見出し画像

永遠の命

めずらしく詩のようなものを書いてみました。


私は雪が降り続く山に住む妖精
凍てつく氷の世界で
永遠の命を持て余していた

生きる理由を探し求めて
いざ人間の住む街へ

永遠の命を持った私に
人々はこう言った

「生きてるだけで幸せなことなんだよ」

そう言われても
大切な何かがないこの世界で
永遠に生きていくことに
意味など感じない

人々は白装束の人たちが売る
不老長寿の薬を奪い合うように
飲んでいった

それは毒薬だよと忠告しても
聞く耳すら持たない

そこまでして生きたいと思える
人間が少し羨ましかった

だって私には
生きる理由がないから

心が通い合うことのなかった人間たちも
やがて次々と死んでいった

愛し合う誰かもいない
やりたいことも何もない

何もない私がこの世界で
たった一人生き残ることに
どんな意味があるの?

おいしいモノを食べて、

「おいしいね」

と言える相手がいないこの世界で
生き延びる理由は何なのだろう?

喜びは誰かと共有して
初めて「幸せ」になれる

真っ赤な空の下
真っ黒に荒れ果てた大地の上で
一人立っている自分は
どこへ行けばいいのだろう?

孤独な永遠の命なんて
ない方がいいんだよ

だから神さまは
命に限りある「人間」を
作ったのかもしれないね

終わりに意味を見出した過去記事



あなたからのサポート、とっても嬉しいです💕これからの活動資金として使わせていただきます。