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研修医の日常の疑問を解消するためのマガジン

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病院の後輩研修医達に向けて、有用記事をまとめています。 「研修医一年目の、辛かったあの頃」 右も左も分からないまま、難解な医学書を買い漁るものの、 「研修が忙しすぎて読んでい… もっと読む
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2021年7月の記事一覧

不整脈の種類と重症度スペクトラム④

前回はスペクトラムの狭い2大疾患 スペクトラムの狭い2大疾患として、VFとPSVTを挙げました。この2疾患に「症状のスペクトラムが狭い」という共通点があったとは。そういう発想はなかったという方は多いでしょう。 今回はスペクトラムの広い2大疾患  今日のテーマは、スペクトラムが広いのに「頻度も」多い、AFとAFLです。これら2疾患は本当に多様な症候をきたし、病態も多様なので我々循環器の医師も日々苦労しているところです(なのに、頻度も多い)。まずは参考になる過去の記事を貼って

不整脈の種類と重症度スペクトラム③ 〜スペクトラムの狭い不整脈2種類〜

 前回までで、「おおまかな不整脈の分類」と、「それらが取りうる重症度のスペクトラム(幅)について説明してきました。  今日は個別具体について説明していきましょう。 図表の再確認 スペクトラムの狭い不整脈 もっとも重症度スペクトラムが狭い(疾患別の「色」枠が小さい)のはどれでしょうか? VF(心室細動) 左上を見てください。これは医療従事者みなさん、意義がないでしょう。VF(心室細動)という不整脈は、全例が「心肺停止」だからですね。モニターでVFをみたら確実にその患者は