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福祉経営に携わる上で心に刻んでいる事

今僕は小さなNPOで法人運営に携わりながら、制度事業や制度外事業を自分の事業部門の中でこじんまりと展開しています。
そして並行して自分でオンラインコミュニティを運営しながら、福祉業がもっと面白くなればいいな、と思って活動をしています。
 
 
自分なりに福祉の経営、というものの在り方は模索しているんですが、そもそも経営をするということって一体なんなんだろう、ということを考えるんです。
なので今日は自分なりの福祉経営への向き合い方について、自分の整理の意味も込めて書こうと思います。
  
 
 
僕は制度事業と制度外事業の両方を行なっています。
理由はシンプルで、ひとつは「福祉制度では対象者の方の生きづらさや支援自体を網羅しきれていないから」で、もうひとつは「制度事業だけでは自分達の理念や叶えたいものには近づけないから」です。
  
 
株式会社であろうとNPOであろうと社会福祉法人であろうと、自分達の活動が継続できないと叶えたいものはそもそも叶えられません。
ましてや僕らのような業態だと必ずそこに利用者さんがいてスタッフがいて、彼らはサービスを利用したりここで働くことで生計を立てていますから、実は法人格がなんであれ経営運営を回していかないといけないことに違いはありません。
 
 
ということは叶えたいものにどうやって向き合うのか、ですが、経営というとどうしても「お金」や数字と向き合わないといけません。
そして僕らは常にそのお金に振り回されるので、「経営=お金」という頭になりがちだったりもします。
 
 
じゃあお金を稼ぐために経営をしているのか、というとそうじゃないはずなんです。
そうじゃないはずだけど、「自分達の活動を継続するためには必要」なんです。
でも、経営(お金)のための経営、つまり売り上げを作る、利益を残す「ために」何をするか、の思考になってしまうと本末転倒もいいところです。
 

僕にとっては、福祉の経営って、自分達が提供したい、信じている「価値ある活動」をどういうカタチでマネタイズまで繋げていくかを考え議論して作り上げていくのか、が核で、このための思考や議論や試行実践を繰り返すプロセスなんだと捉えています。
 
 
綺麗事かもしれませんが、ただ数字の上だけの見積もりや数字の上だけの結果を元にその帳尻合わせをするためにどうするか、に奔走することを自分にとっての「経営」にしたくありません。
 
 
 
 
僕にとっての福祉経営が「思考や議論や試行実践を繰り返すプロセス」だと定義すると、考えておかないといけないことが二つあります。
 
 
ひとつは、自分が分かる事、出来る事の範囲なんかたかが知れてる、「自分が分かっていないことは何か」をまず知る事。
 
 
そしてもうひとつは、改善・対応のスピード。
打ち手を「何かあった時に考える」んじゃなくて、何歩前までに打ち手を準備しておけるか、という事です。
 
 
 
そもそも僕も福祉の経営を最初から勉強していたわけでもないし、事業所運営を経験する中で学びながらやってきました。
毎週毎月のように壁にぶち当たりながら課題を乗り越えていくわけですが、段々気づいたんです。
 
 
自分が今までに分かっている、出来る事がどれほどあるか。むしろ知らないことの方が多いし分かっていない事の方が多いのに、分かっていないことが何なのかが分からないのに、そこには手をつけず自分が今分かっている事、出来ることだけで物事を何とかしようとすること自体に無理があるんです。
 
 
自分に何が出来るか、とか何を分かっているかなんて実はすごくちっぽけなことで、むしろ大事なのはどれだけ「自分が分かっていないことが何か」に目を向けて普段からそこを知ろうとしているか、なんです。
 
 
これは「改善・対応のスピード」の課題にもかかってくるんですが、経営は人の人生と同じでどんなに事前に見積もっていてもどうなるかなんてそもそもが分からないものです。
そんな中で何の引き出しも増やさずに自分の分かることと出来る事の範囲だけでそれを見越していけると思うのは結構危ないことなんです。
未知の事態が起きた時点で手詰まりになってしまうからです。
 
 
自分達の価値をマネタイズするための思考・議論・試行・実践だからこそ、分からないこと、知らないことの連続に日々向き合わないといけないのが僕の日々の過ごし方なので、何かが起きた時に手詰まりにならないように常にアクションに対してはその先に何が起きうるかを見越して3歩前にはどう転んでも打ち手が用意できてなきゃ、博打と同じになってしまいます。
 
 
何か起きた時にはその瞬間に見越して準備していた打ち手が秒速で講じられるサイクルを作らないと「お金」に追われたり問題に追われて本来の経営に向き合えなくなるんです。 
 
 
 
僕なりの福祉経営は、目の前の事象を「起きてから打ち手を講じない」。先を見越して3歩以上前から打ち手がある状態を何事に対しても取っておけるサイクルを作ることがめちゃくちゃ大事で、そのためには自分が分かってない事や知らない事は何かを知って、日々それを埋めていく事をしていくことが僕の仕事なんだろうな、と思います。
 
 
その上で、経営のための経営をするんじゃなくて、ただの数字を作るんじゃなくて、自分達の価値をどうやってマネタイズするのか、のプロセスづくりを議論して積み上げていくことなんだと思って取り組んでいます。
 
 
 
もしどなたかの参考になれば幸いです。

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