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技術書典10の英語本 表紙の思考&裏話

 サークル「ゐろはカルタ」の @wiroha です。技術書典10にて「ITエンジニア英会話例文集&便利ツール集」を頒布しています!本文だけでなく表紙も色々考えながら描いたので、その思考&裏話を紹介します。

 今回完成できるか不明だったため、表紙のデザイン依頼はしていませんでした。実際初稿を書き上げたのが開催中である大晦日、英語の監修を待ちながら元日に表紙を描き始めました。頒布できるかギリギリです!無事描き上げた表紙がこちら。

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 使ったツールはCLIP STUDIO PAINT。操作に慣れておらず、直線の引き方をググったり、マスクのかけ方もわからない状態で書き上げたのは上出来です。以前のAndroid本は操作が簡単なProcreateで描きましたが途中でレイヤーが足りなくなったため賭けに出ました。

 ゼロから描き始めると間に合わないので、過去の練習イラストを転用しました。英会話本ですから、本来なら人が向かい合って話している絵がわかりやすいです。ただ一番使えそうな練習絵はPCを打っている姿。ここでリモート会議という設定に決めました。↓練習絵

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 リモート感&エンジニア感を出すため、マイクとヘッドホンを足しました。これは私の所持品がモデルです。(マイク:SAMSON / Q2U オーディオインターフェイス内蔵 USBマイク、ヘッドホン:SONY / WH-1000XM4

 色塗り中にマイクの重心がずれていると気付いたもののそのままです。この状態だとヘッド側が下に落ちてしまうはずですね…あとマイクのヘッドの柄の描き方マジでわからなかったです。点々の筆でなんとか描きました。

裏話_マイク

 会話を示すためにはもう1人必要です。構図上PCに映っている姿を描けないため、空きスペースにイメージとして描きました。ふんわり浮かび上がる描写は、今回の紅白歌合戦のオープニング歌手紹介を参考にしました。↓この動画で見れます。今見るとそんな似てない。

 出典申込み時の案では、漫画形式で2人目の人が主人公に教える内容にしたかったのですが、漫画描いたことないし全然無理でした。主人公の髪型がくるくるなのは趣味です。ふわふわヘアに憧れます。甘々と稲妻のつむぎちゃんを参考にしました。

 ジェンダーフリーで性別不明にしたくてショートヘアですが、体にフィットした服装のため体型から女性であることは明らかですね。性別不明にしたい理由は「男性が女性に教える」という典型的イメージを壊したかったからです。女性の活躍を願っています。(筆者は女性です)

 2人目の設定には悩みました。金髪碧眼という典型的イメージを外したかったのですが、マーケティング視点ではグローバル感を出したい。かといって極端に肌の色を変えるのも、人種を感じさせない日本のアニメに見慣れた人達からすると馴染みにくいです。

裏話_2人目

 髪をピンクや青など現実離れした色にし、人種を意識させない手もありました。しかし本文が「日常・リアル」を目指しておりコンセプトとずれてきます。調べたところ金髪に染める文化は海外でもあるようなので、地毛とは限らない金髪にしました。瞳の色はわからないよう、にっこりさせました。

 ヘアスタイルは主人公と差をつけるため前髪なしストレートです。某友人をモデルに考えました。現実にはよくいるのにアニメキャラにはあまりいない髪型ですね。映えないからでしょうか。男性よりリアルな髪型に詳しい(だろう)強みを生かす選択でもあります。

 2人目もヘッドホン&マイクだとガチすぎるのでAirPods利用という設定で何も描かないつもりでしたが、やはり何か見えた方がわかりやすいと気付きます。そこで職場の人がよく使っているイヤホンマイクを足しました。

 猫ちゃんを描いたのは単純にかわいい小ネタと、家であることを示しリモート感を出すのが目的です。マイク・ヘッドホンマークもリモート感を出すため足しました。

 フォントは「いすい」です。超安セールの際に購入しました。本文は真面目、表紙絵はゆるめのため、バランスのとれたフォント選びは迷いました。適度で良いものの遠目だと少々読みづらく、フォントは難しいですね。

裏話_フォント

 コピーの「英会話に自信がないあなたへ」は、ターゲットを明示しています。話せる人が読んでガッカリしてしまうと残念なので。「出来ない」「苦手」などネガティブなワードは避け、まろやかにしました。

 全体周囲の枠は、紙本を出すならつけない方が良いです。印刷時のずれがもろに出るからです。今回は電子版のみのため目立つようつけましたが、本文とのマージの際にずれや余白で苦労したのでやはりない方がいいですね…

 背景は迷いつつも潔く白!もうこれ以上バランスとか見やすさとか考えられない!表紙描くのまだ3回目だし十分頑張った!1月2日に描き終わり、監修を反映した本文とマージして無事頒布へと至りました。↓改めて、完成絵

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 クオリティ面ではデザイナーに及ばないことは重々承知です。ただ自分で描くとコンセプトとの合致や、ダイバーシティ&インクルージョンへの自分の思いの反映ができると気付きました。誰もそんな深く考えて見てないのも承知で、せっかくなので記事にしました。

 本文も頑張ったし監修いただいたので自信作です!監修者より「本当によく使う表現が載っていて、仕事のことを思い出しました」とコメントいただきました。大晦日~元日に大変申し訳ない…!!

 既に好評の声をいただいている「ITエンジニア英会話例文集&便利ツール集」、ぜひ紹介ページをちらっと見ていただき、500円という手軽な価格なので興味を持ったら購入していただけると嬉しいです!!


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