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私は紙に関わる会社で働いている。

私はこれまで紙に囲まれて暮らしてきた。小さい頃を思い返すと本を読み、紙のボールを投げ、祖母から貰うお小遣いの1000円で買ったトレーディングカードゲームやトランプで遊んでいた。その後も、順調に中学、高校を紙の教科書とプリント類と共に終えた。その頃から、将来について考え始め、なんとなくサラリーマンになるのだろうと思っていた。

サラリーマンという言葉を聞いて最初に思い浮かぶのが名刺交換だ。大のテレビっ子だった私は大好きだった数々のドラマからサラリーマンといえば名刺交換だと無意識のうちに頭に刷り込まれていたのだろう。そして、コロナ渦のなか晴れて社会人デビューをした。無論、殆ど出社していないので、デビューしたのかは実感がない。4月1日遂に念願の名刺を手に入れた。夢にまで見た名刺だ。そこから中々名刺交換をする機会は訪れない、何故なら5月末まで在宅勤務だからだ。そして、5月4日新しい生活様式が政府によって発表された。そこにあったのが「名刺交換はオンラインで」という文言。これまで憧れてきた名刺交換がオンラインに。政府の言うことだから従うしかないが、何か味気なく感じてしまう。勿論、この名刺交換の文化が無くなる訳では無いと思うが、機会が減ってしまうのは少し残念である。

しかし、何を言おうとも私達はこれまでの考えをアップデートしていくしかない。実際、私達はこれまで上手にアップデートしてきている。紙に関して言えば、本や雑誌は電子化、お金や手紙も電子化されて、それに対応してきたではないか。紙の業界で働く人間としてお洒落さ、紙の温かみ、環境への配慮など良いところは後世に残していきたい。将来、私がおじいちゃんになった時、多分孫は電子書籍を読み、VR上でスポーツをして、私から電子マネーで1000円を貰って好きなものを買うだろう。それで良いと思う。だけど、その時代にも紙が負の遺産ではなく、お洒落で、環境に良く、温かみのある素材として生きていることを願う。その為にも、仕事を頑張りたいと思う。

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