プロフェッサーとは?

 学校から解放されて一ヶ月と少し経つ。頭が少し動くようになったので通っていた学校の記録のようなものを書こうかという気になってきた。クラスの誰も誰とも友達でないというプログラムにいたので、今まで思っていたことも口にしなかったので。私の考えや学習方法が古すぎるのかもしれないけれど、いろんなことを書きのこそう。

 不思議だったのは、ここの先生たちが俺たちプロフェッサーだから偉いしという態度だった。主語がプロフェッサーで学生に俺たちこんなにやってるのに、君たちはなんでこんななんだという態度で、なんでこの先生たちは自分たちがプロフェッサーであることをこんなに言いたいのかよく分からなかった。

 プログラムに通い始めて最初に困ったのは、授業の形態だった。教室には大きなスクリーンがあって、部屋の中は常に真っ暗、授業中に表示されるpdfも真っ暗なスクリーンで白の字で書かれたものだった。メモを取ろうと思って書こうと思っても、ノートで字を書くことは出来ないくらい暗くて、パソコンのみの明るさしかなかった。ブラインドを開けたり電気をつけることは許されなかった。学生は授業中、真っ暗な中でパソコンの明かりだけが電気だった。スクリーンに映し出される画像やプログラムは、字が小さくて読みにくかったりして、時々字を大きくしてくれるように頼んだりしても、無理と断られることも多かった。

 全てをパソコンでメモするというのは、常に物事をパソコンで何かを書くようにしなければならなくて、物事をそのように考えるたりする人にとっては最適な方法かもしれないけれど、そうではない私にとっては地獄のような作業だった。ノートに斜めに説明書きをするような、マインドマップのように物事を整理する私にとっては全く役に立たなかった。

 始まった授業はどのクラスも、ただひたすらに「教授」がプログラムを書いていくのを写していく作業だった。しかもかなりの速さで、コピーできないから少し待ってくれと言うと、君のことだけは待つわけにはいかないと言って、ガンガン進んでいく感じだった。人によっては、このペースについて来られず、コピーできない方が悪いと言われたりした。かと言って、授業の後にそのコードを配布してくれるわけでもなく、授業のポリシーはコピーできない方が悪くて、授業後に配布はしないと言うものだった。これはプログライングの授業だけではなくて、ソフトを使う授業でも同じで、授業中に一気に何かを作るのを見せて、それでできるようにならなければ置いていくと言う感じだった。この方法が今のプログラミングの教え方の正しい方法なのか分からないけれど、少なくとも私が学部でとった数々のコンピュータープログラミングの授業とは全く違うものだった。

 しかも、授業で使うシステムがパソコンにきちんとセットアップされておらず、授業中に行われていることをただ見ていると言うことも多々あった。学期の最初だけがそうなのかと思ったら、結局最後までそのままだった。このきちんと整えられてない感じは一体なんなんだろうと思っていた。しかも、学校のラボで作業をしていると、15分ほどで電気が自動的に消えてしまうのだ。センサーか何かで電気をコントロールしていて、手動で電気をつけ続けることができず、すぐに電気が消えてまた真っ暗な部屋になってしまう。少しでも集中しようものなら真っ暗になってしまい、何も見えなくなってしまうのだ。無駄を究極に削除したからなのかもしれないけれど、誰もこれが変だと思わなかったのかと思った。

 課題やテストも不思議で、課題が出て提出しても、成績がついた後にその課題ではこう言うコードを書きなさいと言う模範が配布されるわけでもなく、分からないからできなくても何が正解だか分からないままだった。テストも、テストの点数は戻ってきて、Good effort などのコメントだけで、何が正しくて何が間違っていたかの正しい答えが手元に残るわけではなかった。しかも、課題も、カバーしきれていない箇所などが出ていて驚くことが多かった。何が正解かわからないため、何もわからないままいつも終わった。

 しかも、授業が始まる時に大抵動画を見せられるのだけれども、自分の好きな有名なデベロッパーの人の著書やらその人が何をしたとか、でベロパーとしての有効な時間の使い方などの不思議なことについて説教したい感じで、マジで余計なお世話とずっと思っていた。クラスの子たちは若い子が多くて、デベロッパーとしてワークライフバランスをいかに保つかと言うことについて動画を見せられても、そうよねそうよねと言う感じで勉強になると言っていたけれど、それが私はとても不思議だった。

 この環境でよく他の学生はやっていけるものだと、自分のできなさにうんざりしていた。クラスの学生の結構が出席しなくなっていた。毎日授業に行って、授業でやったこととの意味がわからないため、結局全てググって調べていたが、結局わからないものだった。クラスの子に聞きたくても、クラスの人たちの言っていることもよくわからず、自分が本当に何もできない人なのだと過ごしていた。

 その後、グループワークがあり、グループが自動的に振り分けられて、同じグループの人たちと一緒に作業を増えてわかったことは、クラスの子のほどんどが授業で何が行われているかわからず、授業中にただひたすら写すプログラムも写し終わらず、授業に行っても真っ暗な中で座っているだけで、説明も意味をなさないので、いかない人がいかに多いかと言うことがわかった。授業中にコピーするプログラムも早すぎて、写すことができずみんな諦めているようだった。そして、課題などは特定のグループの人たちが集まって、誰かがやった課題を使い回す、もしくは前年に授業をとった人のものをもらってくると言うことが行われていると言うことだった。現に一緒に課題をやっても、何をやっているかわからないので、課題も何をやっているかわからないし、書いている言語の認識もわからない人だらけだった。

 ある時、授業中残ってLaravelとPHPの説明を聞いていたが、最終的にYou think too much と言われて心底驚いた。It's Laravel Magicという説明で You think too much と言われて、心の底から理解できない自分を責めたが、よく考えるとプログラミングの授業で、マジックみたいなものだと言われて誰が納得するのだろうか?その割にはWe are here to help youと言われ続けていた。この教師は私は教えるのが上手でこの仕事をしているわけではなく、この業界についてよく知っているからここで教えているのだと豪語していた。それに高等教育期間で、これほど授業中にFワードを発する先生に会ったことがなくて、ここのプログラムは一体どうなっているのだろうとよく思っていた。

 他の教授に質問したりしても、もっと努力しなさいとか、授業中に話したじゃないかと言われてばかりとても嫌だった。質問して、間違った説明を受けてその方法で解決しようと思って色々やった挙句できず、最終的に言われたことが、なんで言わないの?と私の責任にされたりした。プログラミングの課題でも、Pseudo codeでヒントをくれるわけでもなかった。Pseudo codeという言葉が出てくるわけでもなく、最初にこれを定義して、次にこうして、こうして、最後にこうなるという風に教わらなかったので辛かった。こんな風に思うのは私ができないからなのかといつも思っていた。学部でプログラミングをやっていた時は、大抵課題でわからない場合はロジックの、Pseudo codeが教えられてその通りに書く感じだった。私の学習方法が古すぎるのかもしれないけれど、少なくとも、見てろ写せではなかった。

 そもそもオフィスアワーがあまりなく、オフィスがないのがデフォルトだったので、分からない時にすぐに質問に行くことすらできなかった。一週間くらい前から予約しないと行かれない上に、説明を聞いても要を得ないので諦めた。一度、オープンラボの授業の時に、授業の時間の間はオフィスにいるから教室にくれば、教えてくれると言うのでメールをして教室にいたら、同じクラスの子が来て、今その先生のところに行って質問してきたと言っていたが、私にはメールでリンクが送られてくるだけだったこともあった。

 そんな時に気がついたのだけれど、ここのプロフェッサーたちの殆どはここのプログラムの出身の人たちで、大学の学部を卒業しているわけでもなく、修士を持っているわけでもなく、自分たちが習った方法と同じように、教えているようだった。

 そんな時に、アメリカの学部でお世話になった先生がついにプロフェッサーになれたと言うお知らせが来た。去年、その先生がプロフェッサーになるための推薦文を書くお願いを受けて、大学へ推薦文を書いたのを思い出した。私が、アメリカにいた時からずっと大学で教えていて、晴れてプロフェッサーになれたと報告があった。MFAを元々持っていて、この間博士課程を修了したと言うのもFBで報告してあった。

   we are here to help you succeedと学校もスローガンを掲げていたけれど、私は学校が私をsuceedするのを助けられると思わないし、人生なんて学校が成功に導かせてくれるわけでもないと思っている。私は学校では学ぶことを手伝って欲しいだけだった。色々思ったけれど、業界をよく知っている教授陣で教えられている業界では、私は意味がわからない指示しか受けられないだろうし、ただひたすら困惑して疲れ果てるだけなので、やらないほうがいいと思った。この一瞬にして嫌になった感じは初めての経験だった。

 俺たち教授陣はこんなに必死なのに、なんで君たちは頑張らないんだとよく言っていたが、多分そうではないと分かる教授は多分いないと思うけれど。


 


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