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メスティンたけのこごはん

今夜の晩ごはん、メスティンたけのこごはん。白だしと水を合わせたもの180ccに米一合を漬け込み、30分以上給水させる。下処理済みのたけのこを一口大に切ったものと、缶詰の焼きとり(塩味)をその上に乗せて、やや強めの中火で熱する。吹きこぼれてきたら火を限界まで弱めて、その後は全体に火がまんべんなく回るよう、メスティンの位置をこまめに動かしながら炊飯する。メスティンが「チリチリ…チリチリ…」という音をかすかに立て始めたら、ほんの少しだけ火を強めつつ、メスティンを前後左右に移動させ続ける。チリチリ音がだんだん強まってきて、白だしの香りのなかにかすかな香ばしさが混ざり始め、「いやこれ焦げてない……?」という不安に駆られ始めてもがまんして、「チリチリチリチリチチチチチおめーもういい加減にしろや!!!!!!」というメスティンの叫びが聞こえたら即消火。全体をタオルでくるんでひっくり返して、10分ほど蒸らし、紫蘇の実漬けを散らしてできあがり。


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たけのこを使った炊き込みごはんには油揚げを入れるのが定番なのだけれど、うっかり買い置きを切らしていたので、今回は焼きとり缶を使ってみた。亡母のたけのこごはんには、いつも細かく切った鶏もも肉が入っていたなー。

そういう訳で緊急措置として追加した焼きとり缶だけれど、これがたけのこの淡泊にしてさわやかな味にほどよいコクを与えてくれていて、大正解!醤油でなく塩味だったのもよかったのか、白だしの邪魔をせず、絶妙にたんぱく質の存在感を主張してくれている。

そして、ちょいと厚め(3㍉くらいでしょーか)に切って炊き込んだたけのこの、マーおいしいこと!いつもはたけのこに下味をつけてから炊き込むので、そのままぶっこむのにはちょっと不安があったのだけれど……さすがにそこは旬のもの。控えめでやさしい香りと、ほどよく残ったえぐみが、ストレートに伝わってくる。シャクシャク、コリッとした歯触りが心地よく、紫蘇の実漬けのさわやかな酸味も相性ばっちりだ。たけのこと白だし、焼きとり缶の旨みを全身に受け止めて炊き上がったごはんは、我ながら完璧な「チョイ固」仕上がり。今まで炊いたメスティンめしの中でいちばん理想的固さに仕上がったかも……これが旬の素材の恩恵というやつだろうか。ごちそうさまでした。


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あまりにも自分好みな固さに炊き上がったので、忘れないように水加減・火加減なぞを(自分としては)ちょっとていねいに書いてみました。固めごはん至上主義派の方、もしお目に止まることがあれば、参考にしていただければ恐悦至極。

たけのこに下味をつけなくても、こんなにおいしくできあがったのがびっくりです。これならキャンプ場でも簡単に作れそうだな~。


メスティンごはんにおける一般的な水量(お米一合に対して200cc)をシカトして何度か炊いてみたけれど、今日のやつがいちばん好みの炊き加減だった。焦げ付きを恐れて早めに火を止めてしまうと、ちょっとべっとりしてるのに芯が固すぎるという哀しい結末を引き寄せてしまうようだ。「焦げてもいい……それでも重曹なら、重曹なら!きっとなんとかしてくれる!」の精神を保つことと、メスティンのささやきが叫びに変わる瞬間を聞き逃さないこと。そうすると絶妙な固さ&いい感じのお焦げが手に入る。成功の鍵、掴んだっ……!


叫びを越えて怒号になると、お焦げどころではない騒動が鍋底に発生します。重曹入れて煮立てればなんとかなりますが、メスティンを未来永劫うつくしく保ちたい方は、ゆめゆめご注意を。

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