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PERSON vol.2 ”小野亜季子・吉川敦”(採用特設記事)

 「自然のそばで働く」こと。なかなかイメージが湧かないものかと思います。

 具体的にどんな仕事をするんだろう?

 どういう組織なんだろう?

 どんな人たちがいるんだろう?

05柚野からの富士山

 生活拠点の移転を伴う転職、特に中途採用が中心のホールアースの門を叩く人たちも一度は考えることかと思います。

 自分が思い描くイメージとズレが生じてしまうこと、組織と個人とのミスマッチが起こってしまうことは、なんとか避けたいものです。ある程度のリスクを感じながらも、「まずはやってみたい!」という前向きな気持ちを可能な限り後押しし、応援したいと考え、ホールアースでは「実習制度」を設けています。

 3月の入社から8ヶ月間「お試し期間」としてホールアースで働き、その後、お互いに今後も働いていきたいかを判断する制度です。

 そんな実習期間の過ごし方や、実習生がどのようなことを感じ、考え、動いているかを知ってもらいたいと思い、今年3月から働いている実習生5人のうちの2人、小野亜季子(写真右・29歳、通称「おのちゃん」)、吉川敦(写真左・25歳、通称「ジョイ」)との話を紹介したいと思います。

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海、工房から富士山麓の里山へ

 「海と水、そこに生きる生き物が大好きで、水族館で働いていました。でも働いていくうちに『もっと深く知ってほしい』『もっと広く伝えたい』という想いがだんだん強くなって、環境教育に興味が湧いてきたんです。レジャーではなく、インタープリター(自然と人との仲介役)として自然のことを伝えたいっていう気持ちが大きくなってきましたね」

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 「海のインストラクターになることも考えたんですけど、海に来る人はもうすでに海に興味を持ってる人が多いと思うんです。まだ自然に興味がない人とか、自然のことを知らない人に、自然のことを伝えていきたいと思いました」

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 無人島の水族館で魚やウミガメの飼育解説員として約3年間働いていたジョイ。自分の内側から湧き出るものに向き合い、「環境教育」という切り口で挑戦してみたいという想いから、ホールアースへ入社しました。

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 「私はオーダーシャツの職人として、5年くらいかな?働いていました。仕事はやりがいを感じていたんだけど、机の上に山積みになった出来上がりのシャツを見て、『ものが溢れた現代に、それでも自分がものをつくる意味ってなんだろう。服をつくること以外でも人を幸せにできないかな』って考えるようになりました」

 「自分にどんな可能性があるのか探ってみたくて。服以外の仕事を探しているときに、偶然富⼠登⼭の添乗員の仕事を見つけました。体を動かすことが好きなのと、数年前に個人で行った富士登山がすごくよかったので、思い切ってやってみることにしたんです」

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「そしたら想像以上に、自分に合っているなと思って。あと、登りながら参加者一人ひとりを応援する気持ちって、私がオーダーシャツをお客さんに作っている時の気持ちと似ているなって感じたんです」

「私が服を作るとき、大袈裟かもしれないけど、その人の人生を応援するような気持ちで作ってました。手段は違えど、自然の中のプログラムを通しても同じことができるかもしれないと思いましたね」

 当時掲載されていた日本仕事百貨の記事を見て、ものづくりの現場から自然のフィールドへ。はたから見ると「どうしたの?」と思われるかもしれませんが、おのちゃん自身の中にはぶれない軸があるように感じます。

自分を磨く春、活かす夏、育てる秋、創る冬

 「入社してからしばらくは、ひたすら富士山麓の森と洞窟でのガイドのトレーニングでしたね。2ヶ月後に初めて40人の生徒を森に連れていったときのドキドキ、忘れられませんね」

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 「前職では人前で話すことも多かったからか、夏はプログラムの実施を担当することが多かったです。他の同期は食事づくりの担当とかが多かったかな。子どもとのキャンプを7本やった中で、洞窟探検の案内をしたり、動物のお世話の仕方を伝えたり、夜の虫探しに連れていったり」

 「そんな夏が終わって、これからのシーズンは仕事が落ち着く時期ですけど、春と夏に積んだ経験をきちんと育てて、自分で仕事を創っていかないといけないプレッシャーも感じてます。僕にできるのかなっていう不安も、正直もあります」

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 怒涛のような春と夏を乗り越えて一回り大きくなったジョイ。でも、与えられた仕事をこなす日々は終わりを迎え、これからは「自分の想いを形に」し、仕事を創っていくことが求められてきます。

 例えば、企業の研修や新しいものづくり、異業種とのコラボレーション企画、行政との新規事業開発、ツアーの企画、外部との繋がりづくりなど。産みの苦しみは当然にあるものの、ホールアーススタッフがみな経験する、難しくも自分に心地のいい営みです。

働きながら自分らしくいられること

 「前の職場は自分一人で完結できる仕事が多くて、自分がいいものを創ればそれでよかったんだけど。今は仲間とコミュニケーションを取りながら、人の顔を見て、笑いながら仕事できてるのが楽しいね。仕事内容云々っていうより、自分らしく生きられてることが楽しい」

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 「『おのちゃんってこうだよね』みたいな声かけをされることが多いかな。技術とかスキルを評価されたり、褒められたりすることは今までもあったけど、自分の気質とか内面に対してフィードバックを受けることはあんまりなかった。新鮮な気持ちですね」

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 「ホールアースってどんなところ?」という質問におのちゃんはそう答えます。

 組織や上司の意見を代弁するのではなく、自分がその場で感じたことや、大事にしたいと思う価値を誰かに伝える仕事。「自分として働ける」場だからこそ、自分の在り方に悩む仕事でもあります。特に実習期間は、自分の内側に向き合ったり、スタッフからのフィードバックを受けることもよくあります。

里山をベースに働くことの難しさ

 「困りごとは・・・特にないかな。車を持ってたら楽だろうなあとは思うけど、誰かに乗せていってもらえば道中で話もできるし、結構楽しいよ」

 「仕事の中でもっと外の人と繋がりたい、っていうのは思うよ。地域の人とか、都市の人と一緒に仕事をしたり、話したり。東京だとイベントが多かったり、小さなコミュニティが生まれやすかったから、これからもっと広げていきたいとは思うね」

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 裏方としての立ち回りも多い実習期間ですが、組織全体としても自分たちの価値観を里山の中に収めずに、もっと外へと発信していく必要があると感じます。組織の課題には、実習生も一緒に向き合ってもらいます。

ワクワク感を仕事に落とし込む

 「正規職員としてホールアースに残ることになったら、里山と海を繋ぐような企画を立ててみたいですね。やっぱり海が好きなんで」

 「里で働いて、休みは海に入っていると、海と川、森、山が繋がっていることが実感として理解できます。自分自身が肌で感じたことを、素直に伝えていけるインタープリターになりたいです」

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 じっと見ていると少し恥ずかしくなってしまうくらい真っ直ぐな目で、これからのことをジョイが話してくれました。

 自分の想いにまっすぐな人や、悩んでしまってなかなか前に進めない人。やりたいことはわかっているけどやり方がわからない人や、そもそも何がやりたかったのかわからなくなってしまう人。

 毎年実習生を採用していますが、想いや悩みは人それぞれです。それでも、自分に素直に、同じ向きを向いて仲間と過ごす8ヶ月は、きっといい時間になると、私は思います。

 なかなかイメージのつかない、ホールアースでの実習生の働き方や考えていることを少しだけご紹介しました。この記事が、ホールアースへの入社を迷っている方の背中を少しでも押せるような存在であれば嬉しいなと思います。

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