来日から4年が経ち、「英語を忘れそう」とよく漏らしていた。 自身は話すのも聞くのも苦手だが、学生時代は英会話サークルに所属し、英語は好きな方だ。 月額792円。いい自己投資だと思って契約し見始めた。 詳しくはこちら↓ 音声切換で日本語の同時通訳も選択できる。 好きなドキュメンタ

          #3 推しのBBCイケメンキャスター

          #2 同性カップルのバレンタインチョコ事情

          2月初旬のある日。 台湾出身の同性パートナー、ハリーは北海道の有名チョコ店ロイズのチラシを眺めていた。 「生チョコおいしそう〜! 食べたい♡」 そうか、もうすぐバレンタインデーか。 「今年はロイズのチョコを注文してあげようか?」 「注文?! やだ! 通販なんて絶対やだ! バレンタインのチョコは百貨店へ行って買ってきて!o(`ω´ )o」 まぁ気持ちは分かる。 ネットでパパッと選ぶんじゃなくて、店まで足を運んで手間暇かけて買ってきてもらうからこそプレゼントは嬉しいのだ

          #2 同性カップルのバレンタインチョコ事情

          #1 イケメン台湾男子とのなれそめ

          2019年11月某日、東京・恵比寿。 マッチングアプリで声をかけた台湾人男子との初リアルの日だ。 駅の改札を出てすぐのところに、彼はいた。 アプリで見た写真の通り、目鼻立ちの整ったなかなかのイケメンだ。 「はじめまして!」 「直接会った方がイケメンですね〜!」 と言ったかどうかは覚えていないが、とりあえず挨拶を交わす。 同い年であり、日本人かと思うほど日本語はペラペラ。会話に何ひとつ不自由がない。 「せっかくだし、どこか喫茶店でも入ろうか」 駅直結ビルの中にある神戸屋の

          #1 イケメン台湾男子とのなれそめ