初めてワインを味わった日
初めまして。
最初の記事って何を書けば良いのか難しいですが、まずは自己紹介からいきます。
ひっぽと申します。
幼少期を海外で過ごし、中学からずっと日本です。
(地獄の中学受験の話はまた今度します)
中高一貫を卒業し、東大の理学部物理学科に進学して物理の勉強に明け暮れておりました。
そのまま大学院に進学し、院を卒業した後は外資系の戦略コンサルティングファームに就職。
地獄の2年半を過ごし、PEファンドへ。比較的緩い働き方をしながら(社内で僕だけです)2年が経った頃、独立しました。
独立後の今は実力も人間性も心から信頼している友人と、ファンドを立ち上げに向けて日本中を走り回っております。
趣味はサッカー観戦、サウナ、ワインです。
特にワインを飲まない日はなく、日々稼いでるお金のほとんどはワインに消えております。ほとんど全ての食事にワインを合わせているので、年間1,000本のワインを飲んでおります。Twitterでは最近まで、100日間ワインを飲み続ける企画をしておりました。その企画で飲んだワインや感想はまた後日。
そんな僕ですが、どうぞよろしくお願い致します。
初回の今日はそんな僕が初めてワインを味わった日について語ろうと思います。
僕は大学生前半はほとんどビールしか飲んでいませんでした。ラッパ飲みがいかに早くできるかを競い合って、クラス毎にいる東大のコンパ長の中の長、コンパ長長をやっていました。(飲み会をするだけで、具体的な活動は無しです)
大学生後半になり、物理学科に進学してからも飲み会にホワイトボードが追加されただけで、飲んでるものはビールや日本酒でした。
大学院に入るとウィスキーにどハマり。色々なバーに行ってバーテンダーからウィスキーの話を聞きながら飲むのが好きでした。調子に乗ってスコットランドまで行くくらい好きでした。が、飲み方はロック......。今思い出すと恥ずかしくて死にそうです。
前置きが長くなりましたが、僕がワインに出会ったのは社会人になってからです。それまでもちょくちょくワインは飲んでいたのですが、スパークリングワインは「シュワシュワする汁」赤ワインは「ちょっと苦い汁」白ワインは「なぜかぶどう以外のフルーツの匂いがする汁」くらいにしか思っておりませんでした。
そんな枯渇したワインライフを過ごしていた中、ちょっと脱線しますが、三軒茶屋のカジュアルフレンチで飲んだNORA PORNというワインは衝撃でした。
こちらは北海道のナチュールワインなのですが、この時は「こんな美味い飲み物は飲んだ事ねぇ!!!」と感動しました。が、この日の事は酔っ払って最近まで忘れていたので、ちゃんと心に残る素晴らしいワインを味わったのは社会人です。
ちなみにこのワインは今では全く手に入らない幻のワインです。ノラポンを見つけた方がいらっしゃれば、どこまででも駆けつけるので一緒に飲みましょう。
さて、初めてワインを味わったその日の事は今でも忘れられません。
新卒でコンサルティングファームに入った僕は、1-3ヶ月毎日死ぬ程働いてその後1ヶ月休む、みたいな働き方をしておりました。平日はずっと金曜日が来るまで血尿を垂れ流してながら仕事をして、金曜日はひたすら飲み会、土曜日は一日寝ていて、日曜は仕事してました。
そんな生活の中、運命の日が訪れます。
金曜日の夜、全てを出し切った僕はいつものように友人と飲み会をしておりました。テキーラとレッドブルウォッカをひとしきり飲んだ後、酔っぱらった友人に無理矢理タクシーに押し込まれ、西麻布のとあるワインバーに連れて行かれました。ベロベロでしたし、その時はワインもそこまで好きではなかったので、正直かなり嫌でした。ちょっとむすっとしたまま角のテーブル席に案内され、ソムリエから一言
「何飲まれますか?」
その時でした。酔っぱらった僕の頭にはある言葉が浮かんできます。それはパートナーに無理矢理読まされた神の雫で得た知識。勇気を振り絞って注文します。
「5大シャトーください」
アホですね。思い出すと恥ずかしすぎてクヴェヴリがあったら入りたいです。
でもそこは西麻布のソムリエ、バッチリ素晴らしいワインを持ってきてくれました。それがこの「シャトームートンロートシルト1994」
誰もが知っているムートンの1994です。ラベルをオランダの画家が書いているヴィンテージです。「まるでボトルの中に閉じ込められているワインの精を解き放たんと、トーテム像さながらのボトルの周りで激しく踊るふたりの飲み手が描かれている」らしいです。世界には僕が昔ハマっていた日本酒ルーレットをワインでやってる人もいるようです。
さてソムリエのテイスティングが終わり、このワインを一口飲んだ時に僕の今までの人生が終わりました。
うますぎる!!!!
何が美味しいのか分かりませんでし、その美味しさを表現する術もこのときは無かったのですが、とにかく衝撃的でした。
この衝撃で完全に酔いが覚めた僕は、ソムリエに聞きまくりました。
この美味しさをどう表現して良いのかがどうしても気になったからです。
苔、キノコ、タバコ、ブラックチェリー...
どれを言われても確かにその香りがします。
飲んで美味しいし、ワインについて教えてもらうと知的探究心が満たされて楽しい、これがそのとき強い感情として今でも残っております。その日は神の雫の電子版を一気に買い、寝落ちするまで読み続けていました。
それ以来、果てしないワインの世界が僕の生きる世界となりました。
初回からちょっと長くなってしまいましたが、これが僕がワインにハマったきっかけです。
1:まずは飲み物として美味しい(味覚)
2:様々な香りが楽しめる(嗅覚)
3:産地・畑・品種・作り手・ヴィンテージなど様々な要素が1,2に影響を与えていて、その関係を探るのが楽しい(知的好奇心)
これがワインの魅力だと今でも思っております。
まだワインが好きではない人も、ちょっと特別な日に素晴らしいワインを味わって見て、僕と同じ衝撃を味わってみてください。
きっと世界が変わると思います。
では本日はここで。
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