先日、岡山シネマクレールで黒沢清監督の『蛇の道』という映画を観てきまして、作品自体の感想は以下の私のFilmarksに投稿してあります。
このnoteで取り上げたいのは映画の英語タイトルでして、"Serpent's Path"となっています。 道はpathで良いとして、ここでの「蛇」はsnakeじゃなくて、serpentなんだ?と。そういえばviperという単語もあるよな。なんとなく使い分けがあるのはわかるけど、その違いは何なんだろう?
そこでまずは定義をChatGPTに訊いてみました。
「serpent」「snake」「viper」の違いについて説明します。 1. Snake(スネーク): • 「snake」は一般的に「ヘビ」を指す言葉です。すべてのヘビを包括する広い意味を持ちます。 • 学術的にも日常的にも使われる用語で、特定の種類やグループに限定されません。 2. Serpent(サーペント): • 「serpent」は「snake」と同様に「ヘビ」を指しますが、より文学的または古風な表現です。 • 神話、伝説、宗教的な文脈で使われることが多く、特に悪や知恵を象徴することが多いです。 3. Viper(ヴァイパー): • 「viper」は特定のヘビのグループを指す言葉です。英語では「クサリヘビ科(Viperidae)」に属するヘビを指します。 • これらのヘビは一般的に毒を持ち、特有の三角形の頭部と牙を持つことが特徴です。 まとめると、「snake」はすべてのヘビを指す一般的な用語、「serpent」はより文学的な表現、「viper」は特定の毒ヘビのグループを指す専門的な用語です。
なるほど、snakeが蛇全般の総称、serpentがその文学的表現、viperは毒蛇を表すと。さらに手元の英英辞典を引いてみると、serpentには特に大蛇というニュアンスもあると。そういえば、"Alice's Adventures in Wonderland"(1865)では巨大化したアリスに鳩がSerpent!と叫ぶ場面があったなあ。
さらにGoogle Ngram Viewerで使用頻度の歴史的変遷をたどってみると、
確かに、19世紀はserpentが主流で、それが20世紀以降、徐々に使用頻度が逆転していき現在に至ると。
映画『蛇の道』が"Serpenr's Path"なのはそういった荘重な文学的印象を意識してのことなのかな。一方で、日本の芥川賞文学作品の『蛇にピアス』は"Snakes and Earrings"であり、『蛇を踏む』も"Tread on a Snake"なのは興味深いところ。
最後に、これらsnake, serpentそしてviperを含む慣用表現をChatGPTに紹介してもらいましょう!
それぞれの単語を使ったことわざや慣用表現について紹介します。 1. Snake: • Snake in the grass: • 意味: 見えない敵、裏切り者。 • 例文: “Be careful of him; he’s a snake in the grass.” • Snake oil: • 意味: 偽薬、効かない治療法。 • 例文: “That new diet pill is just snake oil.” 2. Serpent: • The serpent in the garden: • 意味: 親しい間での裏切り者、信頼を裏切る者。 • 例文: “She was the serpent in the garden, betraying their trust.” • Serpent’s tongue: • 意味: 毒舌、悪意のある言葉を話す人。 • 例文: “He’s known for his serpent’s tongue, always speaking ill of others.” 3. Viper: • Nest of vipers: • 意味: 危険な人々や悪意の集まり。 • 例文: “The political scene is a nest of vipers, full of deceit and betrayal.” • Viper in one’s bosom: • 意味: 親切にして裏切られること、恩を仇で返されること。 • 例文: “By helping him, she unknowingly nurtured a viper in her bosom.” これらの表現は、それぞれの単語が持つ象徴的な意味を反映しており、比喩的に使われることが多いです。
ふーむ、snakeはgrassにいて、serpentはgardenにいるというのは面白いですね。これはおそらく蛇が登場する旧約聖書:創世記の「エデンの園」が、'Garden of Eden'なのと関係ありそうですね。