2024年9月21日（土）《GB》

《青空を見上げると今日も良い天気。きょ〜もい〜てんき〜。あのフレーズが頭に浮かびます^ ^；》
【サクラマチクマモト：富田　水無・有村　藤花・結城　香純】
「あ、財布忘れた」
「あれま、愉快な水無さんだな」
　買い物の途中でふと気になった富田　水無がバッグの中を確認すると、そこに財布がないことに気付いて思わず言葉を漏らしたので、それを聞いた有村　藤花が笑いながら声をかけた。ここは『サクラマチクマモト』。土曜日のお昼過ぎの時間であり、店内はたくさんの客で賑わっている。本日一緒にショッピングを行う約束をしていた富田、有村、結城　香純の3人は、まずは『AXIS』の喫茶部に集合し、そこからバスで『サクラマチ』にやって来た。バスの料金はスマホケースに収納しているICカードで支払ったので、たった今まで財布を確認する場面がなかったのである。ただ、買い物のほとんどはスマホ決済で行っているので、財布を忘れたことは特に問題にはならない。スマホ決済が使えないような状況になった場合に必要になるのだ。
「でもわざわざ街まで出てきて財布忘れたからって皆んなが笑ってるはひどいわよね」
「今日も良い天気って歌ってる場合じゃない」
　歌の歌詞について結城が感想を口にし、それに富田も歌のフレーズを歌いながら返事を返した。今の時代はスマート決済があるので、財布を忘れたとしてもスマホさえあれば買い物もできるし、食事も出来る。だが、このアニメの設定の時代にはそのようなものはあるはずもなく、財布を忘れたイコール何も出来ないということになるのだ。
「水無は今の時代に産まれたことを感謝しなきゃだね」
「そうだね。結構財布忘れるからね」
　正直に思っていることを口にした有村の言葉に、富田も正直に返事を返す。財布を忘れるのは今回が初めてではなく、富田は結構な頻度で財布を忘れるのだ。こうなるとそもそも財布がいらないのではないかということにもなるが、何かあったときのために毎回準備し、毎回忘れているのである。