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ノドから手すさび短歌集(第363首~379 首)

<終わり>について、十七首詠みました。

心に寄り添う歌あれかし

<いつかは終わる、みんな踊って>


【第三百六十三首】
疲れたねなんだかとても眠いんだバルスと唱えすべてお終い
‐バルス‐


【第三百六十四首】
鳴く蝉の弱々し頃こと切れの同じその時こと切れし人
‐切れる‐


【第三百六十五首】
うみたなご腹裂きみればうみたなご稚魚ら溢れて目々恨めしき
-卵胎生-


【第三百六十六首】
長らえて生きぬと放ちし少女過ぎ老いの箱根の坂にかかりき
‐箱根の坂‐


【第三百六十七首】
疾風のような優駿倒れ死すターフを渡る一陣の風
‐風となり‐


【第三百六十八首】
ここに存るひとりひとりに歴史あり喜怒哀楽が眠る墓地群
‐何想う‐


【第三百六十九首】
屏風絵の水を湛えし近江舞子この地で死にたきものの多し
‐屏風絵‐


【第三百七十首】
病み伏して健やかなるを焦がるよにありふれた今日かけがえのなき
‐大切なものは…‐


【第三百七十一首】
釣り人の水面(みなも)見つめる問い掛けは魚(うお)に向けてか美しい日々
‐美しい日々‐


【第三百七十二首】
タヒとは何と子が問ひしその無邪気 一本線下横たわる「死」
-沈む夕日は-


【第三百七十三首】
あの白き包み運ばれゆく光 生きて物言い憂いし彼の日
‐仄白き‐


【第三百七十四首】
いま一度もう死ぬろうか口にふれカルキ臭する水をふくめり
‐のむ‐


【第三百七十五首】
来し方も今も行くすゑ舵を切れ人類が歩み幼壮老(ようそろう)
‐ようそろ‐


【第三百七十六首】
父倒れし電話の異変気づきしか子らが静かにじっと見ている
‐凶報‐


【第三百七十七首】
われを置きそれでも季節めぐりゆく それでも明日、種を蒔くだろう
‐生きる‐


【第三百七十八首】
ししくしろ黄泉の詠みびと美(うま)し歌 美味(うま)ししし肉うたた寝の酒
-いつかは終わる、みんな踊って‐


【第三百七十九首】
蒼白き馬、御使いの舞い降りて花の冠戴ける夢
‐戴冠、被昇天‐



ヘッダー画像引用元:<a href="https://www.ac-illust.com/main/profile.php?id=mwPy6pI8&area=1">うみ</a>さんによる<a href="https://www.ac-illust.com/">イラストAC</a>からのイラスト

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読書やコラム、記事、見聞したものに対して徒然に書いてきたいです🙂。omnivore(雑食動物、乱読、広く興味を持つ)なるままに。現代詩好き。茨木のり子、吉野弘、石垣りん、高橋順子、馬場あき子、河野裕子等。歌は洋楽AOR系が好き、青春はMTV、渡辺美里、大江千里。
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