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初めてのラテン語学習(標準ラテン文法 第1課)

 こんにちは、ぺねゆうです。ひょんなことから、古典ラテン語の学習を始めることとなりました。現在、大学の講義でドイツ語、古代ギリシャ語、サンスクリットを学んでいますが、ラテン語を真面目に学んだことはありませんでした。これから記事執筆の練習も兼ねて、学習の歩みをここに記録しようと思います。

 ラテン語を独習するにあたって、まず教科書が必要です。私は「標準ラテン文法」を用いて学習を進めることにしました。これは弊学で用いられている教科書と同じものです。中古で手に入れても良いですが、別冊の単語集がちゃんと付いてくるとは限りません。

 本書は全19課で構成されています。演習問題は1課あたり、和訳が十数問~二十数問、作文が5問となっています。教科書には解答がないため、Koh氏のブログを参考とさせていただきました。圧倒的感謝。

さて、準備が整ったので、早速第1課に取り掛かる。

9月1日。所要時間1h43m。主に文字と発音、動詞の変化(現在直接法能動相)を学習した。本書では、JとWを除いたアルファベット24文字で古典ラテン語が書かれている。古典ラテン語は古代ギリシャ語とは異なり、作文するときにアクセントを筆記する必要はなさそうなので、アクセントの部分は流し読みすることにした。

 問題を解いていて気づいたことがいくつかある。前述したアクセントの無表記に加え、サンスクリットやギリシャ語にあった双数形が見つからない。動詞の語尾変化はドイツ語に似ている気がする。単語の一部は英語にまで残っていて、見た目で単語の意味を推測できそうだ。これまでに学んだ言語との関連が実感できると、面白く、より楽に習得できる。そんな感じでとくに苦しむことなく第1課を終えた。

これ以降は第1課の演習を振り返る。読みたい者のみ読んでほしい。

第1課 練習問題

 これは動詞変化の練習問題である。規則動詞の変化は、変則型込みで5種類。地道に覚える必要がある。ここではcantō(歌う)、habeō(持っている)、lūdō(遊ぶ)、faciō(作る)、veniō(来る)が挙げられた。どことなく英語に似ていないだろうか。chant(歌う、唱える)、have(持っている)、factory(工場=作る場所)、advent(到来)など。lūdōに関しては、ボードゲーム「ルドー」の由来となっているようだ。『のだめカンタービレ』という漫画の名称も語源を遡ればcantōに行きつくだろう。

第1課 和訳・作文

 続いて、和訳と作文である。和訳2番では、scrībō(書く)、legō(読む)が登場した。scrībōは現代英語のdescribe(説明する、描く)に近いだろうか。石や粘土板に文字を刻み付けているところを想像してしまった。legōは少し厄介だ。古代ギリシャ語にλέγω(legō:言う、話す)という単語がある。ラテン語におけるlegōは「選ぶ、集める、読む」という意味を表す。英語においても、select(選ぶ)、collect(集める)、lection(読誦)などの単語が見られる。
 和訳3番にsaltō(踊る、跳ぶ)があるが、これは「ムーンサルト(和製語)」などと関連がある。Saltoはドイツ語で「宙返り」を意味する。和訳5番labōrō(働く)は英語labor(労働、働く)に関連。和訳9番dormō(眠る)は英語dormant(眠っている)に関連。
 作文1番で用いた、Nōn modo (sōlum) … sed etiam … 「…のみならず…もまた」という表現は、英語の not only … but also … に、そして古代ギリシャ語の οὐ μόνον …͵ ἀλλὰ καὶ … に相当する。

 近いうちに第2課の演習に入る予定だ。記事執筆のやる気があれば次回以降も更新が続くと思われる。では、さよなら。

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