武文智洋(WithGreen代表・サラダ兄)

サラダボウル専門店「WithGreen」代表、武文智洋です。2016年に弟・謙太と創業…

武文智洋(WithGreen代表・サラダ兄)

サラダボウル専門店「WithGreen」代表、武文智洋です。2016年に弟・謙太と創業。国産の野菜にこだわり、体にも心にもおいしい、主食になるサラダを日本中へ。東京・神奈川・大阪・京都で店舗展開中。ワクワクしながら挑戦しています🥗https://withgreen.club/

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  • サラダ兄弟の挑戦

    サラダボウル専門店「WithGreen」代表、武文智洋です。2016年に弟・謙太と創業。国産の野菜にこだわり、体にも心にもおいしい、主食になるサラダを日本中へ。東京・神奈川・大阪で店舗展開中。ワクワクしながら挑戦しています。

  • サラダ兄弟の挑戦 【対談編】

    サラダボウル専門店「WithGreen」代表、武文智洋です。対談記事をまとめたマガジンです。企業の創業ストーリーや挑戦の様子をまとめた連載はこちらをご覧ください。https://note.com/withgreen/m/mf03f0361851f

記事一覧

固定された記事

自分が登る山は何か? ウォール街証券マンが世界一周旅からサラダで起業

昼下がりのパブで、楽しそうにビールを飲む人たちで華やぐ、ロンドン。美しい街並みになじまない熱が、私の内側でほとばしっていました。 高ぶる気持ちのまま、日本にいる…

ブランドは、事業の成長と正面から向き合うことで生まれる

ブランドに、近道はない。 ブランディングは、やろうと思ってすぐにできるものではない。 実感を込めて、言い切れます。 WithGreenの場合なら、生産者の想いを届けて、お…

1000億円企業の経営者から言われたアドバイスは、「組織図を見よ」

「Build on your strength.(強みの上に築け)」 マネジメントの父、ピーター・ドラッカーの思想の大前提ともいえる、名言の1つですね。人が幸せになるために成果を上げ…

ブランドの転換点。「統一感のなさ」から「伝わる発信」への3年間の旅

コミュニケーションって、「発信して(伝えて)」から「受信する(伝わる)」までして初めて、成立しますよね。 相互伝達なので当たり前のことなのですが、企業は「どう発…

立地で成功の7割が決まる。1000円超のサラダが関西でも大人気の秘訣

京都市街を東西に走る、四条通り。 自転車にのり、河原町~四条烏丸周辺をぐるぐると散策します。平日休日の朝昼夕、歩く人たちの流れや、混雑しているお店を観察しながら…

コロナと飲食店の3年続く闘い【後編】 ライフスタイルの変化、従業員のコロナ感染、飲食店はどう乗り切る

前編はこちら→コロナと飲食店の3年続く闘い【前編】「ピンチはチャンス」の本当の意味 「陽性? 交代で入れるスタッフは……?」 「ランチタイム前後の数時間でも、開け…

コロナと飲食店の3年続く闘い【前編】 「ピンチはチャンス」の本当の意味

「社長、これ……どうする?」 難しい顔で意見を求めてくる、弟の謙太。いつもの私たちなら、「何とかしよう!」「どうするか考えよう!」。そんな前向きな議論になります…

メニュー開発の長い道のり。自信作なのに「出せない」季節限定商品

※今回は、サラダ弟こと、武文謙太の視点でWithGreenを語ります。 冬の限定スイーツ、温かい飲みもの、お鍋やグラタン。ブリや牡蠣、いちご、みかん、白菜に春菊……。寒…

1億円以上を失った、ディナー業態の大失敗。「得意を自覚すること」の難しさ

自分たちの一般的な店舗サイズは、15坪。もしもこれが3倍広い区画なら、売上げを3倍にできるのでは? さらにディナータイムまで広げられたら、お酒も出せて、お客さんの単…

飲食の多店舗展開でぶつかる「赤字店」と「資金調達」の壁

「あと5000万、足りないんです」 周囲にいるお客さんたちは笑顔で、WithGreenのサラダボウルを食べてくれている。そんな幸福な店内で、私は投資家に深々と頭を下げている…

世界観をつくるのは「こだわりの積み重ね」 サラダ兄弟 × コルク佐渡島庸平 【後編】

WithGreenは、創業5年になる2021年に「ブランドとしての根」が固まりました。「サラダボウル × サステナブル」「緑と生きる」というコンセプトが明確になって初めて、デザ…

「とりあえず10年一緒に」が通じるのは兄弟だから サラダ兄弟 × コルク佐渡島庸平 【前編】

創業当時マンガ『宇宙兄弟』のセリフに支えられた、サラダ兄弟こと、武文智洋さんと武文謙太さん。『宇宙兄弟』の初代編集者で経営者仲間でもある佐渡島庸平さんを迎えて、…

飲食で1店舗目を失敗しないために、自分がしたこと

東京・神楽坂通り。通り沿いに建つ目的の店を見つめながら、少し離れた物陰に、私は立っています。 手のひらには交通量調査に使われる数取器をにぎり、店前を通る人数をカ…

主食サラダだから。「一口めから最後までおいしい一杯」への追求

※今回は、サラダ弟こと武文謙太の視点です。サラダボウルへのマニアックなこだわりを、書いています。 「日本人のサラダ」の概念を、変えるにはーー? アメリカ西海岸で…

「兄の夢」を一緒に叶える。29歳で大企業のキャリアを捨て、起業の道へ

※今回は、サラダ弟こと、武文謙太の視点でWithGreenを語ります。 -------------------------------------------------- イタリア料理店に来て、前菜のサラダが運ばれてき…

「どっちが楽しいかで決めなさい」 兄弟起業支える『宇宙兄弟』のセリフ

「頭で考えなきゃいいのよ。あなたのことならあなたの胸が知っているもんよ。『どっちが楽しいか』で決めなさい」 『宇宙兄弟』での、主人公の第2の母・シャロンのセリフ…

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自分が登る山は何か? ウォール街証券マンが世界一周旅からサラダで起業

昼下がりのパブで、楽しそうにビールを飲む人たちで華やぐ、ロンドン。美しい街並みになじまない熱が、私の内側でほとばしっていました。 高ぶる気持ちのまま、日本にいる弟の携帯を鳴らします。私は200日間の世界一周旅行中で、8時間先にいる弟は、まだ起きていました。 「謙太、サラダにするよ。サラダでいこう!」 私たち兄弟の挑戦する未来が、決まった瞬間でした。 米国の大手投資銀行の内定つかんだ! はずが……登りたい山を決める。これで人生の半分が決まる。 孫正義さんのこの言葉が、

ブランドは、事業の成長と正面から向き合うことで生まれる

ブランドに、近道はない。 ブランディングは、やろうと思ってすぐにできるものではない。 実感を込めて、言い切れます。 WithGreenの場合なら、生産者の想いを届けて、お客さんにおいしいサラダをつくる。そのための工夫を一つひとつ積み重ねていく過程で、ブランドは生まれていく。 事業の成長と正面から向き合うことこそが、きっとブランドになるのだと。 このnoteでは私たちの現在地と、未来について。 来年2024年には、全国で30店舗を超えます。日本を代表するサラダボウル専

1000億円企業の経営者から言われたアドバイスは、「組織図を見よ」

「Build on your strength.(強みの上に築け)」 マネジメントの父、ピーター・ドラッカーの思想の大前提ともいえる、名言の1つですね。人が幸せになるために成果を上げるには、個々の強みを活かさなければならない。弱みからは何も生まれないから、という。 そんなドラッカーのマネジメント理論を、少しずつWithGreenで実践できるようになったのは、起業して5年ほど経ってからでした。 スタートアップでは珍しくないでしょうが、創業から数年間は、売上に直接的に関係

ブランドの転換点。「統一感のなさ」から「伝わる発信」への3年間の旅

コミュニケーションって、「発信して(伝えて)」から「受信する(伝わる)」までして初めて、成立しますよね。 相互伝達なので当たり前のことなのですが、企業は「どう発信するか」への注力はあっても、「どう伝わるか」を考えることを忘れがち。「伝わるまで、発信側がしっかり届ける」ことの重要性を、ここ数年実感しています。 というのは、コロナが始まったあと、2020年夏ごろから3年ほどかけて、社内のメンバーやデザイナー、そしてコンサルタントも含めて、WithGreenのコンセプトやデザイ

立地で成功の7割が決まる。1000円超のサラダが関西でも大人気の秘訣

京都市街を東西に走る、四条通り。 自転車にのり、河原町~四条烏丸周辺をぐるぐると散策します。平日休日の朝昼夕、歩く人たちの流れや、混雑しているお店を観察しながら。この一連の動きを、京都に出張するたびに、3回、4回と繰り返します。 (河原町のほうが観光客が多い。四条烏丸は平日は働く人がいて、休日は地元の買い物客で賑わっている) (オーガニックのカフェがあり、このあたりにブルーボトルやスターバックスがあるな。結構、感度が高い人たちが集まってるエリアだな) 私の脳内では、こん

コロナと飲食店の3年続く闘い【後編】 ライフスタイルの変化、従業員のコロナ感染、飲食店はどう乗り切る

前編はこちら→コロナと飲食店の3年続く闘い【前編】「ピンチはチャンス」の本当の意味 「陽性? 交代で入れるスタッフは……?」 「ランチタイム前後の数時間でも、開けられないかな?」 「仕方ない。臨時休業だね」 社員たちと電話での会話です。 「いつ終わるの?」と抱きながらコロナと生きる日々から、3年が過ぎました。 お客さんたちはコロナの正体や対策もわかり、過剰に気にしなくなったと感じています。5月からは、感染症法上の位置づけが季節性インフルエンザなどと同じ「5類」に移行す

コロナと飲食店の3年続く闘い【前編】 「ピンチはチャンス」の本当の意味

「社長、これ……どうする?」 難しい顔で意見を求めてくる、弟の謙太。いつもの私たちなら、「何とかしよう!」「どうするか考えよう!」。そんな前向きな議論になります。でもこのときばかりは、すぐにはそんなふうになれませんでした。 「これは、相当大変なことになるかもしれないな……」 呆然としたまま、こんな返事しかできませんでした。 2020年3月、中国・武漢で発見されて瞬く間に広がった新型コロナウィルスが本格化。日本も緊急事態宣言が発令され、ロックダウンに入ると発表されたとき

メニュー開発の長い道のり。自信作なのに「出せない」季節限定商品

※今回は、サラダ弟こと、武文謙太の視点でWithGreenを語ります。 冬の限定スイーツ、温かい飲みもの、お鍋やグラタン。ブリや牡蠣、いちご、みかん、白菜に春菊……。寒い季節に食べたいもの、たくさんありますよね。 季節料理や旬へのアンテナが高いのは、四季がある日本に暮らす「ぼくたちらしさ」です。 WithGreenも、事業のアイデアは「​​日本らしさ」を突き詰めたところからはじまっています。(詳しくは兄がつづった1話へ )。 だから、WithGreenのメニューにも「

1億円以上を失った、ディナー業態の大失敗。「得意を自覚すること」の難しさ

自分たちの一般的な店舗サイズは、15坪。もしもこれが3倍広い区画なら、売上げを3倍にできるのでは? さらにディナータイムまで広げられたら、お酒も出せて、お客さんの単価アップが見込める? 多店舗展開するときに、やってくる「楽しげな誘惑」です。 私も3店舗、4店舗、5店舗……と多店舗展開するなかで、「ほかの勝ち方もあるかも?」とポジティブなアイデアを膨らませました。 それを形にして、2018年にWithGreenの6店舗めとしてオープンしたのが、ダイニングレストラン「Wit

飲食の多店舗展開でぶつかる「赤字店」と「資金調達」の壁

「あと5000万、足りないんです」 周囲にいるお客さんたちは笑顔で、WithGreenのサラダボウルを食べてくれている。そんな幸福な店内で、私は投資家に深々と頭を下げている。 「いくら武文くんの頼みでも、5000万円をはいどうぞ、とはねぇ」 創業のころから親しくしてもらっている間柄ながら、困惑が伝わってくる。サラダを食べる手を止め、フォークを握りしめたままでいる。 「そこを、なんとかなりませんか」 なりふりなんて、構っていられない。 まさか、すべての銀行で融資が断

世界観をつくるのは「こだわりの積み重ね」 サラダ兄弟 × コルク佐渡島庸平 【後編】

WithGreenは、創業5年になる2021年に「ブランドとしての根」が固まりました。「サラダボウル × サステナブル」「緑と生きる」というコンセプトが明確になって初めて、デザインを意識できるようにもなりました。作家とともに作品の世界観をつくってきた編集者の佐渡島さんは、「作家や企業の世界観は、最初からすでにある」と言います。企業にとっての世界観は、どのようにつくられていくのか。兄弟経営について考えた前編に続き、一緒に考えてみました。 ◆『宇宙兄弟』作者のズレのない世界観佐

「とりあえず10年一緒に」が通じるのは兄弟だから サラダ兄弟 × コルク佐渡島庸平 【前編】

創業当時マンガ『宇宙兄弟』のセリフに支えられた、サラダ兄弟こと、武文智洋さんと武文謙太さん。『宇宙兄弟』の初代編集者で経営者仲間でもある佐渡島庸平さんを迎えて、兄弟で事業をすることについて掘り下げました。 兄弟起業は、二兎を追わなくていい佐渡島庸平(以下、佐渡島): 兄弟で起業する強みは、お互いの才能を信じているんじゃなくて、もっと根本を信じているところではないでしょうか。 たとえば、ふたりは「兄は資金関係が得意」「弟はメニュー開発が得意」と役割分担しているけど、会社のフ

飲食で1店舗目を失敗しないために、自分がしたこと

東京・神楽坂通り。通り沿いに建つ目的の店を見つめながら、少し離れた物陰に、私は立っています。 手のひらには交通量調査に使われる数取器をにぎり、店前を通る人数をカチカチとカウントして、計っていました。 WithGreenの1店舗目となる神楽坂店を出店する前、私は弟の謙太と交替しながら、この調査を毎日、昼食時と夕食時の2回、2ヵ月繰り返していました。 店前通行量に対して、何パーセントのお客さんが店に入るのか。 1.「出店を狙っている店舗」 2.「出店予定場所近くにある、似

主食サラダだから。「一口めから最後までおいしい一杯」への追求

※今回は、サラダ弟こと武文謙太の視点です。サラダボウルへのマニアックなこだわりを、書いています。 「日本人のサラダ」の概念を、変えるにはーー? アメリカ西海岸でサラダの旅をするなかで生まれ、そのあともぼくが考え続けている問いです。 日本の食文化にとってサラダは、メインのつけ合わせであったり、前菜であったり、“副菜”でしかありません。一汁三菜に親しんでいる我々にとって、「サラダをずっと食べるのは飽きるのでは?」「サラダだけでお腹いっぱいになるの? 」。疑問は、出てくるでしょ

「兄の夢」を一緒に叶える。29歳で大企業のキャリアを捨て、起業の道へ

※今回は、サラダ弟こと、武文謙太の視点でWithGreenを語ります。 -------------------------------------------------- イタリア料理店に来て、前菜のサラダが運ばれてきました。フレッシュなリーフの上に、様々なトッピングが乗っていて、自家製ドレッシングをかけて食べてみます。 (このドレッシングは、玉ねぎのほかに人参、りんご、にんにく……。隠し味はアンチョビかな。ドレッシングにアンチョビ!? 面白い!) ひと口、ふた口と

「どっちが楽しいかで決めなさい」 兄弟起業支える『宇宙兄弟』のセリフ

「頭で考えなきゃいいのよ。あなたのことならあなたの胸が知っているもんよ。『どっちが楽しいか』で決めなさい」 『宇宙兄弟』での、主人公の第2の母・シャロンのセリフです。思い悩む少年時代の六太に、自分の心に従いなさい。シャロンは、そう前向きなアドバイスをしました。 『宇宙兄弟』の中で、私がもっとも好きなセリフです。私たち兄弟も、選択に迷ったときは、ワクワクするほうにいくと決めています。 WithGreenの共同創業者である弟は、4歳下で謙太といいます。2人で一緒に2016年