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140文字言葉のタクティクス[内容編]:深みと厚みのある文章術

①序論

前回の文章術note第一弾では、文章の構成に着目しました。
こちらですね。

140文字言葉のタクティクス[文章構文編]:読みやすく分かりやすい文章術

どのようにしたら140文字以内で最低限の自分の思いを伝えられるかという内容です。
ただ、Twitterで多い悩みが、文章内容だと思います。
文章の中身いかんでフォロワー数も変わりますし、何より人間性も問われます。
文章内容は、その人の知識と経験が直接反映されます。
なので、知識や経験の欠如は見る人によってはバレます。
でも、知識と経験は、一朝一夕では身につくものではないです。
では、どうすればいいのか?
それが今回のnoteです。
知識と経験が無くても、自分の知恵と工夫で深くて読み応えのある文章は作れます。
正直に白状しますと、私は他人より大学にいましたので、知識は多いかもしれませんが、経験は圧倒的に少ないです。
そんな私でも以下のようなお褒めの言葉をいただきます。

「Whiteさんのおかげで解像度が上がりました。ありがとうございます。」

「Whiteさんは、深掘りの天才ですね。」

「Whiteさんの文章は知的で、とても頭がいいの方なのかなと勝手に思っています。」

などなど。
自分で書いていて恥ずかしくなってきましたが、ありがたいことにこのようなコメントをたくさんいただきます。
なので、知識と経験が無くても、人に響く内容の深い文章は作れるのです。
もちろん、知識と経験を積むことを厳かにしてはいけません。
最低でも知識は常にインプットするようにしてください。
知識があれば、知恵の範囲も広がります。
全体的な心構えとしては、

「他の人の文章をよく読み、自分の持っている強みを生かして、皆が思いもしない視点からツイートすること」

です。
私は恥ずかしながらオリジナルツイートよりは、引用リツイートの方が圧倒的に好評です。
なので、これからご紹介する方法論は、主に引用リツイートをして気づいたことです。
もちろんこれは、オリジナルツイートでもリプでも、はたまたTwitter以外の文章でも応用が利く方法です。
前置きが長くなりましたが、内容の方に移ります。
ご意見等ございましたらどうかよろしくお願いいたします。

②140文字言葉のタクティクス[内容編]:全体構造をどうするか?

まずお伝えしたいのが、内容のある文章にはそれ相応の文章のきれいさが必要です。
実は、第一弾の文章術noteで書かれている内容が大体できる方でないと、深みのある文章は作れません。
土台となる文法や文章構造がめちゃくちゃな文章に、深みも何もありません。
あるのはノイズです。この前提を踏まえて、深みのある文章の前提条件を考えましょう。

一般的に物語には、起承転結や序破急などがあります。
Twitterでも同じで、起承転結のようなものを140文字で作ると内容のある文章になります。
私はいくつか型のようなものを持っています。
例えば、私が一番よく使っているのが、以下の型です。

Ⅰ:結論→理由と考察→別の結論or最初の結論の言い換え

具体的にどのようにするのか?
引用する方のツイートが「人脈は大事」とします。
その時私なら、

「私もそう思いますね。(結論)

心理学や経済学等では、人脈のことをSocial Capital(社会関係資本)と言います。いわゆる、社会的絆ですね。過去の心理学の研究で、社会的絆が多い人は長生きするという研究がありますし、生産性が高いとも言われています。
(理由)

なので、人脈は長く働くために必要。(最初の結論の言い換え)」(125文字)

こう書くと、一つの主張のように見えてきませんか?
これが内容のあるツイートです。
こうすることで以下の利点があります。


ⅰ) 新しい情報があるので、「いいね」や「リツイート」されやすい。
ⅱ) 引用された相手は、文章全体ではなく、文章の一部を切り取ってリプ等の返信もできるので、会話につながる。
ⅲ) しっかりとした文章はそれだけで、相手からの反応がある。
ⅳ) 自分の強みを見せることで、周りにアピール。「この人はこんなこと知っている」と認知してもらえる。→フォローにつながる。
ⅴ) 箇条書きや文章の羅列ではなく、物語なので覚えられやすい。

などなど。
もっとあるとは思いますが、ざっと挙げるとこれだけの利点があります。

次に私がよく使うのは、以下の型です

Ⅱ:根拠・出来事・体験談→まとめor自分の意見

具体的には、

「以前「水からの伝言」という本が流行った。ビーカーの水に否定的な言葉を浴びせると結晶の形が汚いとか。科学的にツッコミどころ満載なのだが、リテラシーのない教師や経営者がこの話を生徒や社員にしているとか。
(出来事)

それを聞いた人はどう思うだろう?リテラシーのないやつだと信用を失うことになる。(自分の意見)」(138文字)

これはオリジナルツイート向きですが、批判という内容があり、物語になっています。
個人的には、ⅠよりもⅡの方が簡単だと思います。
というのも、出来事や社会的問題や体験談をネタにできますので、それほど知識と経験はいらないからです。
だけど、問題は、最後の「(自分の意見)」のところです。
ここをしっかり書かないと、単なるエピソードになるだけで、「で?何?」と読者は思ってしまいます。
「だから私は○○」という断定のような結論がないとⅠもⅡも成立しません。
深みの出る部分は最後のところにあります。

③深みを醸し出す文章

②では型によって物語をつくることで、文章の意味を生み出し、深みのあるツイートを作る方法を見てきました。
では、型ではなく、一文~数文で深みのある文章を作るにはどのようにすればいいのでしょうか?
ここからは、私の引用リツイートの経験談から様々な深みのある文章を生み出す方法をご紹介します。

1. 情報をプラスする

まず一つ目の方法が情報を追加するという方法です。
一番簡単なのが、箇条書き系のツイートに対して自分なりの項目と主張を追加するやり方です。
例えば、元のツイートが以下だったとします。

「こんな上司は嫌だ。
・部下の話を聞かない
・話をするとマウントをとる
・常に上から目線
・先輩風をふかす
・上役と態度が異なる」

このツイートに対して、情報と主張あるいはまとめを入れると文章に深みが出てきます。
私なら以下のように引用リツイートします。

「続き
・言葉が偉人やビジネス書の受け売り
・部下の資料をちゃんと読まずに一蹴する
(情報の追加)
など
共通点は人間性の欠如。本や名言の受け売りは自分の人間性がないことの表れ。部下を足蹴にする配慮の無さは人間性の欠如そのもの。
上の人間は人間性に配慮しないと尊敬されない。(まとめ)」(123文字)

重要なのは、最後のまとめの部分ですが、私の経験上、箇条書きの情報を追加するだけでもリツイートされます。
というのも、元ツイートのユーザーは追加された情報を見て、自分にない視点からの意見を得ることができるからです。
普通のユーザーであればリツイートするか、せめて「いいね」は押します。
そして、全体を見ると、引用リツイートの形式を取っていますが、ほぼオリジナルツイートと変わりません。
というより、ここまで書けばオリジナルツイートです。
先ほど、最後のまとめが重要だと言いましたが、このまとめ方によって文章の深みに差が生まれます。
今回の例では、箇条書きの「共通点」を指摘することで深みを出しましたが、他にも深みを出す方法があります。

文章に深みを出すまとめ方
Ⅰ:共通点を指摘する
Ⅱ:教訓を述べる
Ⅲ:余韻のあるオチをつける
Ⅳ:感想を述べる

順番に説明すると、Ⅰは先ほどの例で分かると思います。
Ⅱは、元ツイートがエピソード系や事実の報告等の場合に使うと効果的です。
例えば、元ツイートが以下だったとします。

「私の父は厳格な父親だった。禁止事項が多く、門限も厳しかった。それゆえ恋愛もダメ、友達と遊ぶのも限られた遊びの中で限られた時間だけ。それが大学生になると、自由になり、これまでの反動で遊びばかりしていた。単位を落としてばかりでぎりぎり卒業できた。就活は上手く行かずブラック企業。」(137文字)

このエピソード系の場合、文章構造を把握します。
今回だと

「自由を得る→厳格に禁止されていたことに歯止めがかからなくなった→大事なところで上手く行かない。」

という感じです。
そこから教訓を足します。
例えば

「厳格に育てると、自由を得た時に羽目を外す。だから子供時代からのびのびと育てる方が将来的に良い。」

という感じです。
他にも、Ⅰを応用して

「脳科学では、自由でおもちゃや遊び場が豊富な環境だと創造性が高まるという。厳格に育てるのは親のエゴ。子供の将来のことを考えるのなら、自由に育てるのが一番。」

という感じです。
この教訓やプラスαの情報でオリジナリティを出すことができます。
元ツイートに加えて一冊の絵本や児童文学くらいの内容が出ます。

次にⅢの余韻のあるオチですが、これは例から入りましょう。

「行政の対応が遅く、必要な時に必要なものが届かず、必要のない時にいつも届く。遅さは国民の怒りを買う。」

この文章の最後の「遅さは国民の怒りを買う」ように、若干抽象的にまとめの言葉を述べます。
そうすることで、この文章のみならず、「『遅さは国民の怒りを買う』これはビジネスでも当てはまる。」というように、別の文脈でも引用しやすくなります。
キラーワードではありませんが、「余韻のある」とは、少し抽象的にして引用しやすくすることを意味します。
「最後の文章に特に共感しました」と述べて引用リツイートされることは結構あります。
私もそのような引用リツイートをしますので、最後のオチの抽象度を高めるというのも一つの方法です。

最後に、Ⅳですが、これは比較的分かりやすいと思います。自分の思ったことや印象を入れて引用すればいいだけです。
例えば、ほぼ実際にあったツイートでは、

「私は、専門家は不断の努力をして専門家足り得ると思う。資格とは最低限の知識を証明するものだが、本当の専門家はずっとその知識を学び続ける。資格を持っていて使えない専門家や自称専門家を多く見てきた。知識と努力こそ専門家の証」(108文字)

この私のツイートに対して引用リツイートされた内容が以下の通りです。

「なんて不器用な人なのでしょうか。この姿勢がダメだとか正しいとかではない。けれども、もっと器用に生きればよいのに。でも、こういう人は嫌いではない。」

この引用リツイートこそが、感想の最たる例です。
感想だけですが、ツイートとして成り立ちます。
実際に私からしても、リプをしやすい感想だと思います。
「不器用を克服したいのですがね」とか「器用に生きるにはどうしたらいいのでしょうか」とか。
そういう内容で会話を成り立たせることができる感想型の引用リツイートだと思います。

2. 理由や新しい事実を入れる


次に深みが出る方法は、理由や事実などを入れることです。
理由や事実とは何かというと、自分の持っている知識を入れて引用リツイートしたり、自分の頭を使って経験と合わせて分析した結果を引用リツイートしたり、統計資料やレポートの内容を追加で入れて考察を加えたり、などです。
では、具体的にどのようにすればいいのか?
例えば、元ツイートが以下だとします。

「ビジネスではセンスは必要ない。必要なのは、徹底的にパクることと行動することのみである。一部の天才を除いて、成功している人は大体この二つをしている。これは私が大手人材会社にいた経験からそう言えます。」

このツイート自体にも、個人的な体験や経験から分析した事実があり、文章として悪くはありません。
しかし、もっと深みを出すことができればどうでしょうか?
元ツイート側も引用した自分にもwin-winになります。
この時に、単に情報をプラスするだけでは、元ツイートの内容を弱めてしまいます。そもそも、元ツイート自体が経験と分析の賜物なので、それなりの情報を入れる必要があります。
そこで、ご説明した「自分の頭を使って経験と合わせて分析した結果を引用リツイートする」が使えます。
具体的にどのようにするかというと、まず私が引用リツイートする場合以下のようにします。

「才能やセンスはいつ必要になるのか?どの専門家も初めは先代の技術を模倣し、徹底的に磨き上げることから始まる。模倣が完璧にできて初めて、一人前のプロとして認められる。小説家バルザックは、芸術には修練と観察が必要だと言った。センスや才能は模倣技術が最高潮に達した後に少し必要なだけ。」(138文字)

どうでしょうか?
元ツイートと関連していて、尚且つ才能やセンスという切り口から模倣が必要であることに深みがかかっているかと思います。
この文章を作ったときの脳内プロセスを描くと、

「過去のツイートや自分の経験からどんな人も模倣から始まる。」

「プロと呼ばれる人はどのような人だろうか?例えば、伝統芸能なんかは最初は型を見様見真似で覚えることから始まる。スポーツ選手も同じで、基礎的な練習を何度も模倣して繰り返して体得する。その模倣がスムーズにきれいにできるのがプロではないか?」

「だとすると、プロフェッショナルと呼ばれる人は、模倣を人に提供できるくらいまで高めた人だと言える。そういえば、以前読んだバルザックの小説『知られざる傑作』でも同じこと言っていたな。確か「修練と観察」だった思う。この「修練」こそが模倣を完璧にする過程だと言える。大小説家のバルザックですら同じことを考えていたのだな。」

「最後のオチはどうしようか。才能やセンスは結局どこに必要なのか?そういえばNHKの番組「プロフェッショナル」では最後に「プロフェッショナルとは?」という質問が行われる。その質問の答えを振り返ると、「創造的な」とか「オリジナルな」という言葉が多い。つまり、プロフェッショナルと呼ばれるようになってようやく才能やセンスが必要とされるのだろう。だから才能やセンスは模倣が完璧にできた後にちょこっと必要なだけ。」

このような流れです。
プロセスを見れば意外と呆気ないものです。
必要なことは二つ。


・大量の知識と経験
・その知識と経験を細かく分析できるか


私の例の場合だと、テレビで見た伝統芸能の話と過去のツイートの話と分析、自分が読んだバルザックの小説の言葉、NHKの「プロフェッショナル」の分析の三つで構成されています。
自分がインプットした知識なら何でもいいです。
受け売りでもいいですが、自分なりに分析をしてみる。
すると、深みのある文章が出来上がります。
この分析は「新しい事実」です。
単なる情報の追加とは異なります。

3. 意見や対立意見を入れる


最後に意見や対立意見を入れる方法があります。
ここでは、対立意見の入れ方に注目します。
対立意見には、入れ方を考えないと単なる迷惑ツイートになりますので、注意が必要だからです。
しかし、対立意見こそ情報社会では必要な要素です。一方的な意見だけでは独りよがりになってしまいますので、有益な形で対立意見を入れる方法を考えます。
まず、意見の入れ方としては、「根拠+主張」のセットが不可欠です。
そうでないと、単なる感想レベルや体験談レベルでは意見というよりエピソードになります。
引用された相手も「あっそ」で終わらせる場合が多いです。
根拠にはそれなりの妥当な知識と情報が必要です。
なので1との合わせ技になります。
では、反対意見を入れるにはどうしたらよいか?
仮に、元ツイートが以下だとします。

「私はテストが大嫌い。というかテストなんていらなくない?普段の授業態度やノートのとり方で大体の学力はわかるでしょう。確かにテストは成績を測る手段の一つだけれども、一発勝負で運が介在するテストに意味あるのかな。」(103文字)

この意見に私が対立意見を入れるとしたら以下のように入れます。

「確かにテストは面倒ですよね。何日も勉強しないといけませんし、成績をテストの点数という単一指標で測るなんて時代遅れかもしれませんね。でも、テストには、学習内容を定着させる効果があります。心理学ではテストの効果と呼ばれていますが、その意味ではテストはありだと思います。」(132文字)

このように対立意見をいれると、(たぶん)元ツイート主も「なるほど」と思ってくれます。
では、対立意見の入れ方を分析しましょう。

対立意見の入れ方
Ⅰ:相手の意見に共感を示す。
Ⅱ:共感の理由or共感した内容を付け足す。
Ⅲ:逆説
Ⅳ:根拠+意見

このように分解できます。

Ⅰは、「確かにテストは面倒ですよね」の部分です。
この部分は非常に重要で、まずは相手を尊重しないと単に怒りを買うことになります。
いきなり本題ではなく、ワンクッション置くイメージです。
相手に、「お!わかってくれている」と思わせられる共感文を作ることがポイントです。

Ⅱは、「何日も勉強しないといけませんし、成績をテストの点数という単一指標で測るなんて時代遅れかもしれませんね。」の部分です。
これは私のやり方なのですが、①の共感を示すだけでは正直対立意見を述べる場合足りないと思っています。
共感文は単なる表面上の言葉として受け取る方もいらっしゃるからです。
共感文をより強化して相手への理解を示すことで、批判や誹謗中傷ではないことが伝わります。
ここは工夫がいるところですが、ポイントは、「共感文に沿ったエピソードを入れる」ことかと思います。
相手に「わかるわかる!」と「おお!めっちゃ理解してくれている」と思わせる文章を入れます。

そして、ⅢとⅣの逆説です。
ここまで、相手への理解を示してきたので、逆説の効果も少し弱まります。
「けどね」という感じです。
しかし、「けどね」でも的外れなことや説得力のないことを言うと相手の気分も悪くなります。
だからこそ、「根拠+意見」がセットで必要なのです。
目標は相手に「なるほど!そういう視点や意見もあるのか」と発見を促せるようにすることです。
単なる意見だけでは、説教になりますし、場合によっては非難ととらえられます。
それなりの根拠があれば、「他の意見」として相手も受けとります。

④まとめ


以上が、文章に深みを出す私なりの方法論です。
まだ他にも細かいテクニックや言い回しはありますが、大まかにはこれくらいです。
細かいテクニックや言い回しは自分で文章を書いている時に見つけるといいというのが私の考え方です。
また、テクニックや言い回しは自分のオリジナリティを出す部分でもありますので、自分なりの方法を是非探してみてください。
なお、あくまでも本記事と前回の記事は、

「どうしても文章が書けない」
「文章の書き方がわからない」
「もっと文章に深みを持たせたい」

こういうお悩みに対する解決策の一つです。
前回と合わせて、ざっくりとまとめれば、「根拠と結論(オチや意見)と言い方(枠組みも含む)」の三つが重要です。
文章を読むのは、必ず人間です。
そのことは忘れないようにしなくてはいけません。
皆さんの文章のお役に立てられるのなら幸いです。


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