3Dプリンタ運用での部屋の温湿度環境

このノートで利益を得られる可能性がある人

・3Dプリンタの初心者で同じ設定やスライスデータで印刷結果に不安定さを感じているが原因が分からない人。
・3Dプリンタで販売物を印刷していて、より安定的に生産したい人。
・部屋の温湿度の影響を理解しているが他の考えと一致しているか確認したい人
・部屋の温湿度の影響は理解しているが他の人のやり方を知りたい人

このノートの内容をすでに理解している可能性のある人

・樹脂の化学的構造や特性に精通している人
・温度と湿度と物質の関係に精通している人
・3Dプリンタと部屋の温湿度の関係を理解している人

前書

このノートを作成するに至ったのは、私がこの問題に長い間苦しめられていたからです。
というのも、3Dプリンタで生産した機能性部品を販売しているのですが、同じデータで同じ3Dプリンタで印刷しているのに細かいディテールやオーバーハングがうまく印刷できない時がたびたびあったからです。
同じように、印刷物を販売している方にとっては、印刷を安定させたい、無駄な印刷や作業を省きたいという方には有益な情報、すでに知っておられる方は他の人がどういうやり方をしているかをのぞき見する感じで読んでいただければと思います。

私の3Dプリンタ

私が使用している3Dプリンタは
・Anycubic i3MEGA
・Anycubic i3MEGA S
・Anycubic chiron
・Tronxy Gemini S
の4台でこの中でi3MEGAとi3MEGA Sが販売用の部品を印刷しています。
他の2台は私が趣味で工作を行う際に使用する3DプリンタでTronxy Gemini Sはインディックス型でプリントヘッドを2個装備していて水溶性フィラメントなどを用いてシングルヘッドでは印刷できない形状を印刷することに使用しています。
スライサーはSimplify3Dという有料のスライサーを使用しています。

私の3Dプリンタを使用している部屋

2013年に建てた木造住宅の2階の北東の6畳の部屋です。
気密断熱性が高く、3Dプリンタが2台くらい動いていれば冬に20℃くらいまで温度が上がります。
春から秋は冷房必須なので部屋にはシャープのSXシリーズのエアコンをつけて光熱費対策をしています。このエアコンで通年エネルギー消費効率7.2で当時もっとも効率が良いエアコンです。
入り口扉にはオートクローザーを取り付けて、閉め損なうことがないようにして、部屋の温度や湿度が変化しにくいようにしています。

販売している製品

排水管を洗浄するノズルをAmazonで販売しています。
http://www.amazon.co.jp/dp/B082ML776G?ref=myi_title_dp
家周りにある雨水を流す排水管や台所、トイレ、ふろなどの排水管を水道のホースに接続するだけで使用できる逆噴射ノズルです。
こびりついたものはとれませんが、経験上、多くは堆積しているだけで高圧洗浄機を使用しなくても掃除できることを知っていましたが、そういう商品を探しても見当たらなかったので自分で作ることにして、半年くらい試験を繰り返し完成して使用感が良くて便利だったので、排水管に砂などが良く堆積する家には便利だと思い販売しています。
0.2mmノズル0.1mm積層の材質はPLAです。
よってPLAの印刷についてこのノートを読む場合により有益かと考えられます。

目次

  1. 湿度と樹脂

  2. 樹脂の乾燥

  3. 印刷時の乾燥

  4. 印刷時の部屋の温度

  5. 部屋の温度の決め方

  6. 私が使っている乾燥に関係する補助具

ここから先は

4,090字 / 1ファイル

¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?