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可能性を繋げるためのマネタイズ

昨日、僕なりの福祉経営に対しての考えについて書かせていただきました。
ちょっと区切りも良かったので、というか全部書くとあまりの長文になるので、マネタイズについての課題への話には触れなかったので、今日書こうと思います。
 
 
 
 
まず前提として、僕にとってのマネタイズの課題は、端的に言うと「制度報酬からの解放」です。
そして、今の社会の資金調達の概念や仕組みを学んで取り入れることです。
 
 
全てがそうではありませんが、少なくとも僕が今まで所属してきた介護分野、そして障害福祉分野は、社会保障制度の整備がしっかり組み立てられている分、基本的には制度報酬がマネタイズの中心、というかほぼ一本柱として回っているところがほとんどなんじゃないかと認識しています。
 
 
もちろんその背景には高齢者にしても障害者にしても、当事者の支払い能力と実際に支援にかかる費用との折り合いにより、必要な支援が受けられないということが起きてはならないから保障として国が負担している、という事があるのはよく分かっているつもりです。
 
 
つまりそれだけ支援をマネタイズするという事は簡単なことではない、という事だとも思っています。
 
 
制度報酬をうまく運用しながら支援のサービスを展開している事業者さんもたくさんあるので、そこについてのノウハウもきっとあるんだと思います。そういう福祉経営ももちろん学んで行かなきゃいけない事だとも思っているので、全くそれを否定するつもりはありません。
 
 
僕が考えたいのはそこではなく、制度報酬にどうしても依存せざるを得ないという概念を変えたいな、という思いがあり、それをどうやって構築していくか、という課題意識を感じている、という意味なんです。
 
 
制度改正があるたびに経営のスタイルの立て直しや修正を迫られる、というある種のリスクや、それによって自分達のビジョンまで方向転換させられる事がどうなんだろうな、という思いはずっと今まで所属していた法人などで繰り返し考えさせられてきました。
 
 
そして昨日の話の続きみたいですが、制度報酬ありきになれば当然制度の枠の中でしか動けなくなります。それが必要な支援を生み出すことのボトルネックになるとしたらそれこそ福祉としては本末転倒だな、と思うんです。
要はマネタイズできない支援のカタチは生み出せない、を当事者や家族にどうやって納得させられるんだっていう話です。
 
 
あとこれは僕のものすごく個人的な意地のような思いですが、イヤなんです。制度報酬をもらうために仕事しているみたいで、サラリーみたいで。
利用者さんや生きづらさを持たれている方のために支援をしているのに、そのルールも舵も現場に一番近いところにいる自分達以外の人が握っているようで、どうしても違和感があるんです。
 
 
最後に、マネタイズの手法が多ければ多いほど僕らは自分達の事業運営の際の選択肢が増えます。
制度報酬の1本柱ではなく、持っている引き出しが多ければ多いほど僕らはいろんなことにチャレンジできる、ということになると考えるからです。
 
 
 
昨日の記事でも書いた僕の経営の基本姿勢ですが、僕は目の前にいるたった1人の生きづらさから事業を考えて組み立てていきます。
当然その支援は必ずしも既存の福祉制度に乗らないものが多く、制約されればされるほど本来の価値を失う支援が多いです。
 
 
マネタイズの手段がないから諦めるなんて死んでもしたくないし、報酬はもらえども制約がどうしても必要な制度事業に寄せることで結局必要な支援ではない「まぁ仕方ないじゃん」と妥協しなきゃいけない支援なら本末転倒です。
 
 
つまりお金の問題で自分の掲げている経営の信念を曲げるのはどう考えても違うので、だったら福祉経営におけるマネタイズの引き出しを増やすことに取り組む方が重要だな、という結論です。
 
 
 
そうなると、あとはその方法論をどうするかという事になるんですが、僕ら福祉業が独自に持ち合わせている手段はそれこそ「社会保障費(制度報酬)」と、あとは助成金、そして多くのNPOが実践している寄付、というものがメインだと認識しています。
 
 
それに加えて一般的な方法から転用できそうなのは、いわゆる「直接課金」やようやく昨年くらいから一般認知が上がってきたクラウドファンディング、オンラインサロンのようなものもひとつのマネタイズかも知れません。
 
 
 
制度報酬でしか経営してはいけないルールがあるわけじゃありませんし、寄付と助成金のみでやりくりしなきゃいけない縛りもありません。マネタイズの方法なんて一般社会の中を見渡せばいろんな考え方や方法論が転がっています。
 
 
なんとなく出来上がってしまっている「当事者からお金を頂戴することは難しい(できない)んだから、他にお金の出どころなんてないじゃん」のマインドを生む根源的な方程式になって、そこから思考が停止してしまってたら僕らの選択肢は絶対に増えません。
制度のスキマはなかなか埋めれませんし、福祉の経営の自由度も下がります。
 
 
いろいろな方法論の組み合わせや掛け合わせをしていく事や、自分達が価値として対価を得られるものを見直すことで制度報酬だけじゃないマネタイズの方法は考えられなくはないと思うんです。
 
 
 
ただ単純に資金調達のノウハウを勉強しなきゃ、というような話ではなく、稼ぎ方を身に付けろという話でもなく、僕ら福祉自体が選択肢をもっと増やしていくことが、次の時代の福祉に繋がる可能性になるんじゃないか、と思うのでこの課題に向き合いたいんです。
 
 
採算とかお金の問題が社会課題の解決に踏み出していく上で一番大きな障害になってしまい、それが理由で福祉という分野が必要にも関わらず、価値があるにも関わらず、何となく誰も打を出さない分野になるんじゃ悲しいな、と思います。
 
 
出来るなら自分達の支援や、社会課題の解決に向かう活動そのものをマネタイズする術を増やしていくことで、それが選択肢となって次の可能性に繋げられるようになれば、もっと福祉は面白くなるじゃないですか。
 
 
そんな事を考えながら、制度外事業のマネタイズにも向き合っています。
まだこれ!と力強く言えるほどの成果は出せていませんが、少なくとも手掛け始めることはいくつか出来ています。
それが福祉経営の新しい選択肢になれば、と思います。
 
 
なんか具体性のない話を書いてしまいましたが、もし興味がある方がいらっしゃったらまた書くなりなんなりのアウトプットをしたいと思います。
 

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