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カラオケBOXの幽霊と幽霊がいるんじゃないかと思える理由


  やはり近しい人の中にいわゆる霊感がある、という人がいるということが私が幽霊の存在を否定しきれない理由です。

私の実際の経験

  十数年昔の話になります。当時大学生だった私は小学校時代からの友人と車で遊びに出かけました。夜の10時過ぎまで遊んだ帰り道、私たちは1時間程度カラオケに行こうという事になり地元のカラオケ屋に寄ることにしました。
 
   そのカラオケ屋は周りを道路と田んぼに囲まれた二階建ての古びたお店で、外壁は剥がれ看板の電飾は点かず、また外階段の手すりは錆び付いているといった有様でしたがとにかく利用料が安く以前からちょくちょく利用させてもらっていたのでした。

  受付を済ませ指定された部屋は2回の奥の部屋でした。部屋の古い扉は立て付けが悪く、しっかりと閉まらなかったのですが、いつもの事なので気にしても仕方ないか、と部屋に入っていきました。

   私たちはなにぶん2人しかいなかったので適当に交互に歌っておりました。
  互いに何曲か歌い、私が歌っている時に、友人の様子がおかしい事に気が付きました。次の曲を入れるわけでもなく、しきりに外を気にしているようでした。

そこに幽霊がいた?

 
  歌い終わった私は彼にどうかしたのかと尋ねました。すると友人は
「いや外に子供がいるんだよ」
  と言いました。とりたてて普段と変わりのない様子で言っていたので、どこか他の部屋の子供が私たちの部屋を覗いていたのだと思いました。遅い時間だし、奥の部屋だし少し変だなとは思いましたがそれよりも歌っているところを見られたのかと少し恥ずかしくなりました。

  私は他の部屋の子かなと友人に言いました。少なくとも私には何も見えていませんでした。
「いや、そういうんじゃない。たぶん今の時代の子じゃない」
  と友人はやや青ざめて言いました。私はこの時点でもまだよく分かっていませんでしたが、よく話を聞いてみるとまるで戦後の服装、白シャツに短パンといったスタイルの男の子がいたということ。生きている人間ではないということでした。

  ここまで聞いてようやく私は怖くなりました。この当時もオカルトや幽霊話は好きでしたが、自分で見たことはおろかそこに幽霊がいたと言われたことも初めてでした。

  大層ビビった私と、やっぱり怖がっていた友人はなぜか一緒にトイレへと避難をしました。そして時間はまだ余っていましたが怖すぎたのでもう帰ろうと言うことになり、そそくさと会計を済ませ帰路に着きました。

  しかし不思議に思ったのは、当時でさえ10年以上の付き合いで、しょっちゅう遊びに出かけていた彼に霊感があったなどという話は、私は一度も聞いたことがありませんでした。

  帰りの車内で彼にそれを聞くと
「いやたまに見えるんだけど、怖いから言いたくないんだ」
と言いました。それきり彼は口をつぐんでしまいました。

後日談

  これでこの話は終わりですが、元来幽霊話が大好きな私は喉元過ぎれば熱さ忘れるの精神で事ある事に幽霊の話をねだりましたが、彼は怖いと言ってなかなか話してはくれませんでした。

  ただ一つ話してくれたのは、しつこく話を振る私に対し
「やだよ、怖いじゃん!すれ違った人に違和感があって振り向いたらもうそこにいないんだよ!」
という事でした。

  振り向いた時にはもうそこにいない..…よく聞く話だと私は妙に納得したのでした。


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