見出し画像

初受注のお客さん

お客様のイベント帯同のための移動中、駅構内で四連ポスター(もっと大きいかも)企業広告を見かけた。

特徴的な商材に、あたたかく、優しい企業メッセージ。

あ、たぶん◯◯さんの広告だ。

と、すぐわかる。
私の、新規開拓営業をしていた頃の、初受注のお客さんだ。

1枚目、2枚目、3枚目とメッセージと商材のイメージ写真が続き、最後の1枚で、社名とロゴ、それから、キャラクターの2人。

やっぱり◯◯さんだ。
変わらないなぁ。

初受注だから印象に残っているのか、それとも何か他の理由があるのか、少し考えたことを書いてみます。

「初めて」は印象的か?

たぶんイエス。
でも、「初めて」ということだけじゃない。例えば、予期せずやって来た初めての出来事は、直後は強いインパクトがあるけれど、似たような経験を二度三度と繰り返すごとに、記憶は上書き保存され、ぼんやりして行くと思う。

「初めて」の時は、どうなる?

たぶん、必死に頑張る。慣れないこと、やったことないこと、でも、なんとかしなきゃならない。自分の責任で、自分にかかるお客様からの期待に応えないとならない。考えてもわからなければ、なかなか教えてくれない上司や先輩に食らいついて(当時の先輩や上司は教えてくれない人が多かった)、なんとか自分のものにしようとした。

それでも上手くいかなくて、失敗するのだけれど、上手く隠していたつもりが「この人は新人さんだ」と、お客さんは勘づいていて、知ったかぶりも、バカバカしいやり直しも、徹夜で仕上げて持って行った原稿も、全部バレてて、だからだろうか。大きな失敗したのに、笑って許してくれた。

「初めて」は難しい方がいいのかも。

あの時の自分の失敗を思い出すと、きゅんっと鼻の奥の方で、血の匂いがする。恥ずかしくて、取り消してしまいたい気持ちになる。

でも鮮明に覚えていて、忘れられない。あの時の経験から、こんなことを学びました、なんて良い話は特にないのに。

でも、恥ずかしくて格好悪い記憶が、こうして、街なかを歩いている時に蘇ってくるのは、なんか良いことなんじゃないか。

うまくいかないことは多いけど、あの頃よりは、頭も使いながら賢く対応できてるように思う。でも、頭だけじゃなくて、土台には、あの頃のように、「なんとかしなきゃ!」と一生懸命に考える精神性も、変わらず残っていると思う。

失敗はしない方がいいけれど、仮に失敗になったとしても、相手に、気持ちは伝わってるんじゃないだろうか。

いいなと思ったら応援しよう!