マガジンのカバー画像

りすのよまい言、大きな木のうろの中から

840
「だから、なんなの?」と言われてしまいそうな他愛もないことを綴っていきます。悪しからず。
運営しているクリエイター

2020年7月の記事一覧

続・黄色い悪魔

続・黄色い悪魔

ーオレとアチキの西方漫遊記(47)
“黄色い悪魔”スズメバチに占拠された義父の別宅の風呂。このまま捨て置くわけにはいかない。アニメ『進撃の巨人』の主人公、エレン・イェーガーの台詞「駆逐してやる!この世から、一匹残らず!」を真似ておどけてみたものの、相手は殺傷能力も持つ黄色い悪魔。かなりの本気モードで戦いに臨む。そして、ほとんど動かない敵に圧勝。ところが、そこに再び落とし穴。先々まで不安が残る手痛い

もっとみる
黄色い悪魔

黄色い悪魔

ーオレとアチキの西方漫遊記(46)安心しきっているときほど、"落とし穴"にはまる確率が高い。そして、受け身を取れず、想定以上の大きなダメージを受ける。真夜中に静岡県伊東市にある義父の別宅に到着したわが夫婦。クルマを止められないほどに生い茂った雑草に、二人揃って呆然とするも、夜を徹して雑草を抜きまくり、ようやく床に就く。どうにか厄介事は解消した。心を煩わせるものは何もないー。そう思い、安心して眠った

もっとみる
真夜中の草むしり

真夜中の草むしり

ーオレとアチキの西方漫遊記(45)
静岡県伊東市にある義父の別宅は、滋賀県甲賀市からクルマでおよそ6時間の距離。遅い夕飯を取るために深夜営業の飲食店に寄り道するなど、数回の小休止を挟み、目的地に到着する頃には、深夜2時を過ぎていた。疲れも幾らかあったが、この日の寝床は何と言っても勝手知ったる義父の別宅だ。心置きなくリラックスできると信じて疑わなかった。そして、安心しきっているときに"落とし穴"には

もっとみる
丸ごとカボチャの記憶

丸ごとカボチャの記憶

ーオレとアチキの西方漫遊記(44)
滋賀県甲賀市の思い出ー。信楽焼のたぬき、NHKとの因縁(※)に加え、もう一つは、奥さんが道の駅で購入した30cmを優に超える大きなカボチャだ。しかも、丸ごと一個。両腕で抱えてもズシリと思い。わざわざ甲賀市まで来て、カボチャを丸ごと一個、迷いなく買う奥さんのチョイスが、どうにも腑に落ちなかった。そのせいで、この件は深く記憶に刻まれている。カボチャは個人的に最も苦手

もっとみる
薄い記憶と濃い記憶

薄い記憶と濃い記憶

ーオレとアチキの西方漫遊記(43)
滋賀県甲賀市内にある温泉を調べようと立ち寄った道の駅。"グーグルマップ先生"に尋ねると、あっという間に候補地を探してくれた。奥さんと相談し、候補の中から、山あいにある緑に囲まれた日帰り温泉を選ぶ。ただ、慌ただしく入浴したせいか、この温泉については夫婦揃って記憶が薄い。

前回のお話:「同じ道ではつまらない」/これまでのお話:「INDEX」

秘湯という妄想セレブ

もっとみる
マスクづくり

マスクづくり

奥さんのマスクづくりが止まらない。「四枚つくって疲れた」と、スマートフォンを通じて知らせが届いた。花柄の生地を使ったオリジナルマスクの写真付き。手作り感が溢れ、なかなかの出来栄え。新型コロナウイルス感染症の拡大で、マスク不足が指摘されるようになって以来、奥さんはマスクの手作りに勤しむ。身内贔屓もあるかもしれないが、日々、完成度が増し、インターネットを通じて売り出せる域に近づいている。

関連リンク

もっとみる
笑顔の底にある"圧"

笑顔の底にある"圧"

ー土用の丑の日2020年7月21日は「土用の丑の日」だ。奥さんは義母さん、義弟の3人で一緒に奥さんの祖父母の墓参りに出かけ、向かう途中の小料理屋で、うな重を食べたらしい。ちょうど、こちらが奥さん手製のポーク入りおにぎりをランチに食べていた頃だろう。国産のうなぎで美味しかったそうだ。

国産うなぎ一人でうなぎを楽しんだ罪滅ぼしか、夜の食卓に並んだのは、うな丼。奥さんによると、墓参りからの帰宅後、スー

もっとみる
コロナガニクイ

コロナガニクイ

ー東京五輪観戦チケットの行方
新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、2021年夏に開催時期を延期した東京五輪。購入した観戦チケットの払い戻しは、20年秋以降になるそうだ。先日、複数の大手メディアが報じた。さも新たな情報が更新されたように見えるが、実際のところ、払い戻しの明確な期間については決まっておらず、観戦できずにお金だけ召し上げられそうな状況は、依然として変わらない。さっさと詳細を詰めてもらい

もっとみる
鉄の結束

鉄の結束

ー東京五輪観戦チケットの行方2021年に開催時期が延びた東京五輪。購入した観戦チケットは、一体いつになったら払い戻しできるのだろうか。それが気になって仕方がない。観戦もできず、お金だけ巻き上げられそうな嫌な予感がする。奥さんと協力し、それだけは何としても阻止したい。

関連リンク:「五輪チケットに悲喜こもごも」「いたたまれない気持ち」

協力体制東京五輪の公式サイトは、購入した観戦チケットについて

もっとみる
「誕生日ありがとう」

「誕生日ありがとう」

新型コロナウイルスが猛威を振るう中、6月に母親、7月に父親が相次いで誕生日を迎えた。高齢者という区分けに入ると、誕生日を迎えた喜びは、実際の当事者より、むしろ周囲に大きくなるようだ。母の誕生日、父の誕生日ともに、そんな印象を受けた。祝う側のわれわれ夫婦だけが、喜びはしゃいでいる感もある。少し恥ずかしい。

思いのギャップ誕生日を迎えた本人たちは、どこか寿命に向かって一歩近づいた感覚があるのだろう。

もっとみる
後の祭り

後の祭り

現職の小池百合子が圧勝した東京都知事選。この選挙と結果をめぐり、8日の「AERA dot.(アエラドット)」で、お笑い芸人・カンニング竹山が語った意見が、実に的を射ているように思えて印象に残った。竹山によると「政治家は政策だとか言いがちなんだけど、悲しいかな選挙は政策じゃない、ムーブメントを起こしたほうが勝ちなんだ」という。

消去法であっても竹山は「みんな自身の生活を回していくことに精一杯で、そ

もっとみる
嘆かわしい七夕

嘆かわしい七夕

「みんなコロナに負けない!!健康で!!」ー。こう書かれた短冊がリビングの机の上に置いたままになっていた。文字からして奥さんが書いたようだ。7日の七夕の日にちなみ、どこからかもらってきたのだろう。ただ、外はあいにくの雨。飾るに飾れず、そのまま忘れてしまったらしい。本来なら、もっと夢や希望にあふれた願い事を書きたかっただろうに。健康祈願にならざるを得ない現状が嘆かわしい。

先行き不安東京都内の新型コ

もっとみる
マシな誰か選び

マシな誰か選び

5日に投開票される東京都知事選。現職の任期(4年)満了に伴い、史上最多の22人が立候補した。しかし、顔ぶれにガッカリ感が拭えない。比較してマシな誰かを選ばなくてはならないところが厳しい。この人になら任せたいと思える"傑物"が出てくる日が待ち遠しい。

自問の結果22人の顔ぶれを見て自問する。この人に任せて、果たしてコロナ禍を乗り切れるのだろうか。この先、安心して安全に暮らせるようになるのだろうか。

もっとみる
「水無月」の意味

「水無月」の意味

「親の心子知らず」という。まさにその通りである。毎年6月30日になると、両親がわれわれ夫婦に「水無月」という和菓子を買ってきてくれるが、ここに来て、ようやくその意味を知った。なるほど、両親は理由も告げず、小粋な贈り物をずっと続けていたわけだ。心憎い。

無病息災水無月は、白いういろうの上に甘く煮た小豆を載せ、三角形に切り分けた和菓子だ。2020年も6月30日に両親からもらった。この和菓子に添えらえ

もっとみる