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「なつかなくてごめんなさい」は最大の攻撃

私がチームリーダーになって間もない頃、
チームにいたメンバーにこう言われたことがある。

「なつかなくてごめんなさい」

その時、何を言われたのか、意味がよく分からなかったけれど、なぜか蔑まれた気がして、「なつくなんていいよ〜仕事してくれたら」みたいな、今思えば情けないことを、苦しまぎれにゴニョゴニョ答えた覚えがある。

その人からすれば、私は
『なつくに値する人ではない』
と思われていたということなのだろう。

正直、ご本人にとっての前のリーダーと比べて、私には及ばないところが沢山あったと思う。

また、その人には高い能力も周りからの信頼感もあり、ご本人なりに「ここまでやりたい」というものを持っている人であったのに、当時の私には表面的に対応しているようにしか見えていなかったので、ご本人からしても私の信頼を得ていないように感じていたかもしれない。


人当たり柔らかく対応しているつもりではあるが、なんだかんだと、私は人に対する見方が厳しいように思う。

昔『先端恐怖症』で、
先がとがったモノ…例えば、キリとかアイスピックのようなモノの先端を見続けることができなかった。
削りたての鉛筆でさえも、見ていると目の周りがかゆくなるような感覚に襲われて、見ていられなかった。
大学の授業で、「先端恐怖症は、自分の中の攻撃性が相手を打ちのめしてしまうことへの恐怖の表れである」と聞いた時に、腑に落ちた自分がいた。

今でも、相手に信頼感を持つまでには時間がかかる。

そんな私と一緒にシゴトをすることになったお相手に、今では申し訳ない気持ちもあるのだが、当時はリーダーになりたてで、気負っていたように思う。
メンバーに自信をつけてあげられていなかったのだろう。

「なつかなくてごめんなさい」

は、そのことへの抗議の意味が込められているのではないかと思う。

すでに、何年も経つのに、時々思い出されるこのコトバ。
「○年殺し」と表されるような五臓六腑に染みわたる毒のように、私にとっては、最大の攻撃力が発揮されている。

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