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「作りたい曲」と「作れる曲」のはざまで…たどり着いた当たり前の結論

アレンジという障壁

「重音テト」を買って軽い気持ちでボカロDTMを始めたら、どんどん追い詰められ、追い詰められるたびに逃げる隙間を探し、さらにまた追い詰められ、を繰り返しています。

次々訪れる困難の中で、毎度巨大な障壁となるのが、アレンジです。
弾いたことない楽器をどうやってプログラムするの?

悩みつつ試行錯誤した末に気が付いた、当たり前の結論について書いてみたいです。


作りたい曲

そもそも、「重音テト」を使っているくせに、いわゆる「ボカロっぽいものを作ろう」として、DTMを始めたのではありませんでした。では何を作ろうとしたのか。

私はいままで洋物のロックとかソウルを主に聴いてきました。なので必然的にそういうアレンジが脳内では浮かんできました。バンドアレンジに重音テトの歌を埋め込んでみようと考えていました。

最初の躓き

そこで、さっそくリズムとコードバッキングを録ろうとオーディオインターフェースにベースとギターをつないで演奏をしてみたのですが、ヘッドホンを通して聞こえてきた自分の演奏を聴いて愕然(唖然)としました。

「なんだこのどへたな演奏は」

DAWにはさまざまな補正機能が備わっているのですが、それにしたって下手すぎる自分の演奏能力には絶望するしかありませんでした。
俺はいままで何をやってきたんだ…。
音の粒はバラバラだしリズムキープはダメだし、シールドが安物のせいか雑音も…etc

そこで、補正するくらいだったら「最初から打ち込んでしまおう」と考えました。つまり、あっさりとプレイヤーとしての誇りを放棄したのでした。

演奏できない=オール打ち込み での再スタートに

2番目の躓き

気を取り直してDAW(Studio One)をいじっていた私は、すぐに次の躓きに襲われました。
「思いついた楽器の演奏を具現化するスキルがまったくない」

つまり楽器を放棄したからといって、何かが解決するわけではないのでした。PCから音は出ますが、簡単に演奏を作れるわけではありません。

そもそも、バンドサウンドのアレンジをやろうにも、ドラム、ベース、ギター、キーボードなど、それぞれの楽器の演奏をプログラムしアンサンブルを作らなければならない訳で、そんなことはやったこともやろうとしたこともないのでした。自分の担当だったベースひとつまともに弾けないのに。
いったいどうすればいいの。

かなり落ち込みましたが、自問自答の末、勉強しつつ、まずはリズムを作るところから始めました。

いままで聴いてきた曲のリズムを耳コピで聴き直したり時には楽譜を見たりしながらドラムパターンを研究していくと、そのうちにそれっぽいものができました。

そこにギターやシンセなどを四苦八苦して重ね、頑張って仕上げてみました。土台(リズム)さえしっかりしていれば、うわものは一応何とかなるのでした。…が、どうもしっくりきません。

結論(パラダイムシフト?)

そんな風に再び悩んでいるときに気づいたのが、
「別にバンドにこだわる必要はないのでは?」

という当たり前のことでした。

せっかくPCで音楽をやっているのであれば、現実の生バンドでできないことをやってもいいのでは?(というかむしろやるべきでは)

最初から気づけばよかったのですが、愚かな私にはそのようなスマートさはありませんでした。

現実の楽器では弾きこなせないようなBPMだったり、目まぐるしい転調だったり、または普通のドラムキットでは叩けないようなリズムを刻んだり、
と機械ならではのアレンジで曲を紡いでいく。

…あれ? つまりこれって、ボカロの曲作りの方法論ですよね。

そんなわけで、現在は演奏を前提としない曲を作ってみようとDAWをいじっています。
私も知らずのうちにボカロ文化に少しずつ染まっているのでした。


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