お米が消えた
「スーパーにお米がないんだけど~ こんな事態になっていること知ってたー?」、独り身の次男から電話があった。
ちょっと前に、異常気象のため今年の米の獲れ高は激減、というような話は聴いたことがある。あまり気にしていなかったが、確かに、南海トラフの注意報が出た後、店頭から一気に米がなくなった。私がいつも行く業務スーパーで、「今度入荷するのはいつですか」とスタッフに詰め寄っている若い女性も目撃した。なぜ? 何のために急に買いだめするのだろうか。
トイレットペーパーを求めて行列・・・という事態に直面したのは、結婚したばかりのことだった。団地の専業主婦たちがペーパーを買うために殺気立っていた。そんなに急いで買わなくても、まだ家にある物で十分とのんびり構えている私に、親切な先輩主婦の人が、生協なら十分確保できるからと1束分けてくれたのを思い出す。
聞き伝えのちょっとした情報に過剰に反応し、あおられて動く、群集心理というものだろうか。こういうときになると、日ごろは決して自分の意見を言わないおとなしい人たちの、目の色が急に変わる。自転車を飛ばしてあっちこっちに買いに走る主婦たちの姿を目の前にして、恐ろしい・・・と思った。
そういえば、過去に本当に米不足で大騒ぎだったこともあったなあ。細長いタイ米しか手に入らなかったから、連日タイ料理(もどき)を作ってみたが、子どもたちはけっこう喜んでいた。
今、米を買いだめするのはいったい誰なのか。私のような古い人間は、防災を意識するわけでなくても常に余分な食料、生活用品をため込んでいる。缶詰、乾麺類、水、冷凍食品・・・。もし、大地震が起こっても生きてさえいれば1週間以上は十分持ちこたえられる。あわてない、あわてない。
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