価値観を探る質問力とは

あなたの強みはなんですか?

面接で「あなたの強みはなんですか?体験談を交えてお話しください」と言われたことがあります。

「特に思いつかないですね。逆にそんなことを聞いて何の意味があるんですか?」と聞いたら気まずくなってその面接は直ぐに終わりました。※もちろん結果はお祈りです。

この違和感のある質問は、面接者が面接官に聞いてきて欲しくない質問の最上位に来る質問ではないでしょうか。その理由を論理的に説明しようと思います。

結論から言うと、この強み弱みの質問は、あなたを形成する膨大な変数の、一要素にしか過ぎないので「聞いても無駄な質問」だからです。

なぜ聞いても無駄な質問か

ちょっと深い話になるのですが、人間の本質というのは「行動」「思考」「価値観」という層で区分けできると思います。

ピラミッドでいうと一番下が「価値観」、その上が「思考」、最上位が「行動」です。※行動は習慣という場合もあります。

人間は、ある行動する前に頭の中で何らかの思考をします。もちろん思考が深い浅いというのはありますが、何らかの思考をした後に行動に移します。

その人の思考はその人の価値観に沿って形成されるため、面接時に面接官が面接者の良し悪しを判断するためには、面接者がある思考をした時ににどのような価値観を持ってその考えに至ったかを確認しないと本質的に面接者を判断できません。

最初の質問に戻りますが、「強み弱み」というのは、あなたには数え切れないほどある変数であり、状況によっても変数が変わってくるし、そもそもそんなことをいちいち考えません。

その人の強み弱みを聞いてもその人の表面上の一要素しか見ることができないため、全く意味のない質問となってしまっているのです。

面接官はそんな表面的な質問をしないで、本質的でその面接者の行動や考えを形成する価値観の部分をちゃんとみてあげる必要があります。

面接では面接者を判断できない?

面接で面談者を判断できないと言っている面接官がもし仮にいるとしたら、自分に質問力がない、具体と抽象化能力がないと言っているようなものだと感じます。

ある専門性を持ち合わせて、面談者の価値観をゆっくり確認していくステップを取れば面談者がどのような考えを持ち合わせている方なのか、おおよそ予想できます。

理由は、行動は思考に抽象化され、思考は価値観に抽象化されるからです。価値観をおおよそ把握することができれば、他のケースに転用でき、その価値観に沿った大体の思考パターンや行動パターンがわかります。

例えば、能力がない人は会社で内向きになり、上下関係に過剰に反応し、権力を持ちたがりますよね。そのような方は大体同じような価値観を持っていますので、思考パターンや行動パターンが手にとるようにわかります。それと同じことです。

もちろん面談者が面接のような即時性を求められる同期型コミュニケーションが苦手で言葉が出ないこともあるでしょう。

見込みがあるがそれで判断できないと思ったら、面接方法なんてなんでも良いので追加でテキストベースの会話することや、専門性を判断する何か良質な課題を提出することなどの非同期コミュニケーションの面接を後ほど行えば良いです。

今に集中する

面接者の価値観を探る上で最も重要なことは、面接官は面接者の「今」を見て判断することです。

ありもしない過去や未来の話をしても手触り感の無い面接となってしまいます。

ファンタジーを制作するなら良いですが、実務を通して会社に貢献できる人材か判断するためには面接者の「今」を見るだけで全てが分かります。

過去の話とか未来の話とかは本質的には不要です。

未経験なら、なぜその業種や職種を選ぶのか、そのために今何をやっているのか、なぜその行動をしようと考えたのか、その考えに至った大切にしている価値観は何なのかを考えておくと良いと思います。※これは自分に向けてです笑

まとめ

上記をまとめると、

まず1つ目が、強み弱みなどの膨大な変数の一要素を聞いても意味がない質問になるということ。

2つ目が、人間の本質というのは「行動」「思考」「価値観」という層で区分けができるのでより内在的なその人の「価値観」を見極めようということ。

3つ目は、面接官は具体と抽象を行き来できる能力を持つ人、且、面接者の価値観を探る質問をできる人でないと、面接者の判断をできないよねということ。

4つ目は、面接者は変な面接官に当たったらその会社には行かなくて良いということ。本当に見てくれる良質な面接官は「今」のことしか聞いてきません(もちろん経歴とか今後のキャリア形成とかは軽く聞いてくるかもしれませんが、基本的には「今」のことを聞いてくれます)。

5つめは、面接者は価値観の軸を把握しておこう!お金が大事なのかチャレンジが大好きなのか健康が大事なのか家族が大事なのか時間が大事なのか自分が自分であることが大事なのか。

補足【私の価値観の軸】

私自身の価値観の軸は、「自分が自分であること」が土台にあり、「家族」「健康」「時間」「チャレンジ」とだんだん層が高くなっていきます。

「オレがオレであること」

これを無くしたら、生きているのに死んでいるようなものだと私は思っています。

権力やお金に縛られて自分の人生を生きていない方を何人も見てきました。

その方達はそれが幸せと感じていのであれば私は否定はしません。

私は私の価値観の軸で物事を判断し生きていきたいと思います。



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