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本を嫌いになった理由①

自分の人生において、『本』というものには嫌な思い出ばかりが付き纏って離れない

加えて実際問題として、自分の本を読むペースは遅い。故に読書に費やす時間を他の事に充てていきたいとなる。したがって、読書と言うものの優先順位は低くなってしまう。

成人以後、本当に自分で興味をもったテーマの書籍ですら手放さないものの中途半端なまま数年放置しているなんて事も珍しくもない

堅苦しくもなく、文章量も少ないコミックも他の人と比較してかなり読むのに時間を掛けてしまう

そして、幼少期~少年期にかけて味わった感覚は『本に苦しめられた』と言う思い出ばかりだ

そんな思い出を今回は書いていく


幼児期、ひとりで立ち歩きが出来るようになってからの事

座敷の本棚の中にあったゲームの攻略本をよく読んでいた

俺が生まれる前から父がファミコンを持っていたので所持していたソフトに関連する攻略本が幾つか家の中にあったのだ

文字だけではなくゲーム画面の写真や設定イラストに攻略本独自の挿絵など、子供の目にとって楽しいものがたくさん載っていたので内容をあまり理解できなくてもすっかり虜になって読んでいたのだが

夢中になりすぎる性格が災いし母親とのやり取りに支障を来したようで、母から声をかけられても返事をしなかったり雑な返事になったりする事が多くなったりして母の機嫌を損ねてしまった

ある日、当時夢中になって読んでいた攻略本の一冊が無くなっていて家中を探し回ったのだが、何処にも見当たらなかったので渋々母に何処にあるのか訊いてみたのだが「わからない」と返事された

結局その日は攻略本を諦めて他の遊びをしたのだが翌日の事、母から声を掛けられ連れていかれた先には

ビリビリに破かれゴミ袋に詰められた攻略本があった

『もう2度と読めない』そんな思いが過り、激しく泣き出した

すると、貰い泣きするかのように母も泣き出して謝ってきた

泣きながらも耳に入ってきた言葉で覚えているのは「ごめんね」と「抑えられなかった」という言葉

だが、無残に破り捨てられた本の残骸の姿は今でも鮮明に覚えている

幼稚園にも上がっていない年齢の子供が思い通りに言うことを聞かなかったくらいで、その子供が大事にしているものを壊してしまうと言う大人気ない事をしたという後悔の念からの謝罪だった(このときの事を振り返り本人も後からそう語っていた)

今思えば母はこの頃から徐々におかしくなっていったのではないかとも推察できる

嫁入りから3・4年、祖母との小さな軋轢が積み重なって生じたストレスが母を蝕んでいても何の不思議もない

結局謝罪はされたものの「言うことを聞かなかった罰として受け入れなさい」と、買い直し等の補填は無かった

この事から、親の前で攻略本を読むことは避けるようになった


次は小学校に上がってから、読書感想文を書かされるようになってからだ

これに関してはTwitterや、その他のネット上でも本を嫌いになる人が本嫌いになった一因としてよく目にする

原稿用紙何枚分と文字数指定をされるがこちらとしては正直「面白かった」「つまらなかった」以上の考えは浮かばないのだ

まあそこに関しては度々先生から指導され「この本のどの部分でこう思った」と言うのを書いていけば良いとコツを教わるのだが

思った通りの事を書くと「これ本当にあなたの感想?」「ここはこう書くべきなの」と矯正を受ける

人生経験も浅く、作中の人物の心情なども理解できないから素直に『この人物がなぜこんな行動をとったのか分からない』と書いても

「 "分からない" は感想にならない」とした上で、その関連の文章を全てやり直しにさせた上でそこで発生した分の文字数の不足を埋め合わせろと言われる

長期休暇の度にこんな宿題を出されたうえに平時でもたまにやらされるのではたまったものではなかった

習い事に、祖母からの宿題拘束、その上で長い時間を消費して本を読んで、抱いた感想が少ないながらも必死に書いた感想文は何度もダメ出しを食らう

2度と本になんか関わりたくない

そんな思いにたびたび囚われていた

中でも小2の頃、宿題として先生から「家の中にある本、何でも良いから1冊読んで感想文を書いてください」と言われ

「何でも良いなら絵本の感想文書こう」と感想文を書いていたところを母親に見られた際には

絵本で感想文を書くな! そんなの聞いたことがない!

その歳にもなって絵本を読むな! ちゃんとした本を読め!


と強く非難された

「先生から "何でも良い" って言われてる」と抗議しても取り合って貰えず

他に読めそうな本がないか探したものの見当たらなかったので結局、国語の教科書の過去にやった単元を読み返して感想文にすると言ったところ、ようやく母が渋々承諾

完成した感想文を提出された先生も少し困惑した様子で受け取っていたのを覚えている

祖母のみならず母にまで宿題に口を挟まれた珍しいケースなのだが

母の場合はその数少ない珍しいケースがどれも致命傷とも言える負荷を与えてくれるのだから祖母と良い勝負をしている

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