村山聖 008





1年、と大人は簡単に言う。しかし、同じ1年でも意味が違う。自分にはわかっている。時間がないということが、健康な人間たちとは与えられている時間の絶対数が自分には不足しているということが。もしかしたら、生きてさえいられないかもしれない気の遠くなるような1年。それをいったいどんな思いで待てというのだろうか。

大崎善生『聖の青春』、2015年、株式会社KADOKAWA、kindle75ページより引用

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