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ニンジャスレイヤーをAoMシリーズから読む/S4_9「ヴェルヴェット・ソニック」(前)

こんばんは、AoMシリーズから出戻りしました望月もなかです。
昨年末に老猫を亡くして一年弱。ひょんなことからまたもや猫を迎えることになりました。数年ぶりに言葉の通じない年齢の子どもを一から育てているみたいな生活が急に降って湧いたので、癒されながらも疲弊しています。

前回の感想はこちら。

【前提】望月のニンジャスレイヤー知識

・書籍第一部を3巻まで(中断)
 →6年経過(ほとんど内容を忘れる)
 →『スズメバチの黄色』読了
 →AoMシーズン1〜3読了+後、PLUS加入
 →AoMシーズン4実況+旧三部物理書籍6巻(今ここ)

◇◇◇

今回のエピソードはこちらです。

シーズン4-4:「ヴェルヴェット・ソニック」(前)

戦はニンジャスレイヤーの勝利に終わった。だが、日が傾いてもニンジャスレイヤーは音信不通のまま……訝しむタキの前に、火急の報せを携えたナンシーが現れた。カリュドーンは無慈悲にも二晩続けての連戦を決定したというのだ。第三の狩人はニューロン攻撃のニンジャ・サロウ。タキが、コトブキが、ナンシーが、ニンジャスレイヤーの窮地を救うため、ニューロンの罠をすり抜け奔走する!

 ♯1

狩人たちの屋上実況定期。
アヴァリスさん何か知ってそうな雰囲気ですね。

「主、か」アヴァリスは目を細めた。「首輪のついたお前らのありさまは滑稽だ。目隠しをされたままついて行くばかりよ」

儀式の目的が「ダークカラテエンパイアの摂政の座」ではなさそう、ということはこれまでも示唆されてきましたが、ここまではっきり指摘されるとは。第4話になって、少しずつ謎が明かされてきましたね。

アヴァリスはヴァイン/クロヤギ・ニンジャ配下の狩人と思われますが、シーズン4を読み返してみると、ヴァインって石板リモート会議中も発言せずに静観してることが多いんです。(というかあの会議、オモイちゃんとケイトーがペラペラ喋りアイアンコブラ総帥がメイヘム大好き芸で締める流れが定番化しているから…ハイ) キャラ立てばっちりのオモイちゃんと比べて、ここまできてもヴァインがどんな性格のニンジャなのかよくわからない。というか敢えて描写されていないのでしょうか。

「首輪のついたお前ら」という物言いも気になります。黒山羊組は主従関係ではない……ということ? このコンビ、状況をひっくり返す伏兵のような気がしてなりません。ヴァインの支配領域(オクダスカヤ社)がワラキアの隣国である点も、ちょっと引っ掛かっているんですよね。これはさすがに考えすぎかもですが。

陶片に刻まれし名は、メイ0100101001刻まれし名は、サロウであった。

ズルじゃん!!

カリュドーンの運営が今日もガバガバだしお問い合わせ窓口のブラックティアーズさんはお茶を濁して炎上放置のありさまよ。嫌だよこんなゲーム。ちょっとちょっとロンドン塔の第三者委員会!ケイムショさん! 仕事して! 

「皆様方もどうか、この程度の規定違反は寛大に見てやっておくれでないか。ケイムショ=サンはこれにて参加権を失ったのであるからして、以後はオブザーバーとして、不正排除の目を光らせていただこうではないか」
(S4『インターミッションA』より)

って話になってたでしょ! オブザーバー! 仕事して!!!

サロウさん、ジツも性格も底知れなくてすごくいいですね。邪悪なのに憎めなくて、可愛らしいけれど何を考えているのか読めなくて。魅力的です。

コンクリートに亀裂を生じながら、彼は不格好な受け身をとり、起き上がった。服のホコリを払い、頭上を見あげる。「お……追って来ないな。マジでとんでもない奴らだ。文明国の出身じゃないだろ、きっと……」

文明国の出身ならモータルを窓から発射させて踏み台にしてもいいと?(ここで伝統国家キョートでモータルを万歳特攻弾にしていたイグゾーションさんを思い出すもなかさん)(文明国とかそういう問題ではないな…)

UNIXデッキは素晴らしい。人を死なせずにインターネットができるなんて、文明は優しい。

このくだり、すごく忍殺SF世界観ーッ!て感じで興奮しました。でも考えてみたら同じユメミル・ジツ使いのシルバーキー氏はコトダマ空間にダイブするたび人を壊したりしてませんよね? 単にシルバーキー氏の方が使い手として格上だから壊さずに済んでいるだけなのか、本人の性格がジツの特性にも影響を及ぼしているためダイブ方法に差が出たのか……どっちなんでしょう。地味に気になります。

(ところで今【ザ・シェイプ・オブ・ニンジャ・トゥ・カム】♯2を読み返すと「彼は自部屋を離れ、外の世界へ、ネットワークの大海へ、再び踏み出した。」の文章めちゃくちゃ怖いですね。意味が分かると怖い話じゃん…)

「昔話はどうでもいい」「どうでもよくはない……」シナリイは薄く笑った。

笑ってしまう。その返ししてくれた人初めてだよ!

「あの男も、モータルには奇妙な親近の情を抱いている様子。私も今の世に生きるのならば、学ばねばならぬのでしょう……」「それが、身のためだ」ニンジャスレイヤーは低く言った。

シナリイさん元カレ匂わせしないと死んでしまうんか?というくらいあからさまに匂わせてくるのでこれまた笑ってしまいました。ナラクちゃんのお話はどうでもよくないけど「彼の愛する者がナラクちゃんに奪われた」のはどうでもいいんですか~。はい。なるほどね。そういう。重いよ。柔軟剤入れすぎ、脱水時間短すぎ。人に見せる前にそういう想いはちゃんと洗濯して。

上のやり取りなんて女子に変換するとだいたいこう(↓)ですからね。

あいつも今の流行り服気になってるみたいなんだよね。アタシも定番ばっかり着てないでトレンド追わなきゃだめかな~」「(スルー)じゃあそうすれば?」

深く突っ込まれるまでチラッチラッと存在を匂わせ話題に織り交ぜ続ける面倒くさい水面下駆け引き女子みたいになってるよシナリイさん。

セプク・オブ・ハラキリってそんな、朝のモーニングコーヒーみたいな。使ったら絶対よくないことが起きるのに、必ず使われちゃうみたいな嫌な武器を渡されたマスラダくんとネオサイタマが心配です。

「そなたの命が、ソウルが、そなたのオリガミと共振し、現世とオヒガンの境に生じた亀裂を広げ、揺るがし、ダークカラテエンパイアの核に届く」

「核」ってなんなんでしょうね。これ、中途半端に使ったらカツ・ワンソーを目覚めさせてしまったりするんじゃないの? 怪しすぎる。

「オリガミは臨界点を越え、オヒガンを強く揺るがす」という表現も気になります。オヒガンといえばシーズン3、そしてヤモトさん。今スレイトで進行しているヨモガハマ行ともリンクしたりするんでしょうか。

◇◇

 ♯2

謎めいた平安時代のリアルニンジャ・シナリイは、かつての敵・ダークカラテエンパイアに一矢を報いるべく、ニンジャスレイヤーへ黄金のクナイ(セプク・オブ・ハラキリ)を一方的に託す。一方その頃ピザタキでは……

ナンシーさんを前にすると年下弟ムーブになるタキさん無限に味わいたい。滋養がある滋養が。緑黄色野菜も裸足で逃げだすβ‐カロテン含有量よ!うめえ!!!

ビールとかコーラじゃなくてヤサシイ・ドリンクなる体に害のなさそうな飲み物を初手でお出しするところとかそういうところだよ。レッドハッグ姐さん相手には注意深く隠していた情報を、ナンシーさん相手には挙動不審な感じで稚拙に隠すところとか可愛すぎるんですよああもう、タキさんの弟ムーブカワイイカワイイカワイイ~~~ッ!!

「(略)……私達に似た力が介入したのかも」
「オレ達……」タキは指をホームポジションにした。「……ハッキングか」

ナンシーさんがタキを前にしたとき「私とあなたは同種の人間ハッカー」という意味で当たり前のように「私達」という主語を使うのテンションがブチ上がってしまう~~~~あああああ゛~~~!!!!

タキ自身がいくら己を半端者だと思い込んでいても……伝説のハッカーがタキに対して何の躊躇も留保も無しに「私達」が戦う前提で話を始める、それがさあ!! それが答えなんだよタキさんわかる!?!!?

タキはしどろもどろになりながら、「だけど……儀式の件、詳しすぎねえか、アンタ。いや、オレは信じるけど」

「オレは信じるけど」可愛すぎるんですよね……弟じゃん……

国際探偵の調査力、と言っておきましょうか」ナンシーはウインクした。

フジキドさんが探偵であるという情報を未だに疑わしく思っている私がいます。……ほんとに? 「国際探偵」って問答無用で邪悪ニンジャを爆発四散させる職業じゃないんですか?  

「ニンジャスレイヤー=サンは、狩人連中に囲まれた時、頭をジツでいじられそうになったッて話はしてたよ。アイツの話は直感的なんだがよ……多分そいつだろう……」

なるほどね。

その直感的な話からタキが要点を汲み取って理解することによって、会話が成立しているわけですね。へー。そうですかぁ。なるほどね。

正気が危ないのでイチジクの甘露煮食べてきてもいいです?

おいしい。

ふう。

このエピソード実況もしてるんですがまとめで読み返すと再びこの身を内側から焼かれるので精神耐久力が問われますね……今夜♯7後編のサキブレが飛んでいるので死の予感に怯えながらこの感想を書いています。じわじわと死にたくない。一思いにやってほしい。嘘です。末長く苦しませてほしい。

タキは椅子を引いた。「ドーゾ」

あたりまえのように自分の椅子をナンシーさんに差しだすタキがさぁ~~~~~ッ!!!もーーッ!!! 「オレの城だ」って自慢したその口で何の屈託もなくメインキーボードを譲るの、すごいリスペクトを感じてあわあわわわ…

そしてタキさんの様子が違うことに秒で気づくコトブキちゃんにも顔を覆って悶絶した。ピザタキ!!!!!!LOVE!!!!!

「それ、ここが嗅ぎつけられたりしねえだろうな。無茶しないでくれよ

言い方……。

かわいい……。

ナンシーはハシゴに手をかけ、タキを振り返った。そして言った。「ハッカーが二種類いる。ここだと一方にしか対処できない。ここで踏ん張るのは、あなたよ。タキ=サン」

もう、このさ……この……他でもないナンシーさんが、あの伝説のハッカーが、貴方ならここで踏ん張ることができる、と信頼してこの場を預けるの……感無量ですよ。

マスラダもコトブキも「タキにできないことはない」といつでも無条件に信じている節はあるんですけど、それはそれでピザタキ信頼サイコー素晴らしいんですけど、マスラダもコトブキもハッカーとしての知識はないので……同業者(しかも伝説級のベテラン)による実力の太鼓判から得られる感動はひとしおなんですよね。やっぱりタキさんすごいんですよ。嬉しい。

◇◇

 ♯3

獣でありながら狩人を殺そうとするニンジャスレイヤー。恐ろしい死神だ。だが、勝利を諦めたりはしない。オモイ・ニンジャの手も借りたが、最後は自分の力で仕留める。死闘を制するために入念に端末も多数配置した……準備は万端だ。サロウは清冽な夜景を眺め、ウシミツ・アワーの鐘を待つ。

主人公ムーブするんじゃないよ!!

「なんて反社会的な獣なんだ! スピーカーは社会の備品だぞ。許せないな」別の電灯スピーカーから笑い声が聞こえた。

社会の構成員を何十人も端末化しているアナタに言われたくないよ!!

口では道徳と倫理を謳いながらも行動はマリオがキノコや土管を踏むごとく、モータルをジツで任意の場所にポップさせ、踏んで利用し壊して進む。「パーティープレイ」発言といい、サロウにとって「狩りの儀式」は七人プレイの新作ゲームで、「ネオサイタマ」は何が飛び出てくるのかわからない難易度高めのマップに過ぎないみたいですね。

ですが、マスラダ視点で狩りを見ている読者にとっては、「狩りの儀式」は新たな人生を歩み出したばかりのマスラダ・カイを突如襲った理不尽な暴力であり、ネオンの海「ネオサイタマ」は家族と暮らした愛する故郷です。

サロウの言動から感じる言い様のないちぐはぐさって、読者(ピザタキ側)とサロウの現実認識ギャップからきているのかもしれないな~と思いました。

そういえばサロウさんってベルリン出身ですけど、今スレイトで進行しているエピソードとリンクしてきたりもするんでしょうか。

ハッカー時代のサロウは引きこもりだったので面識はなさそうですが、ルサールカちゃんも名前くらいは知っていたりするのかな。

なんとなく気になってシーズン4を最初から読み返してみたんですが、2話【ケイジ・オブ・モータリティ】にもアンガー・プログラムが広がりつつある予兆みたいなのがさらっと書かれていますね。

カルト教団絡みの、令嬢連続行方不明事件。ニンジャ連続ツジギリ事件。白昼の市街で突如フリークアウトし、陰惨な殺人を行い、頓死する者達の事件。どれも、ネオサイタマにおいてはチャメシ・インシデントである。それゆえ、気づく者は居なかった。
『ケイジ・オブ・モータリティ』♯2

種が撒かれているのはわかるけれど、どんな花が咲くのかはわからない感じ……むむ。気になります。

「タキ」走りながら、ニンジャスレイヤーはニューロンに呼びかけた。

初手で呼びかけたので私の心が灰になってしまった。もなかさんすぐしぬ。

い、いやあの、だって、タキに呼びかけたら強大な気配を持った敵が出て、タキに明確な害意を抱いていることがわかった瞬間から、♯3冒頭では調子が良かったはずの(以下参照)

 彼はその場で数度跳ね、あらためて肉体をキャリブレートした。癪にさわるが、シナリィの強制的なもてなしは、結果的に助けになった。スシを摂って肉体は元気づいた。身体はよく動く。ニューロンも冴えている。戦闘開始だ。

こんな……わざわざ調子はいいぞみたいな描写からイクサに望んだはずのマスラダの精神が、たちまちガッタガタに崩れ始めて弱り始めたの……なに……すごくないです???

えっ夢?

サロウさんの演出がいちいちホラーで怖いです。サロウさん引きこもり時代に一人でサメ枕抱いてホラー映画とか観てそうですよね……

「ピザタキがファックされたらマスラダの負け」って、「心の安全基地=ピザタキ」という前提をゴリゴリにお出しされた前提で話が進んでいくので私の心が瀕死ですね。ありがとうございます。

そしてよわよわマスラダの前にコトブキちゃんが現れ、現実が戻って来る……最高……thank you……。

「ある程度の説明は受けていましたが……」コトブキは少し考え、キアイを入れた。「わたしは心が強いのでなんとかなるでしょう!」

ガバガバ理論だ!!www でもそれがいい!!! タキさんへの雑対応もとても良いです、コトブキちゃんがタキさんにだけあからさまに雑対応することでかえって距離近感が出ているの大好き。

コトブキちゃん本当に頼もしいです。勝利の女神だよ……。AoM通してずっと、マスラダの勝利条件は「隣にコトブキがいて怒りの拳を握っており、タキがニューロン越しに繋がり支援してくれている」ことですからね、もう勝ちですよこれは勝ち!! ハーーーーーー!ピザタキ最高~~~~~~!

ありがとうございます!!!!!

文字数が嵩んできたのでいったんここで区切ります。
続きの感想記事も♯7後編を半死半生で見守りながら書く予定です。死にたくない。

ではでは、また次の感想でお会いいたしましょう。


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次の感想はこちら。


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