さよなら 高石ともや

「高石ともや死去、病気療養中だったらしいが、まだ82歳。アランドロンの死よりもショックだ~」とグループLINEで送ったら、即座に反応が。「友よ~ よく歌ったなあ」「あの頃は、お金はなかったけれど、みんなの瞳がキラキラしていたね」ー。
YOU TUBEを開いて、懐かしい「受験生ブルース」や「ともよ」を聴いてみた。歌っている本人は、だいぶ太っていてあの頃の面影は全くないけれど、歌詞もすらすら出てきて全部歌えちゃうのもおそろしい。ついでに、何十年も前のあの頃の色や匂いまで思い出した。
私は長女で、初孫で、親戚中で初めての戦後生まれ、戦後育ちだったから、何をしても注目された。可愛がられたと言えばそれまでだが、特に、思春期の私がすることなすことに、批判され、止められ・・・。まず、プレスリーを聴いて叱られた。ビートルズなんてとんでもない、Gパンはいたら不良だと言われ・・・、世の中が若者をみる目と同じだ。大学生になっても門限は9時。いったいどうすりゃいいのと言いたくなるくらい、厳しかった。「お姉ちゃんのおかげで、私かなり自由にさせてもらいました」と2歳下の妹は今でも言う。
それでも、親のいいなりではなく適当に楽しんでいた私の十代。同級生と、なにかあるたびにフォークソングを歌った。屋上でフォークダンスを企画した。不良なんてとんでもない、可愛いものではないか。カラオケなんてない時代だ。誰かのギター、時にはウクレレ1本で、みんなで声を揃えて歌っていた。古き良き時代の、すこぶる健全な学生の姿だ。
これから先、きっと、懐かしい人の訃報にかき乱されたり、昔を偲んだりすることが増えてくるのだと思う。


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