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単一疾患として理解が困難な心房細動

 過去に心房細動について、コメディカル向けの内容で述べたことがあります。

 心房細動には「切り口」によっていろいろと種類があります。

  ですが、同じ「心房細動」でありながら「患者によって病像があまりにも異なり『過ぎ』る」ため、「心房細動」という単一疾患として理解するのが困難になったと思います。

  そこで、「○○○な心房細動」のように、病態別の対応を考える必要性に迫られているなと感じていました。

患者と病態によって勧める治療すら異なる

 実際に、患者さんに治療法について説明するにしても、「あの人にはあの治療を勧めた」のに、「この人には勧めない」ということが普通に起こっています。つまり、心房細動は「患者さん次第」で管理の仕方にかなりオプションがあります。

 早期に無症候で発見されたガンと、すでに転移が複数見られる末期ガンとでは治療法が異なるのに似ているかもしれません(「がん」は一般読者向けにカタカナにしています)。

では、どんなパターンがあるか?

・初発でERに動悸を主訴に受診した「発作性心房細動」
 ※ だいたい24時間以内に自然停止しますね。
 ※ Ic(サンリズム)を使うことも。

・最近、発作の頻度が増えた「症候性発作性心房細動」
 ※ 進行しつつある発作性心房細動ですね。
 ※ 症状があるので「なんとかしてほしい」と言われるタイプ。
 ※ そろそろアブレーションかなあ、という感じ。

・無症候のため、健診の心電図でたまたま捉えられた心房細動
 ※ あれ、この心房細動っていつからなんだろう?
 ※ 患者さんも、自覚症状がないから気づいていないことも。

・心不全でERを受診し、同時に認めていた頻脈性心房細動
 ※ 無症候の頻脈性心房細動が原因の心不全かも。
 ※ 心不全が落ち着くと自然とレートも落ち着くことも。
 ※ 心房細動が先か?心不全が先か?最初は分からないケースですね。

・最近、労作時の息切れが強いと受診した患者に認めていた心房細動
 ※ 息切れ」こそが心房細動の唯一の症状かも。
 ※ 患者さんも気づいていたけど「歳のせい」と思っていたパターン。

・ほか、多数

・・・・

と挙げだすとキリがありませんね。そういった、「○○○な心房細動」のように分類して、わかりやすく、実践的に教えてくれる本が、最近見つかりました!

 本当に著書をたくさん拝読させていただいている。山下先生の最新著書です。ご自身で「また心房細動の本か」とみずからつっこんでいらっしゃるところに、親しみがわいてしまいます。内容について細かい感想はまた後日、、、というわけで、久しぶりに自信を持って勧められる本に出会いましたので、シェアです。




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