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日本人が英語を話せない原因と効果的なコミュニケーションのコツ

多くの日本人が「英語を話せない」と感じる背景には、どのような原因があるのでしょうか?

英語教育に高校までの12年間という多くの時間を費やしているにもかかわらず、実際のコミュニケーションで自信を持てない理由とは何なのか。
そして、どうすれば効果的に英語でコミュニケーションを取れるようになるのでしょうか?

このnoteでは、日本人が英語を話せない原因を解明し、実際に役立つコミュニケーションのコツをまとめています。

日本人が英語を話せない原因

日本人が英語を話せない原因の一つとして、教育システムの問題点が挙げられます。具体的には以下のような問題点があります。

教育システムの問題点

1. 文法重視の教育
かつての私たちの英語教育は文法や読解に重点を置く傾向がありました。
文法の正確さは重要ですが、コミュニケーションにおいては流暢さや自然な会話の流れも同様に重要です。学校では文法問題や読解問題を解く練習が中心で、実際に話す機会が少なかったため、実践的な英語力が身につきにくいという欠点がありました。

2. 話す機会の不足
英語を話す練習が少ないことも大きな問題です。
授業では教師が一方的に話すことが多く、授業のコマ数の影響もあったのでしょうが、生徒が英語で話す機会がほとんどありませんでした。
コミュニケーション能力を高めるためには、実際に話す経験が必要ですが、そのような機会が圧倒的に不足していました。

3. 教師の英語力
英語を教える教師自身の英語力にも問題がある場合があります。
教師が英語を流暢に話せない場合、正確な発音や自然な会話の模範を示すことが難しくなります。そのため、ALT(外国語指導助手)などを使っていますが、公立学校などでは上手に活用できていないというのが現状なのではないのでしょうか。また、教師が英語で授業を進めることができない場合、生徒も英語に触れる機会が減ってしまっていたという事象もありました。

4. 試験対策重視
高校や大学受験に向けた英語教育では、試験対策が中心となることが多いです。
そのため、リスニングやスピーキングといった実践的なスキルよりも、リーディングや文法問題の対策が優先されます(リーディングや文法の方が教えやすいということもあったのでしょう)。これにより、試験で高得点を取るための勉強はできても、実際のコミュニケーション能力が身につきにくくなったのが原因だとも考えられます。

5. 教材の内容
使用される教材も問題の一つです。
教科書や参考書が実生活で役立つ英語表現を取り上げることが少なく、古い表現や不自然な対話が含まれていることがありました。これにより、実際の会話で使えるフレーズや表現を学ぶ機会が大幅に減ったともまことしやかに言われています。

これらの問題点を解消するためには、英語教育の方法やカリキュラムを見直し、より実践的なコミュニケーション能力を重視した教育を導入することが重要だと考えられ、現時点では改善が進んでいます。

文化的な要因

日本人が英語を話せない原因の一つとして、文化的要因も大きく関与しています。以下に、文化的要因について詳しく説明します。

1. 恥の文化
日本では、「恥をかく」ことを極端に避ける文化が根付いています。
間違った発音や文法ミスをすることを恥ずかしいと感じるため、多くの人が英語を話すことに対して消極的になります。特に人前で話すことに対するプレッシャーが大きく、完璧に話さなければならないというプレッシャーがミスを恐れる原因となっているのです。

2. 集団主義
日本の社会は集団主義の傾向が強く、個人が目立つことを避ける風潮があります。
このため、英語を話すことによって周囲から浮いてしまうことを避ける傾向があります。
集団の一員としての調和を重んじるため、英語を積極的に話すことが少なくなりがちでちであるということも事実なのです。

3. 尊敬と礼儀
日本では、年上や上司に対する敬意を示すことが非常に重要とされています。
英語を話す際にも、相手に対して失礼がないように気を使いすぎるきらいがあります。このため、言いたいことを自由に話すことが難しくなる場合があるということがあります。
正確な言葉遣いや敬語を意識しすぎることで、スムーズなコミュニケーションが妨げられることがあります。

4. 教育の影響
日本の教育システムでは、従順であることや規範に従うことが重視されます。そのため、自分の意見を積極的に表現することや、異なる視点を持つことが推奨される機会が少ないです。このような教育環境が、英語で自由に意見を述べることや、即興で話す力を育む機会を制限しています。

5. 英語への心理的障壁
英語が「外国語」であり、難しいものとされているため、心理的な障壁が生まれやすいです。
「英語は難しい」という固定観念が強く、学習への意欲や自信を削ぐ要因となっています。
結果として、英語を話すことへの抵抗感が強くなりがちです。

6. 実用的な必要性の欠如
日本国内で生活する上で、英語を使う必要性が少ないことも一因です。
日常生活や仕事において、日本語だけで十分にコミュニケーションが取れるため、英語を話す機会が少なく、練習する動機も弱くなります。

これらの文化的要因を理解し、克服するためには、英語を話すことへの抵抗感を減らし、積極的に話す機会を増やす努力が必要です。
また、教育や社会の中で、間違いを恐れずに挑戦する姿勢を育むことも重要です。

自信の欠如と失敗への恐れ

日本人が英語を話せない原因として、「自信の欠如」と「失敗への恐れ」が大きな要因となっています。以下に詳しく説明します。

1. 自信の欠如
1-1. 学校教育の影響
日本の英語教育は文法や読解を重視し、テストでの正解が重要視されます。このため、間違いを恐れる傾向が強くなり、実際に話す場面で自信を持てないことが多いです。リスニングやスピーキングの実践的な訓練が不足しているため、話す能力に自信が持てない生徒が多くなります。

1-2. 発音への不安
日本語と英語の発音の違いから、正しい発音ができないことへの不安を感じる人が多いです。
ネイティブのように話さなければならないというプレッシャーが、話すことへの自信を削ぐ原因となっています。

1-3. 社会的なプレッシャー
周囲からの評価や批判を気にする日本の社会文化の中で、英語を話すことで他人からの批判を受けることを恐れることがあります。特に、同僚や友人の前で英語を話す際に、自分の能力を試されているように感じることが自信の欠如に繋がります。

2. 失敗への恐れ
2-1. 恥の文化
日本社会では、失敗を避けることが重要視されます。
英語を話す際に間違いを犯すことを恥ずかしいと感じ、失敗を恐れて話すことを避ける傾向があります。
この「恥の文化」が、英語を話す際の積極性を阻害します。

2-2. ネガティブなフィードバック
英語を話す際に受けるネガティブなフィードバックが、次に話す際の恐れを生むことがあります。
例えば、発音や文法のミスを指摘されることで、再び話すことへの抵抗感が強まります。

2-3. 過去の失敗経験
過去に英語を話す際に失敗した経験がトラウマとなり、再び挑戦することを躊躇する原因となります。
特に、大勢の前で失敗した場合、その経験が強く残り、英語を話すことに対する恐れを増幅させます。

克服のための方法

上記、「自信の欠如」と「失敗への恐れ」への克服方法を下記に紹介します。

1. 小さな成功体験の積み重ね
初歩的な英会話から始め、少しずつ成功体験を積み重ねることで、自信をつけることが重要です。
日常的な簡単な会話から始め、徐々に難易度を上げていくと自信へとつながります。

2. ポジティブな環境の提供
失敗を恐れずに話すことができるポジティブな環境を作ることが重要です。
英語学習仲間や友人と一緒に練習することで、お互いに励まし合い、ミスを恐れずに話すことができるようになります。

3. 自己肯定感の向上
自分の英語力を客観的に評価し、小さな進歩でも自分を褒めることが重要です。
過度に完璧を求めず、自分のペースで学習を続けることで、自己肯定感を高めることができます。

4. フィードバックの受け入れ
ネガティブなフィードバックを前向きに受け入れ、次の改善に繋げることが大切です。
ミスは成長の一部であると捉え、失敗を恐れずに挑戦し続ける姿勢を持つことが重要です。

これらのアプローチを取り入れることで、日本人が英語を話す際の自信の欠如と失敗への恐れを克服し、より積極的に英語を話せるようになることが期待できます。

効果的なコミュニケーションのコツ

効果的なコミュニケーションのためにシンプルな英語を使うことは非常に重要です。
以下に、シンプルな英語を使うための具体的なコツを紹介します。

1. 短い文を使う
長い文は誤解を招きやすく、理解するのに時間がかかります。
短くて明確な文を使うことで、相手に伝わりやすくなります。

例: "I need help." 「助けが必要です。」 → "Can you help me?" 「手伝ってくれますか?」

2. 簡単な単語を選ぶ
難しい単語や専門用語を避け、日常的に使われる簡単な単語を選ぶようにしましょう。

例: utilize:活用する → use:使う
例: commence:始める → start:始める

3. アクティブボイスを使う
受動態よりも能動態の方がシンプルで明確に伝わります。

例: "The report was written by me." 「レポートは私によって書かれました。」 → "I wrote the report." 「私はレポートを書きました。」

4. 具体的な例を使う
抽象的な説明よりも、具体的な例を使うことで相手が理解しやすくなります。

例: "Please send the documents soon." 「早く書類を送ってください。」 → "Please send the documents by tomorrow." 「明日までに書類を送ってください。」

5. 質問を活用する
相手の理解を確認するために質問を使うことで、コミュニケーションが円滑になります。

例: "Do you understand?" 「わかりますか?」
例: "Any questions?" 「何か質問はありますか?」

6. 一つのアイデアにつき一つの文
一つの文に複数のアイデアを詰め込むと、理解が難しくなります。
各文に一つのアイデアを盛り込むようにしましょう。

例: "I will finish the report and send it to you." 「レポートを終えて、あなたに送ります。」 → "I will finish the report. I will send it to you." 「レポートを終えます。あなたに送ります。」

7. 避けるべき複雑な文構造
関係代名詞や分詞構文など、複雑な文構造は避けるようにしましょう。
シンプルでストレートな文を使う方が、相手に伝わりやすくなります。

例: "The man who is sitting there is my friend." 「そこに座っている人は私の友人です。」 → "That man is my friend. He is sitting there." 「あの人は私の友人です。彼はそこに座っています。」

8. ポーズと間を使う
話す際に適度なポーズと間を取ることで、相手に考える時間を与え、理解を助けます。

例: "I think... we should try a different approach." 「私は...別の方法を試すべきだと思います。」

これらのコツを活用することで、シンプルで効果的な英語コミュニケーションを実現しやすくなります。
シンプルな英語は、誤解を避け、円滑な対話を促進するための基本です。
そして、できればいろいろなジェスチャーや表情を活用すると相手への理解度も深まります。
もちろん、積極的に話す姿勢はとても重要なことですが…

まとめ

英語力向上のための継続的な努力はとても重要です。
理由は以下の通りです。

言語習得は時間がかかる
言語は一朝一夕で習得できるものではなく、継続的な学習と実践が必要です。

スキルの維持と向上
英語力は使わなければ衰えてしまうため、定期的に練習することでスキルを維持し、さらに向上させることが重要です。

自信の向上
継続的な努力により、少しずつ自信がつき、より複雑な表現やコミュニケーションができるようになります。

文化理解の深化
言語を学ぶことは、その言語を話す文化や習慣を理解することにもつながり、より豊かなコミュニケーションが可能になります。

学習の楽しさ
新しい単語や表現を学ぶことで、学習が楽しくなり、モチベーションを維持しやすくなります。

継続は力なりという言葉の通り、努力を続けることで、少しずつ確実に成果が実っていくでしょう。


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