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尾崎放哉&鐘⓵

閑居して

鐘ついて去る鐘の余韻の中 尾崎放哉
(かねついてさる かねのよいんのなか)

尾崎放哉は人気者だし、あなたもファンかも知れませんね。それでどんな傾向が彼の句に顕れているのかと思って一っ跳びしてきた。

この句を読んで有名な格言「小人閑居して不善をなす」を想ったのはナンデかしらん? 中国故事では「小人閒居(間居)して不善をなす」だそうな。閑居のほうだと「暇(ひま)を持て余して碌(ろく)なことをしない小人」となり、閒居(間居)のほうは「独り住まいしてる小人は碌(ろく)なことをしない」となるようだ。ま、ドチラにしても褒められたことでないのは一緒。

それで放哉の「鐘ついて去る鐘の余韻の中」に変わったところでもあるか?いやいや、変わったところは無いよなあ‥と思った。突いた後の余韻は当たり前。突き終えてまだ居たら何やってんの? これ普通に客観写生だ。鳩が糞を落として行ったってのと同じで変わったところはない。私の結論‥結局、不善を為せない放哉はこの時期・心穏やかに暮らせていた須磨寺時代。

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