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『走れウサギ』ジョン・アップダイク

アメリカの作家ジョン・アップダイクは、中産階級の一般の人々の生活を中心に描いています。『走れウサギ』はウサギと呼ばれるハリー・アングストロームを主人公としたウサギ4部作の第1部です。『帰ってきたウサギ』『金持になったウサギ』『さようならウサギ』と続いていき、アップダイクの代表作となっています。

ちなみに、『ノルウェイの森』で主人公のワタナベくんは、ジョン・アップダイクの代表作『ケンタウロス』を十八歳の歳の僕にとって最高の書物だったと語っています。

『走れウサギ』では、ウサギは、妻と子供との生活を捨て、新しい恋人との暮らしを手にしようかどうかで心が揺れます。一般常識から見ると、ウサギはダメな大人で、周囲の人間の言葉や出来事によって、気持ちがあっちこっちに行って不安定です。けれども、その不安定さみたいなものが人間らしくて、ウサギに共感してしまうところがあります。

『帰ってきたウサギ』以降で彼がどのようになっていくのかが楽しみです。




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