見出し画像

【Celeste:紹介】難易度、システム、物語。全ては挑戦を価値あるものにする。

「挑戦する価値があった」

今回紹介するCelesteはすべてその一言のためにつくられているゲームだ。
Celesteは2Dプラットフォームゲーム、ジャンプと空中ダッシュによってひたすらCelesteという山を登るシンプルな内容だ。主にまだプレイされていない方にこの山の恐ろしさと魅力を伝えたい。
CelesteはSteam、Nintendo Switch、 PlayStation 4、 Xbox Oneでプレイできる。
Steamストアページ
もしプラットフォームの選択肢があるなら一番自分にあったゲームパッドのものを選ぶべきだろう。険しい道のりになるだろうから……

本作のコンセプトはずばり「挑戦」といえる。

・針山をジャンプとギミックを駆使してかいくぐる高難易度アクション。
・プレイヤーの力量そのものを煽る収集要素システム
・それに挑むMadelineの物語とプレイヤーとの一体感。

これらを紹介していこう。

◯巧妙なギミックと爽快感、高難易度

本作のギミックはチャプターごとに新しいものが増えて行く。空中ダッシュ再び使えるようになる宝石、体を吹っ飛ばすシャボン玉、空中ダッシュで入り込むとダッシュが続く空間など爽快感に溢れるものが多い。

宇宙空間のようなものの中に入るとダッシュが延長して
空中ダッシュがもう一度出来るギミック。
空間が連続していれば空中を駆け巡ることができる。

難易度は高いが飛び移るギミックや足場がダッシュの直線上に並ぶものが多いため、飛び移る前にダッシュの方向や壁登りする位置を落ち着いて見極めれば乗り越えられるだろう。
特に序盤、中盤はスクロールも少ないので安全地帯から見える範囲内で操作でが完結していることも多い。アクションと聞くと反射能力のイメージが強いが本作では反射以上にテンポが鍵となるだろう。
もし失敗して奈落に落ちても気分が落ち込む間もなく電光石火で復活する。
大丈夫だ今度はできる。

このバネで飛んで右にダッシュ、次のバネで右上にダッシュ…
よしあとは指を動かすのみ…

◯登山の最中にストロベリーを集めるだって?

ストロベリーを集める意味はないって?ユーザーをからかっちゃいけねえよ。

クッソ、あれ絶対オレならとれるんだけどなあ…とれるんだけどなー!!

本作の収集要素であるストロベリーは集めてもプレイヤーがパワーアップしたりするわけではない。
しかしステージのそこかしこに配置され、思わず自分の腕を試したくなってしまう。難しかったらパスしても何も問題はない。
ゲーム自体の難易度設定による挑戦ではなくゲームの流れのなかで自分への挑戦要素として楽しむ要素といえるだろう。
逆に無理に収集を行わなければゲーム全体の難易度はある程度抑えられる塩梅になっている。
またステージに隠されたカセットテープを手に入れるB面と呼ばれるより高難易度にアレンジされたボーナスステージを解放できる。
あらゆるアイテムさえ自分を試すために用意されているというわけだ。

◯なぜ山を登るのか。なぜ俺はこのゲームをやるのか。

本作は文量もキャラの数も多くがないが心に沁みるストーリーが展開される。
冒頭で山に行くと伝えたらババアに笑われ、山で死んだものに捧げる石碑を見て山へ向かう自分の行いを自問して、鏡から出てきた自分との鬼ごっこに負ければ指をさされる。

ふとこのゲームをやめてGetting Over Itの実況でも見て落ちていくヤツを笑っていればよかったかもしれない……などと考えるかもしれない。

しかしMadelineは不安を抱きながらも山頂を踏破する決意を見せる。
そのなかで出会う愉快な人物はどれもMadelineの抱えているものを引き出す。

インスタ映えのためにこんな山まできちゃったセオ
ワーカホリックなホテルマンの大城(日本人名…)
山の不思議について訳知りなババア
そして鏡から現れた攻撃的な自分。


これはMadeline自身の物語だが苦難を共にしたプレイヤーもまたゲームパッドを通じてMadelineと想いが重なっていき一体感とカタルシスを生むだろう。


本作の他にも可愛らしい動きのドット絵、展開によってシームレスに切り替わる音楽、操作の一挙一動に反応するコントローラの振動などの演出面の魅力も溢れんばかりに持っている。

◯まとめ

「挑戦することに価値がある」と多くの人は言うかもしれない。
でも「挑戦することに価値があった」と胸をはって答えてくれる人は限られている。このゲームはその貴重な体験を得られるチャンスを与えるゲームだ。

Celesteの山頂まで登った私が保証する。
このゲームは挑戦する価値があった。


サポートは執筆時のコーヒー代にいたします。