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チョコレートを食べると元気になる理由:科学的な背景と選び方

奇しくも友人2名から同じ日に「チョコレートを食べないと1日が終わらない」「仕事が終わった後、チョコレートを食べると元気になる」と言われました。チョコレートにはヒトを元気にする力があるようです。今日はその理由を探るとともに、注意点もお伝えしたいと思います。

1. チョコレートがもたらす幸福感の秘密

私の友人の話ではありませんが、チョコレートを食べると心が安らぎ、幸せな気分になる経験がある方は多いと思います。これは、チョコレートに含まれる成分が脳に働きかけるためです。

  • 脳内物質セロトニンの分泌を促す
    チョコレートには、幸せホルモンとよばるセロトニンという神経伝達物質の原料となる、トリプトファンというアミノ酸が含まれています。トリプトファンは摂取後に体内でセロトニンになります。セロトニンは、心の安定や幸福感をもたらす物質として知られており、チョコレートを食べることで、ストレスが軽減され、気分が穏やかになるのです。

  • ストレス軽減効果も期待できる
    現代人は、仕事や人間関係など様々なストレスを抱えています。チョコレートに含まれる成分は、ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌を抑制し、ストレスを軽減する効果が期待できます。

  • 幸福ホルモンと呼ばれる理由
    セロトニンの分泌促進による幸福感だけでなく、チョコレートには、エンドルフィンという脳内麻薬とも呼ばれる物質の分泌を促す働きもあると言われています。エンドルフィンは、痛みを抑制し、幸福感をもたらす効果があるため、チョコレートはまさに「幸福ホルモン」と言えるでしょう。

2. カカオポリフェノールの力

チョコレートの健康効果には、カカオポリフェノールと呼ばれるポリフェノールの一種が大きく関わっています。

  • 強力な抗酸化作用
    カカオポリフェノールには、強力な抗酸化作用があり、体内の活性酸素を除去する働きがあります。活性酸素は、老化や生活習慣病の原因となるため、カカオポリフェノールを摂取することで、これらのリスクを軽減できる可能性があります。

  • 血管を健康に保つ
    カカオポリフェノールは、血管を拡張させ、血流を改善する効果があります。これにより、高血圧や動脈硬化などの生活習慣病予防に役立つと考えられています。

  • 脳機能の向上
    カカオポリフェノールには、脳の血流を改善し、神経細胞を保護する効果があると言われています。そのため、記憶力や学習能力の向上、認知症予防にも役立つ可能性が期待されています。

3. カフェインの効果

チョコレートには、コーヒーにも含まれるカフェインも含まれています。

  • 集中力を高める
    カフェインには、脳を覚醒させ、集中力を高める効果があります。勉強や仕事などで集中力が切れてしまった時などに、チョコレートを食べることで、再び集中力を回復できることがあります。

  • 眠気を覚ます
    カフェインには、眠気を覚ます効果があります。長時間運転や夜勤などで眠気が襲ってきた時などに、チョコレートを食べることで、一時的に眠気を覚ますことができます。

  • 運動能力の向上
    カフェインには、脂肪の燃焼を促進し、運動能力を向上させる効果があると言われています。

4. チョコレートのデメリットと注意点

チョコレートには、多くのメリットがある一方で、デメリットも存在します。以下の理由から、脂質の吸収の良い時間帯やお休み前に摂るのは控えた方が良いでしょう。

  • 食べ過ぎはNG!
    チョコレートは高カロリーな食品であり、食べ過ぎると肥満の原因になります。

  • 高カロリー食品であることを忘れずに
    チョコレートには、砂糖や脂質が多く含まれているため、他の栄養素の代謝に影響を与えます。チョコレートに限りませんが、食べ過ぎには注意が必要です。

  • 睡眠を阻害する
     
    眠気を覚ます力のあるカフェインは、睡眠を阻害します。眠気を引き起こすアデノシンという物質がアデノシン受容体に結合すると、覚醒作用のあるヒスタミンという神経伝達物質の放出を抑えるため眠くなるのですが、カフェインは、このアデノシン受容体に結合することでアデノシン自体が結合するのを阻害します。

出典:日本チョコレート・ココア協会

5. 美味しく健康的にチョコレートを選ぶポイント

チョコレートには、様々な種類があります。健康に良いチョコレートを選ぶためには、以下のポイントに注意しましょう。

  • カカオ含有量で選ぶ
    カカオ含有量が高いチョコレートほど、カカオポリフェノールを多く含んでいます。※カカオ含有量が多いほど、カフェイン量も多いのでその点も加味してください

  • 原材料の使用量の順番もチェック
    砂糖の量が少ないチョコレートを選びましょう。原材料名は使用重量の多い順に並んでいます。砂糖が一番に来ていたら、そのチョコレートではカカオマス(カカオ豆の胚乳部をすりつぶしたもの)よりも砂糖を多く使っているということになります。カカオマスやココアバター(カカオ豆の脂肪分)が砂糖より先にチョコレートを選びましょう。

  • 添加物に注意する
    純粋にチョコレートを楽しむなら、着色料や香料などの添加物が少ないチョコレートを選びましょう。

まとめ

チョコレートは、幸福感をもたらすだけでなく、上手く使えば健康にも良い影響を与える食品です。食べる量、タイミング(可能であれば夜ではなく、日中におやつに食べると良いでしょう)を考えて賢く頂きましょう❣


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