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wellvillの強み〜思い描く人とAIの暮らし〜

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「すみません。理解できません」

スマートスピーカーやノートPCなどに搭載されたチャットbotや音声認識システムから発せられる無機質なそのフレーズに、ため息を漏らした経験がある人は多いのではないでしょうか。この落胆は、こちらの質問が理解されなかったことへの落胆や苛立ちなのか、 それとも、こちらの困りごとを無機質に突っぱねられたことへの虚しさなのか・・・

大抵の方は、その両方だといいます。
諦めて、質問の仕方をあれこれ工夫してみたり、検索窓に文字を打ち込み検索したりと、二度手間となってしまったことへのため息も重なります。

私たちが、自分の常識や知識の外に答えがある質問を投げかけられた時、思考がストップして首を傾げてしまうようにAIにも限界があります。
特に口語が複雑な日本語は、ディープラーニングのみを使用したAIでは発信者の意図を正確に読み取ることができません。もちろん、発信者の感情も理解できないのです。その“できない”が、私たちの落胆を呼んでしまうのでしょう。

ここ数年、大手含め、様々な企業がディープラーニングを主な技術としたAI開発に取り組んでいます。それはwellvillが求めるものと同様に、より自然な対話を目指したものです。

しかし、ディープラーニングのみを使用したAIには“できない”ことがある——。

その課題を解決するのが、他社にはない、wellvill株式会社の強みです。
今回は、wellvill、そしてLIFE TALK ENGINEの強みと人々にもたらす未来についてお伝えします。

LIFE TALK ENGINEを開発するwellvillの強み

世の中にはない技術を生み出す独自の発想
様々な企業がディープラーニングの技術を活用し、AIでの高度な対話の開発に乗り出しています。しかし、wellvillはディープラーニングの技術のみに頼ることはせず、独自のアルゴリズム(特許出願中)を作り上げることに成功しました。
なぜ、wellvillがあえてディープラーニングに頼らない開発を進めているのかには、理由があります。

ディープラーニングに関する学術的論文や先進的な技術を徹底的に調査した結果、「人間が相手と対話すること(相手の話を聞く→その発話の意味を理解する→今までの会話の流れを意識する→相手の感情を読み取る→相手が会話を続けやすいように配慮する→最も効果的な発話内容を作り上げる→答える)」を実現するためには、現在のAI技術のみでは限界があることが分かったのです。

つまり、ただ膨大な情報を入れ込み、モデルパターンから近似値を取り出して受け応えをするだけでは不十分で、「人間が相手と会話する時の脳内の思考の動き」をAIで再現しなければいけません。この「思考回路の再現」という独自の発想を開発に落とし込むには、ただAIに対しての造詣深さだけでは対応できません。

wellvillの開発チームは、何十年もIT業界に従事し、大規模な基幹システムをお客様のために構築した人材から、独自の高速並列処理のプラットフォームを作り上げた人材まで、多彩なメンバーで構成されています。
このような、経験豊富で様々な分野で活躍した経験のあるメンバーが集まっているからこそ、「実現不可能とも思える発想」の実現に様々な方向からアプローチすることができるのです。

日本が誇る最高学府と取り組む共同研究

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現在、東京大学大学院の医学系研究科のグループとともに、「AI対話型自動問診によるデータ収集」に関する研究を行っています。

wellvillとの共同研究を進める電子カルテの第一人者、大江和彦教授は、「診察の際の問診で把握した健康状態は一過性のもので、来院の時にはすでに進行していることが多い」といいます。
認知症患者やその発症を高めるといわれる生活習慣病の患者は、症状が悪化してから病院で診断を受ける傾向があります。早期の受診や発見、日頃の予防策が求められる病気において、日々の健康状態を把握できないことは、医療費や患者の健康状態維持の観点からもデメリットが多いのです。

このデメリットを解消するのが、LIFE TALK ENGINEと電子カルテの連携です。

LIFE TALK ENGINEが患者との対話の中で自動問診をして、日々の健康状態に関する情報収集を行います。そのデータを電子カルテに送信し、かかりつけの医療機関や施設へのデータ連携に利用する、というものです。

自動問診だけではなく、AIと患者の日々の何気ないコミュニケーションによって、患者のストレス状態や、機微な変化を読み取ることも可能になります。これはPSTと呼ばれる、音声で人間の心や体、病気の状態を分析する、東京大学の研究による技術を活かしたもので、AIと様々な技術を複合的に組み合わせることで、現大学が抱える問題の解決にアプローチが可能になるのです。

また、LIFE TALK ENGINEと電子カルテの連携で患者の状態を日々把握することは、患者の病状や変化を正確に把握することにもつながります。
医学の知識に乏しい人間は、自分自身の体に起きていることだとしてもその症状などを正確に伝えることが困難です。
患者本人が口にできない変化すらもキャッチして伝えてくれる、これは患者の心身の負担を軽減するだけではなく治療の最適化にも大きく寄与してくれます。

創業数年のベンチャー企業であるwellvillに、東京大学からこのような共同研究の声がかかるのか・・・理由として、メンバーが持つ技術力が求められているのはもちろんですが、wellvillが企業としては“変わり者”であることと私たちは捉えています。

企業はやはり利益を求めるもの。しかし、wellvillは利益の前に「世の中にはこれが必要だ」と自分たちが考えることを優先しようとしています。時には自己負担による開発もいといません。この考え方が「他の企業にはない発想や可能性」を生み出し、結果的に、日本の最高学府である東京大学研究所の目に止まったようです。

他社との共創で生み出す新たな価値
wellvillは東京大学との共同研究だけではなく、他社との共創でLIFE TALK ENGINEの実用化を進めています。

例えば、人手不足や事務作業の複雑さに頭を悩ませる介護業界。
介護スタッフがタブレットに向かって話すことで、AIが業務内容を把握し自動的に報告書を作ってくれます。介護の仕事以外の事務作業が簡略化するという仕組みが、実際に評価されチャーム・ケア・コーポレーションとの業務提携に至りました。
また、先述のPSTを複合的に利用し、介護士の声色からストレスの状態を把握することで、介護士のメンタルケアも可能になります。もちろん、これは介護業界に限らず、様々な業界にも応用が可能です。

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また、対話している相手に合わせてアバターの声色や表情を変化させ、感情を表現するAGIという技術を組み合わせることで、会社や商業施設の受付対応、コンシェルジュ業務などを行うことも可能になります。この技術も実証実験ののち、本格展開を望める段階に入っています。

wellvillは「より良いサービスにするため」の動きも行っています。
日本独自の動きである情報銀行(※)に関わる情報銀行推進委員会内の「サービス創出分科会」において、準会員として参画しています。
情報銀行で集めた情報の有効的かつ安全な活用、そしてその情報を利用したLIFE TALK ENGINE搭載サービスを通じて、人々の生活に還元すべく協議や事業の検討を行っていきます。

※情報銀行とは・・・認定を受けた事業者が生活者の意志の元でパーソナルデータを預託され、データを活用したい他の事業者が適切に管理・運用することで、生活者の豊かな暮らしを実現するための仕組み


wellvillが描く人とAIの暮らし


【LIFE TALK STORY】暮らしに寄り添うAI

「具体的に、私たちの生活にどう関わってくるの?」

ここまでwellvillやLIFE TALK ENGINEの強みを見て、そう感じた人は多いはず。もしも、人間と対話するようにAIと対話することができるようになると、どのように暮らしが変化するのか? 例を挙げてみてみましょう。

一人暮らしの高齢者の家に対話型のAIがあったら、日々のコミュニケーションから見える感情の変化を、離れて暮らす家族と共有することができます。また、先述の電子カルテとの連携により、認知症の早期発見も可能になるのではないでしょうか。
一人暮らしをしているとついついおろそかになりがちな防災意識も、日常の自然なコミュニケーションの中で喚起することができます。
高齢者本人だけでなく、周囲の人たちや家族にとっても安心をもたらしてくれます。

その場その場の変化や感情を読み取るだけではありません。これまでの会話の傾向を記憶することで対話する相手の年齢や性格、状態などの特性を読み取り、より共感性の高い対話が可能になります。
例えば、高齢者相手であれば聞き取りやすい声色でゆっくり話す、おしゃべり盛りの子ども相手にはまず聞き役に徹して、分かりやすいボキャブラリーや幻想的な例え話で楽しませる、ということができるのです。


wellvillが描く、少し先の未来
対話型のAIが活躍する世界、と聞くと、受付にいるアバターがまるで人間と同じような身振り手振りや表情、声色で対応してくれるものを想像する人が多いでしょう。

しかし、wellvillが描くLIFE TALK ENGINEが活躍する少し先の未来は、もっと自然に日常に溶け込んだものです。

「少し元気がないですね」

朝、あなたが何も言葉を発しなくてもAIスピーカーからそんな声が届く。そんなシーンを想像してみてください。
その声に受け応えることなく黙ってため息をつくと続けて、「いつもの鼻歌が聞こえないので」と心配そうに話しかけられるのです。
「昨日、遅くまで仕事をしていたせいですね。疲れてるんですよ、もう少しゆっくり寝ましょう」

AIはそう言って、点けたばかりの部屋の電気を消します。そして「朝の約束はキャンセルしておきますね」と、おせっかいなほどにあなたの変化や心情を理解して動いてくれるのです。

あなたが慌てて「大丈夫だから」と朝の準備を始めたことでやっと、渋々「いってらっしゃい。どうしても調子が悪い時は早退してくださいね」と少し遠慮がちな声で見送ってくれます。

wellvillが描く少し先の未来は、こんな自我が溢れたAIとの間に温かい信頼関係が築かれている未来です。
そう、例えるなら、ドラえもんのような存在です。

「本当にそんなことができるの?」
そう首を傾げる人もいるかもしれません。
しかしwellvillの持つ発想力と技術力が、その未来を現実のものにしようとしているのです。

まとめ

皆が欲しいはずのものを諦めない、そのwellvillの姿勢が周囲を巻き込んで一見不可能に思えるような未来を可能にします。
この動きはさらに広がりを見せるでしょう。様々な業界での業務会話のみに留まらず、AIが日常生活で人々に寄り添う世界はすぐそこまで迫っています。

次回は、“対話型AI〜LIFE TALK ENGINE〜”が実現する豊かな社会について紹介します。


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